中学や高校在学時に留学やホームステイをしたいと考えたとき、学校や、在住の自治体によるプログラムという選択肢の存在をご存じの方も多いだろう。では、国内の大学進学後に、海外で学びたいという意欲をもった学生が留学するにはどのような道があるのだろうか。 東京大学の学生に東大独自の「TLP(トライリンガル・プログラム)」について聞いた前回に引き続き、今回は「留学先の決め手と渡航前にやっておくべきこと」を語ってもらった。留学先の決め手は?--皆さんが留学先を決めた理由についてお聞かせください。加藤:僕が留学先に中国を選んだのは、第2外国語が中国語だったというのが1番大きくて。どうせ勉強するなら、現地に行ってするのが1番良いなということでそこを選びました。ちょうどその年からサマープログラムで上海に行けるようになったので、第1期生として行くのは楽しいだろうなと。 ドイツ(を留学先に選んだの)は、真剣に法律を勉強していく中でドイツやフランスの影響力がすごく大きいということがわかってきて、日本の法律だけではなく、ほかの国の法律も勉強した方が良いかなと思い。ドイツのLMU(ルートヴィヒ=マクシミリアン大学)のプログラムを自分で探して選んだ、という感じです。亀田:僕はお2人と違って、留学したのが高校生のときだったんです。オーストラリアに行ったんですけど、実はそれより前、中学生の時にも一度行ってまして。僕が小学生のときに、わが家がホストファミリーとして、オーストラリアからの交換留学生を受け入れてたんですよ。で、中学生のときに、逆にオーストラリアに行かせていただく機会があって。僕は英語がものすごく得意とか好きというわけではなかったんですけど、オーストラリアという国が好きで。それで高校生のときに学校の留学プログラムで行かせてもらいました。 なので、大元は自分の市とオーストラリアの市で交流があって、ホストファミリーの話を母親が受ける決断をしたことが、オーストラリアに行くきっかけになったと思います。清野:僕は、自主的にというよりは、先ほどお話したTLPという授業の一環でみんなで行きましょう、みたいな感じだったんですよね。なので、自分で決めたというわけじゃないんですけど。 元を正すと、僕、別にフランス語を勉強したかったわけではなくて。最初は中国語…もともと漢文が好きで、大学行ったら絶対中国語勉強してやるって思っていたので、第一言語は「中国語」と書いたんですが、そうしたらクジで落ちて。加藤:中国語は人気だからね。亀田:第2希望は書いたらあかんっていうやつね。 ※注 出演者の入学時には、「第2希望を書かない」という選択ができたが、現在は制度が変わり、必ず第2希望まで書かなければいけないことになっているとのこと加藤:入試が終わった後に「第2外国語は何を選びますか」という調査があって、いくつかの言語の中から第1希望と第2希望を書くと、どちらか、またはどちらでもないやつに(履修が)決まるという仕組み。最後は我々選べないですからね。清野:自分の中では「無念のフランス語」っていう感じで始まったんですけど、ただ、勉強を始めてみるとめちゃくちゃ面白い。英語との繋がりも感じられるし、発音も綺麗で面白いなと思って、どんどん使っていったら、「やっぱり現地行きたいな」という気になっちゃって。授業の一環で渡航したという感じではありました。加藤:そうだったんだ。亀田:第2希望になっても頑張りたいと思えるのすごいですね。やっぱり、「第1希望落ちちゃって残念」って思う人が多いと思うので。留学決めたら??????を受けよう!--留学へ行く前に準備したこと、反対にやらなくて後悔したことはありますか。加藤:もちろん準備したのは、最低限の資格…TOEFL、IELTS、TOEICとか、いろいろな資格があると思うんだけど、そういう資格取得はまずやりました。 後悔で言うと…ドイツに行ったときは学校を介さずに申し込んだから、20数人学生がいたうち、日本人は自分ともう1人の2人だけという環境で。当然、(自分以外は)全員英語ペラペラでした。一方、僕はヨーロッパに行ったことがなかったので、全然英語も話せない。もちろん、最低限訓練はしてたんですけれど。 僕は日本にいるときはめちゃめちゃお喋りなんだけど、英語では全然喋れなくて。日本にいるうちに対面の英会話教室に通えばよかったな、そうすればもうちょい話せたのにな、とは思いました。亀田:資格の点数…たとえばTOEFL80点といった要件は、必要だから勉強するけれど、そこからプラスアルファで対策として勉強をやっていく人ってそんなにいない。清野:(自学を続ける)モチベーションを保ちにくいですよね。「留学するために70点取ってください」とあったら、そこは越えようと思うけど、その先は良いか、という。で、実際留学してから撃沈すると。そういうのはありがちですよね。亀田:自分は行ったのが高校生のときだったので、他の科目の勉強もあるし、英語の準備を周到にするってのはちょっと難しいかなと思ったんですね。ですけど、一応、僕は英検の勉強したんです。今、高校生の方たちって、たとえば準1級、2級とか、GTECとかの資格試験があると思うんですが、それを僕はもうちょっと頑張ったみたいな。行く半年ぐらい前から、学校の普段の授業に加えて、英語の試験の勉強とかスピーキングテストに向けて喋れるようになるための練習を、ちょっとだけやってました。加藤:どんな準備をしたかとか、すれば良かったかとかある?清野:実はほとんど準備してなくて、準備したのはパスポートくらい。海外でのインターネット環境とか、SIMとかの事務的な準備は調べてましたけど、それ以外は実はあまりやったことがないですね。 そう、後悔してるといえば、留学行けなくなっちゃったんですよ。実は今年(2024年)、ハーバード大学に留学する予定だったんです。加藤:ええ、そうだったの!?清野:はい。留学する前にやっておかなきゃいけないワクチン接種や、セキュリティ的な手続きが色々あって。で、実はそれが間に合わなかったんですよね。亀田:まじか知らなかった。ワクチン(接種が間に合わなくて)でダメって悲しいね。