名古屋工業大学は2025年9月26日、将来に必要な投資を計画的に進めるため、授業料を2割値上げし、10万7,160円増の年額64万2,960円に改定すると発表した。学士課程は2026年4月入学者から、博士前期課程は2027年4月入学者から適用。博士後期課程の授業料は据え置く。 名古屋工業大学では、授業料の改定について、運営費交付金の確保、外部資金の獲得、財源の多様化、諸経費の精選など自助努力を重ねてきたが、運営費交付金は減少し、近年の物価上昇や人件費高騰も重なり、教育関係設備の更新や教職員の人員確保が難しく、学生の修学環境に遅れが生じていると説明。5月から検討を開始し、高度な学修基盤への更新に加え、キャンパス環境の整備、工学人材教育の拡充に必要な費用を確保するため、授業料の改定が必要と判断したという。 改定により授業料は、学士課程(高度工学教育課程、創造工学教育課程)と博士前期課程が現行の53万5,800円から10万7,160円増の年額64万2,960円、学士課程(基幹工学教育課程)が現行の26万7,900円から5万3,580円増の年額32万1,480円となる。 授業料改定は、学士課程が2026年4月入学者から、博士前期課程が2027年4月入学者から、順次学年進行で適用。編入生や転入生については、2028年4月入学者から適用する。博士後期課程の授業料は据え置く。 経済的な事情で進学・修学を断念することがないよう、授業料改定とあわせて、名古屋工業大学独自の修学支援制度も用意する。 同大によると、授業料改定の完成年度である2030年度の増収額は5.5億円を見込む。このうち、「最先端で高度な学修基盤への更新」に2.7億円、「安心・安全と快適なキャンパス環境への整備」に1.7億円、「未来社会を創造する工学人材教育の拡充」に1.1億円を充てるとしている。 国立大学では、東京大学が2025年度入学生から授業料を値上げ。8月には埼玉大学が、2026年度入学生より授業料を2割値上げする改定検討案を明らかにしている。