東京電機大学は、2026年度入試(2026年4月入学者対象)より、工学部全6学科を対象に新たな入試制度「総合型選抜(とんがりAO)」を導入することを発表した。特定の分野や事柄に情熱をもって取り組むことができる“とがった”素養をもつ受験生を対象にしており、出願資格には「とんがり要件」と呼ばれる5分類・20項目が設定されている。 「とんがりAO」は、一般的な学習成績だけでなく、受験生の個性や経験を重視することを目的としている。東京電機大学は、受験生が「個のパワーを炸裂させてほしい」「夢や情熱を大いに語ってほしい」と考えており、工学的なアイデアを提案してSNSでバズった経験や、家電を分解して仕組みに感動した経験など、具体的な「とんがり要件」を設けている。 「とんがり要件」は、アイデア・創造、熱中、好奇心と知識、理系科目、電大での学びの5つの分類に分かれており、それぞれに具体的な項目が設定されている。たとえば、工学的に優れたアイデアをSNSで発信した経験や、数学や物理への大きな愛を語れることなどが含まれる。これらの要件に合致する受験生が、東京電機大学での学びを通じて社会に貢献する人材として成長することを期待している。 「とんがりAO」の選考は、2025年9月中旬に第一次選考として書類審査が行われ、10月中旬に第二次選考として「とんがり要件」に関するプレゼンテーションおよび個人面談が実施される。合否発表は10月下旬に予定されている。 東京電機大学は、近年の大学入試において、一般入試に先立って行われる「総合型選抜入試」が増加していることを背景に、受験生の個性や意欲を見い出すことを目的とした新たな入試制度を導入することを決定した。従来の入試制度では、受験対策やテクニックに特化した受験生が増えていることが課題とされており、「とんがりAO」はその原点に立ち返り、個性を重視する選抜方式として注目されている。 東京電機大学は、「とんがりAO」を通じて、技術で社会に貢献する人材の育成を目指しており、「未来は“とんがり”がつくる」という信念のもと、個性豊かな受験生の志願を求めている。