仮想通貨(暗号資産)って何?子供といっしょに考えたいニュースに出るキーワード | NewsCafe

仮想通貨(暗号資産)って何?子供といっしょに考えたいニュースに出るキーワード

子育て・教育 リセマム/教育・受験/小学生
イメージ画像
  • イメージ画像
  • 「カラー図解 社会人なら知っておきたいニュースに出るキーワードがすっきりわかる本」(KADOKAWA)より
  • 「カラー図解 社会人なら知っておきたいニュースに出るキーワードがすっきりわかる本」(KADOKAWA)より
 中高大、いずれの受験も「時事問題」は社会科以外にもさまざまな教科で出題される。ネットやTVなどのニュースでよく見聞きする、基本的かつ重要な「キーワード」に関連するトピックスを、「経済」「法と政治」「世界情勢」「社会と技術」「宗教」「現代史」のテーマ別に収録した、池上彰氏の『カラー図解 社会人なら知っておきたいニュースに出るキーワードがすっきりわかる本』は、今の世の中の情報を読み解くために必要な教養を、オールカラーのイラスト図解を使ってわかりやすくまとめた1冊だ。

 本記事では受験シーズンに突入するわが子と一緒に学び、考えたい「キーワード」をピックアップし、解説ととも紹介する。今回のキーワードは「仮想通貨」について。(本記事は、「カラー図解 社会人なら知っておきたいニュースに出るキーワードがすっきりわかる本」(KADOKAWA)の一部を抜粋・改編し掲載している。本文イラスト・図版/ケン・サイトー)

仮想通貨(暗号資産)は普通のお金とどう違う?
 ビットコインを購入したという知り合いもいるけれど、なんだか怖くて手が出せずにいる。本当のところ、どういう通貨なのか? デメリットも含めて知っておきたい。

「仮想通貨」はどうして生まれた?
 「仮想通貨(暗号資産)」とは、インターネット上にのみ存在するお金のことであり、電子化された現実のお金=電子マネーとは別物です。仮想通貨の中でももっとも有名なのが、2009年に誕生したビットコインでしょう。ビットコインは、コンピュータが処理する情報の最小単位である「ビット」と、硬貨の「コイン」を合わせた名称です。そのもととなった理論は、「サトシ・ナカモト」という、日本人のような名前を名乗る人がメーリングリストに投稿した論文でした。インターネットで取引をするときに、バーチャル、つまり「仮想」の通貨で支払いができれば、世界共通のお金として為替手数料もかからず便利になる。ナカモトと、その考えに賛同した人たちがビットコインのしくみを作り、それが現実のお店でも使えるようになってきました。

ビットコインの価値
 ビットコインが画期的だったのは、全体の発行枚数がきまっているというところ。決められた枚数に達すると、ビットコインは勝手に発行できない仕組みです。これは金本位制と似ています。
 金の量は、限られているからこそ貴重なものとして価値が上がるわけですね。ビットコインも同じようなものとして価値が上がってきたのです。


 さて、この仮想通貨は政府や中央銀行が発行しているわけでもないのに、お金としての価値をもっています。これは「ブロックチェーン」というしくみに理由があります。ある人から別の人にビットコインを送金すると、世界中でビットコインを持っているすべての人に取引のデータが送られるようになっています。取引を記録した台帳を全員で共有しているようなものですね。

 ビットコインでは、約10分ごとの取引記録をまとめて承認するしくみとなっています。このデータのかたまりを「ブロック」、ブロックをつなげていった電子ファイルは「ブロックチェーン」とよばれています。このブロックチェーンによって、お金のやり取りを全員で監視するしくみ。誰かがデータを改ざんしようとすると、すぐに発覚するのです。

 さらに、ビットコインには「マイニング」という仕かけもあります。ビットコインではブロックを確定させるために、複雑な計算を解いて取引を検証します。これを解くと、報酬としてビットコインがもらえます。この作業がお金を掘り出すのと似ているので「マイニング(採掘)」とよばれます。データを改ざんして不正をするより、マイニングの報酬をもらったほうがはるかに効率がいい。つまり、マイニングは不正防止に一役買っているわけです。

金融庁は「暗号資産」とよぶ
 仮想通貨の弱点は、値動きの幅が大きく、価値が不安定であるということ。取引所から仮想通貨が流出する事件も起きています。しかし、政情不安で通貨も不安定な国では、むしろ仮想通貨が信用されています。私たちが紙幣を「お金だ」と信じているからこそ、お金は流通している。仮想通貨も同じ理屈です。

 日本は当初、仮想通貨に厳しい規制を課してきませんでしたが、資金決済法を改正するなど仮想通貨取引の規制強化を打ち出しました。金融庁は、仮想通貨を「暗号資産」とよんでいます。法定通貨ではない仮想通貨を通貨とよぶことに抵抗があるからです。

 ただ今後、仮想通貨の安定性が高まれば、私たちの生活に浸透する可能性はあるでしょう。


 「仮想通貨」のほか、さまざまな気になるキーワードをわかりやすく解説している『カラー図解 社会人なら知っておきたいニュースに出るキーワードがすっきりわかる本』。気になるキーワードをきっかけに、親子で知識を共有したり意見を交換したり、「そうだったのか!」と会話を楽しむ時間をつくってみてはいかがだろうか。
《編集部》

特集

page top