「中島健人を通して性を知っていただきたい」挑戦する理由と新境地への覚悟 Netflixシリーズ「SとX」インタビュー前編
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【写真】中島&新木、手つなぎシーン
◆中島健人主演、“性の悩み”に真正面から挑む話題作
本作は、多田基生の漫画『SとX~セラピスト霜鳥壱人の告白~』(講談社「モーニング」刊)を原作に、触れづらい性の悩みというテーマに真正面から挑み、他人のみならず自分も含めて「愛すること」に向き合うヒューマンドラマ。切ない純愛を描いた『桜のような僕の恋人』以来、中島にとってNetflix作品として2度目の主演作となる。セックスレス、ED、セックス依存症、性的トラウマなど、誰にも打ち明けられない多様で切実な悩みを抱えるクライアントたちに優しく寄り添う精神科医兼セックスセラピスト・霜鳥壱人を中島が熱演。そんな霜鳥と運命的な再会を果たす初恋の相手であり、現在TVキャスターとなった市之瀬佑美役を新木優子が務める。共演には、三浦獠太、藤間爽子、中村蒼、久間田琳加、山口紗弥加、ユースケ・サンタマリア、佐野史郎ら幅広い世代の個性豊かな実力派俳優陣が集結した。
◆「中島健人を通して性を知っていただきたい」挑戦する理由
― まず、この作品への出演を決められた1番の理由を教えていただけますか?
中島:2021年に『桜のような僕の恋人』に出演した際、プロデューサーと次の作品の相談をしていて、その際にアクションものやヒューマンドラマなど、様々なジャンルについて私からもいくつか提案をしていたんです。そこから様々な話し合いを重ねていたのですが、「作品において何を1番大切にするか」を改めて考えて、まず俳優としては「世界の人々に見てもらえる作品」にしっかりと出演していきたいという思いがありました。
そして、世界共通のテーマとして浮上したのが「性」でした。これは、言語の壁を超え、あらゆる国の人々が抱える共通のテーマであり、人間はある種、そうした「性」に人生を寄り添わせながら生きている部分もあります。そこで「このドラマを中島健人でやってみたらどうか」というご提案をいただき、お受けすることにしました。
― かなり挑戦的なテーマだと思いますが、オファーを受けたときの率直な感想を教えてください。
中島:自分自身も俳優としての殻を破る時期に来ていると感じていたので、このオファーをいただいた際、誰もが共通して持っている「性」というテーマを、アイドルとしてではなく1人の俳優としてしっかりと描くことができれば、今後の俳優人生がさらに大きく変わるのではないかという期待があったので、これは全力で挑むべき作品だと強く思いました。劇中のセリフにある「セックスに悩んでいない人なんていませんから」という言葉は、誰にでも突き刺さるメッセージです。この立場にいる自分がその言葉を発したとき、世の中にどのような影響を与えるのか、とても楽しみでもありました。
― 普段のキラキラしたアイドルとしての中島さんから、そうした衝撃的な単語が飛び出すことになると思います。ファンの方々、そしてお茶の間の視聴者の皆さんに向けて、それぞれどのような姿を見せていきたいですか?
中島:そこが非常に重要なポイントですね。現在、ライブツアーの最中なのですが、ライブのMCでもこのドラマの話題に触れることがあります。ただ、いつも核心の手前で話を止めるようにしているんです。これはライブ空間における自分なりの「アイドルとしての配慮」でもありますが、同時に1人の人間として「このドラマに挑戦している自分を応援してほしい」という気持ちもあります。そのため、配信が始まってからは、過度に配慮しすぎるのではなく、作品のキーワードも交えながら、会場の皆さんにも率直にお話ししていきたいと考えています。
一方でお茶の間の皆さんに対してですが、この「性」というテーマに向き合うにあたり、私の中に5つの確固たる視点があります。それは「信頼」「コミュニケーション」「自己受容」「愛」そして「孤独」です。性から派生するセックスという営みは、お互いの孤独を分かち合い、共有するもので、そしてそこには必ず「信頼」があり、単なる肉体的な繋がりだけでなく、相手に心を預けられるかどうかが重要だと考えています。
世間では、こういったテーマに対して「そんなドラマを見ているのか」と、どこか気恥ずかしさを覚える風潮もあるかもしれません。しかし、それは決して恥ずかしいことではありません。誰もが抱える悩みだからこそ、このドラマがこれからの時代を生きる方々にとって、性を学び、表現する上での1つの「道標」になってほしいと願っています。お茶の間の皆さんには、中島健人を通して「性」を知っていただきたいです。
◆中島健人“無色透明なセラピスト”として存在するまで
― 監督のインタビューを拝見したのですが、中島さんは何をしてもかっこよくなってしまうため、撮影初期は「かっこよすぎる」という理由で何度もリテイクがかかったと…。
中島:そこに関しては、もう諦めています(笑)。監督がいかに自分を調理してくれるかという部分を大切にしているので、まずはありのままの自分を委ねるようにしています。
― 今回の作品に挑戦する理由としても「殻を破る」「意識を変える」というお話がありましたが、長年身につけてきた「魅せるかっこよさ」を引き算したり、捨てたりする作業において、どのような意識改革が必要だったのでしょうか?
中島:私はこの18年間のキャリアの中で、ステージでパフォーマンスをする側だけでなく、実は「人の話を聞く側(インタビュアー)」に回ることも多くあって、対談などを通して、相手から言葉を引き出し、それを自分の中でまとめていくという立ち位置もたくさん経験しているんです。今回の『SとX』でセックスセラピストとしてカウンセリングを行うにあたり、悩みを抱える方々の話を聞くシーンがあるのですが、最初のうちはどうしても「中島健人としての聞き方」になってしまっていたんです。インタビューではなく「カウンセリング」としての聞き方に修正していく作業は、当初とても難しいと感じていました。しかし、監督が私の細かな癖を非常にスピーディーに削ぎ落としてくださったおかげで、本編では本当に無色透明なセラピストとして存在することができ、とても嬉しく思っています。
僕も実際にカウンセラーの方とお話させていただいたのですが、ハーブティーを出したり、相槌も絶妙なタイミングでしたり、すごく落ち着くんですよ。これまでは、相槌を打つことを良しとしていたのですが、無音が与える安心感があることを知りました。相槌や目線、すべてに配慮がある対話のプロセスを学んだので、実際のカウンセラーの方の立ち振る舞いを参考にして、相手に相性を合わせていくようなシーンを作り上げていきました。
― そうした「聞き方」や「寄り添い方」は、ライブステージなどでも活かされるのでしょうか?
中島:実は、ライブの場においては真逆かもしれません。私はライブになると、お越しくださった方々の「本能を覚醒させる」タイプなんです。普段は真面目な方ほど、内面に非常に熱いエネルギーを秘めていらっしゃいます。ライブをしていると、それがなんとなく伝わってくるので、そうした皆さんの本当の素顔を見られないままライブが終わってしまうのは寂しいので、ステージでは常に「皆さんの心を丸裸にする」という意気込みで臨んでいます。もちろん、これはライブでの話であって、ドラマのカウンセリングシーンで患者の皆さんに対してそのようなアプローチをすることはありませんので、ご安心ください(笑)。
◆中島健人、引き算の役作り
― 以前の作品では、監督から「力を抜いて」と何度も指導されたというお話を拝見しました。今回の『SとX』では、非常にナチュラルでリラックスした、良い意味で力の抜けた自然な演技をされている印象を受けました。その点については、ご自身で何か変化を感じていましたか?
中島:最近はあえて過度な役作りをしないようにしています。以前は色々と考えて作り込んでいた時期もありましたが、考えすぎるとかえって不自然になってしまうことに気づいたんです。自分でゼロから構築するエンターテインメントはライブや楽曲制作に委ね、映像作品においては、ありのままの「素材」として現場に入り、それを監督に綺麗に仕上げていただくというスタンスに変えました。その結果、よりナチュラルな表現ができるようになったのかもしれません。
― 今回の作品では、声色も優しかったですよね。
中島:変な計算はしておらず、声色、表情、仕草などはすべて感覚です。感覚と、監督の演出プランを合わせて作り上げていきました。
― シリアスなテーマの一方で、コスプレやVR、ボルダリングといったポップなシーンも印象的でした。これらは実際に挑戦されたのでしょうか?
中島:はい、すべて実際に体験しました。特にボルダリングはすごく楽しかったです。撮影ではワイヤーなしでの本格的なクライミングにも挑戦したのですが、これがとても難しくて、空き時間には監督や共演者の皆さんと夢中になって練習していました。ただ、真夏の撮影だったため大量の汗をかいてしまい、メイクさん泣かせの撮影現場でもありましたね(笑)。
コスプレのシーンも楽しかったです!劇中のセリフに「縮地(しゅくち)」という言葉が出てくるのですが、最初「ドゥクシ」アニメなどで使われる効果音のようなものだと思い込んでいて(笑)。実際には、古くから伝わる武術の技法だと知り、勉強になりましたし、ちょうど殺陣を経験した後の撮影だったこともあり、剣術のアクションに関してはスムーズに演じることができました。また、VRを用いたプラトニックな性の交わりという描写も、現代ならではの新しい発見でしたね。
☆インタビュー後編では、エンターテイメント業界の未来や、後輩指導・コミュニケーション論を語ってもらった。
(modelpress編集部)
◆中島健人(なかじま・けんと)プロフィール
1994年3月13日生まれ、東京都出身。2011年11月にSexy Zoneのメンバーとしてデビュー。2024年3月にグループを卒業し、ソロアーティストとしての活動をスタート。その後、キタニタツヤとのユニットGEMNを結成、7月にテレビアニメ「【推しの子】」第2期のオープニング主題歌「ファタール」を配信リリース。2024年12月25日にはソロデビューアルバム「N / bias」をリリース。俳優としても活動し、近年の主な出演作に、映画「ラーゲリより愛を込めて」(2022)、主演映画「ラブ≠コメディ」(2026)、海外ドラマデビューとなるHuluオリジナル「コンコルディア/Concordia」(Huluにて独占配信中/全6話)、「ちるらん 新撰組鎮魂歌」(2026)などがある。
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