2026年度の中学入試は、2月1日がキリスト教の安息日である日曜日となることから、一部のミッションスクールが例年の入試日を変更する「サンデーショック」にあたる年だ。2025年度は2月2日が日曜日だったことから「プチサンデーショック」と言われ、青山学院中の入試日が2月3日に変更となった結果、男子の受験者数が増え影響があった。2026年度はおもに女子の併願選択に大きな影響があることが予想される。 人気校・難関校の中学入試過去問題集を多数発売している声の教育社のYouTubeチャンネル、「声教チャンネル」で公開された動画「【中学受験】2026年度『変更点・サンデーショックまとめ』サンデーショックで合格者数は増える? 繰り上げはどうなる?」によると、人気難関女子校では次のような日程変更があげられている。中学受験2026はサンデーショック?チャンス? 例年2月1日に入試を行っている女子校で、2月2日(月)に日程を変更する学校は女子学院、東洋英和、立教女学院、横浜共立。2月1日(日)に留まる学校はフェリスと横浜雙葉。2026年2月1日(日)2026年2月2日(月)→女子学院→東洋英和→立教女学院→横浜共立フェリスー横浜雙葉ー桜蔭豊島岡女子雙葉洗足学園洗足学園吉祥女子吉祥女子白百合学園鴎友学園渋谷渋谷学習院女子渋谷幕張渋谷渋谷慶應湘南藤沢早稲田実業青山学院広尾学園明大明治 声の教育社の後藤氏は、「2月1日の入試は従来の有力校が減るため、受験生の選択肢が減ることから受験生が集中し倍率が上がる可能性が高い。一方、2月2日の入試は実施校が増えることから受験生が分散し、倍率が比較的下がる可能性がある」と指摘。三谷氏は、「たとえば、桜蔭と女子学院、女子学院と雙葉、のように両方受けることができるが、両方合格しても進学できるのはどちらか一校。そのため学校側は合格者数を増やさざるをえない。繰上げで調整するなど対策が考えられる」と解説している。 さらに後藤氏は、2日に女子御三家を受けつつ、渋谷渋谷を倍率の低い2月1日に受けられるというサンデーショックならではのケースに言及。「前回の2015年のサンデーショックのときからこの10年で、中学受験をとりまく様相が変わった。最難関レベルの女子の共学志向が進み、当時は最上位の受験生は女子校と女子校の併願がおもなパターンだったが、2026年度入試は女子校と難関共学校、たとえば女子学院と渋谷渋谷という併願パターンも考えられる。となると、2月1日の男子の入試にも多少影響が出る可能性も考えられる」としている。面接廃止の動きと入試回数変更 また、有力女子校で次のとおり、面接の廃止、入試形式の変更が見られる。・ 面接廃止:白百合、頌栄、フェリスなど・3回目廃止:洗足 (3回目2月5日)廃止 動画では、こうしたサンデーショックによる影響のほか、慶應義塾高等学校の面接廃止による慶應系列の中学受験の今後の影響や、埼玉の栄東の入試回数減、過去問の人気状況から見る注目校の動向など、受験生の保護者が気になる中学受験を取り巻く情報を解説している。詳細は、動画本編と各学校の公式発表を確認していただきたい。◆声の教育社 三谷氏 プロフィール 学生時代から塾講師を始め、教室長・受験対策部長として約20年の指導を経験したのち、2000年に声の教育社へ入社。以来、学校担当として年間のべ100校以上の中高を訪問し続けている。中学受験業界の著名人が講師を務めることで知られる「首都圏模試センター保護者会」をはじめ、「東京私学経営者協議会」「神奈川私立中学広報会議」「安田教育研究所主催セミナー」等、多くの講演活動も行っており、「よみうり進学メディア」「塾ジャーナル」他での執筆も多数。私学や塾のオモテだけでなくウラ情報にも精通しているが、家にテレビが無いためやや世情には疎い。◆声の教育社 後藤氏 プロフィール 塾講師を10年経験したのち、声の教育社へ編集者として入社。現在代表取締役社長を務め、渉外業務を中心に、講演会や動画授業の講師も務める。編集部時代は毎年250校、500回以上の入試問題をひたすら解き、解説を編集するという日々を10年以上過ごす。保護者として息子の中学受験も経験。三度の飯より過去問が好き。