部活動の連帯責任、いじめは8割が大会辞退やむなし
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高校の部活動では、一部の部員が問題を起こした際に、関与していない部員を含めた部全体が大会を辞退するなどの「連帯責任」の運用が長く続いてきた。近年はこの是非をめぐる議論が活発化しており、日本学生野球協会は2025年4月施行の処分基準で、憲章違反のない部員に不利益を科すことを「不合理な処分」と明記している。同調査は、連帯責任に対する世論が、事案の種類や当事者によってどう変わるのかを明らかにする目的で実施された。
高校の部活動で一部の部員が問題を起こしたとき、「部全体が大会を辞退するのもやむを得ない」と思う事案を複数選択で尋ねたところ、もっとも多かったのは「部内での後輩へのいじめ」で80.8%、ついで「大会規定で禁止された道具の使用」が72.2%だった。いずれも7割を超えており、部全体の責任を問うことに一定の支持があることがわかった。一方、もっとも低かったのは「遠征先での無断外出」の11.8%で、いじめとの差は69.0ポイントに達した。
注目されるのは、50%台に5つの事案が集中したことだ。「飲食店での悪ふざけ動画の投稿」58.2%、「万引き」56.8%、「未成年飲酒」56.0%、「未成年喫煙」55.2%、「SNSでの他校への誹謗中傷」53.2%と、いずれも部全体が大会を辞退すべきかについて、意見が分かれている。未成年喫煙についても、44.8%は「部全体が辞退する必要はない」と回答した。部全体の辞退への支持が7割を超えたのは「部内での後輩へのいじめ」と「大会規定で禁止された道具の使用」で、ほかの多くの事案では判断が分かれる結果となった。
また、行為の重さと大会辞退の支持率は、必ずしも一致しなかった。「自転車の危険運転でけがをさせた」は39.2%にとどまり、実際に他人へ被害を与えた事案であるにもかかわらず、「大会規定で禁止された道具の使用」(72.2%)を33.0ポイント下回った。支持率が高かった上位2つの事案に共通するのは、部活動そのものに関わる行為である点だ。部の外で起きた個人の行為は、たとえ法に触れるものであっても、部全体の責任とは切り離して捉えられる傾向がうかがえる。
事案を起こしていない部員が大会に出られなくなることについては、「気の毒だが、チームである以上やむを得ない」が60.0%、「本人に責任はないので、出場させるべき」が35.2%、「チームの一員として、連帯責任は当然」が4.8%だった。
ところが、問題を起こしたのが部員ではなく顧問・監督だった場合、「出場させるべき」は73.2%へと上昇し、部員の場合と比べて38.0ポイントの差が出た。特に、子供が現在運動部に所属している回答者では82.0%が「出場させるべき」と回答し、指導者の責任を生徒に負わせることへの強い抵抗感が示された。
何人が関わっていたら「部全体の問題」だと感じるかについても、回答は分散した。「2~3人から」が23.8%でもっとも多かったが、「1人でも部全体の問題」22.5%、「半数以上から」19.5%、「5人程度から」18.5%と2割前後で並び、人数についても共通の基準は存在しないことがわかった。
年代別に見ると、多くの事案で大きな差は見られなかったが、「部内での後輩へのいじめ」だけは年代が上がるほど支持率が高くなる傾向が見られた。若い世代ほど、いじめであっても部全体の責任とは考えない傾向がうかがえる。
自由記述では、辞退に否定的な意見として「自分は悪いことをしていないのに大会に出れない理不尽さは、本人に心の傷を残してしまう」(50代・男性)などの声が寄せられた。一方、辞退を容認する意見では「学校を代表しての出場なので、それなりの責任や自覚を持たないといけないのも事実だと思う」(40代・男性)など、教育や抑止の観点からの意見が寄せられた。
同調査からは、部活動の連帯責任について一律の世論は存在せず、事案の内容や当事者によって判断が大きく変わることが明らかになった。連帯責任を「当然」と考える人は4.8%にとどまっており、学校や競技団体には、不祥事を一律に部全体の処分へ結びつけるのではなく、「どのような事案か」「誰が起こしたか」「何人が関与したか」などを踏まえて判断することが求められそうだ。











