84%の若者が「経済的理由(費用が高すぎる)」が海外留学の最大ハードルと回答していることが2025年5月21日、RyuLogとOne Terraceの共同調査で明らかとなった。奨学金・制度は「よくわからない」などの理由で利用者は3割にとどまった。 「海外留学に関するアンケート」調査は、海外留学に関心のある(留学中含む)18歳以上の日本人学生を対象に、RyuLogとOne Terraceが共同で調査。4月3日~5月11日の期間に、海外留学支援の企業、協会、国内・海外大学留学団体などの協力を得て、331件の回答を集めた。 調査結果によると、海外留学の実現における最大のハードルは「経済的理由(費用が高すぎる)」であり、84%の学生がこれをあげた。経済的困難を感じる要因としては、「現地の生活費・住居費負担が大きい」78%、「円安による海外の学費・支出増加」66%、「学費の負担が大きい」66%など。 自由回答では、「円が安すぎる。海外の学費も高すぎる。」(19歳・男性・イギリス留学中)、「毎日1ドルが変動することで値段が大きく変わるので生活が不安」(21歳・女性・アメリカ留学中)、「電車賃も高く、円安の影響もあって日々のスーパーへの買い出しも高くつき、なんとか節約…としているうちに痩せてしまった」(22歳・女性・オランダ留学中)といった声が寄せられた。 それでも「海外留学に挑戦したい!」という学生の思いは強い。動機としては「語学力向上」「専門分野を海外で高めたい」「異文化交流」などの意見が多くあがった。自由回答では、「海外を知らないまま社会に出ることがリスクになる時代だと思う」(21歳・男性・留学希望)、「これからの日本には、グローバルな起業家やリーダーが必要だと思う。自分がまず海外に飛び出し、仲間や次の世代にも挑戦のきっかけを届けたい」(19歳・男性・留学希望)といった意見が見られた。 留学奨学金や支援制度の利用状況については、利用している人は27%にとどまった。利用していない理由としては、「自分が対象になる奨学金・制度がわからない/見つからない」が45%、「条件・要件が合わなかった」が31%、「奨学金や支援制度があることを知らなかった」が19%であった。 2025年2月から3月にかけて、トランプ政権のもとで米国政府系奨学金(フルブライト奨学金など)が停止されたことが報道された。この報道について「知っている」と答えた学生は36%で、そのうち「大いに不安を感じた」34%+「多少不安を感じた」38%をあわせると合計7割が不安を感じたと回答した。また、「アメリカに留学できなくなる可能性がある」と答えた人が15%、「アメリカに留学中であり、退学・休学しなければならなくなる可能性がある」と答えた人が9%いた。 多くの日本人学生が留学に挑戦するためには、「もっと多様な経済的支援が必要(給付型奨学金や学費支援等)」との回答が85%で最多を占めた。ついで「留学先での生活費や住居の支援」54%、「語学力向上のためのプログラムや資源」35%が続いた。 現在の日本を取り巻く経済環境の中で「海外留学」についての学生の意見として、「行かないと分からないことがあるはずだし、行かないと感じられない何かがあるはず。だからこそ私は学生のうちに海外へ挑戦することを諦めたくないし、同じ夢を抱いている若者たちにも諦めてほしくない」(19歳・女性・留学希望)、「今の世の中、海外との交流がない仕事に就く方が珍しい。多くの人にとって留学が行きやすいものであればあるほど日本の将来を担う若者の成長と発展に繋がると思う」(18歳・女性・留学希望)などの声が寄せられた。