山田進太郎D&I財団は、高校生女子が文理選択時に理系を選択することを支援する、抽選制・返済不要の「STEM(理系)女子奨学助成金」の5期目の募集を5月21日に開始した。全国約500人の生徒を対象に1人当たり10万円の奨学助成金を提供する。 今回は、文理選択に悩む方にとっても「もし理系に進んだら?」という可能性に目を向けるきっかけになればとの思いから、例年より約2か月早く、5月21日から募集を開始した。同財団は2021年の開始以来、累計約1,700人に総額約2億2,000万円を支給し、理系進学の後押しとなった声も多く寄せられているという。 日本のSTEM分野への女性の大学進学率は、OECD諸国の中で最低水準の20.7%にとどまり、理系進学を考える女子生徒への情報提供や支援はまだ十分とは言えない。特に高校1年生の文理選択の時期には、「理系科目に自信がない」「将来像が見えない」といった不安から、明確な理由がないまま文系を選ぶケースも少なくないという。 同奨学金は、そうした「迷い」の段階にある生徒にも、理系という選択肢を前向きに考えてもらうきっかけとなることを目指している。加えて、奨学生同士やSTEM領域で活躍する女性との交流の場「奨学生の集い」などを通じて、STEM領域に進学した後の将来像をより具体的に描けるよう継続的にサポートしている。 同財団は、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指し、2021年7月にメルカリCEO山田進太郎によって設立された。特にSTEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する奨学助成金事業を展開している。2024年より「Girls Meet STEM」事業を開始し、企業でのオフィスツアーや大学でのキャンパス・研究室ツアーを通じて、STEM領域で活躍するロールモデルとの交流機会を提供している。奨学助成金事業を通じて、STEM分野への進学が、高校生女子にとって当たり前の選択肢となり、社会からも前向きに受け止められる環境づくりを後押ししていく。