世界の「こんまり」プロデューサー川原卓巳さん流・生き方の「片づけ」ノウハウ。「最近、ときめいてないかも」という人こそ試してほしい、人生で「捨てるべきもの」とは? | NewsCafe

世界の「こんまり」プロデューサー川原卓巳さん流・生き方の「片づけ」ノウハウ。「最近、ときめいてないかも」という人こそ試してほしい、人生で「捨てるべきもの」とは?

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
世界の「こんまり」プロデューサー川原卓巳さん流・生き方の「片づけ」ノウハウ。「最近、ときめいてないかも」という人こそ試してほしい、人生で「捨てるべきもの」とは?

いまや世界的な活躍をしている「こんまり」こと、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん。その仕掛け人が、プロデューサーで夫の川原卓巳さんです。

麻理恵さんのプロデュースをすると決めて会社をやめ、活動拠点をアメリカへ。そして麻理恵さんはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されるほどの大成功をおさめました。思い通りの人生を歩んでいるように見える川原さんですが、そのカギは何だったのでしょうか。

川原さんいわく、「自分が生きたいように生きるためには、本当に大切なもの以外はぜんぶ捨ててください

ぜんぶですか!?  でも何を捨てて、何を残せばいいの? そんな「人生の片づけ」のコツを、著書『人生は、捨て。 自由に生きるための47の秘訣川原卓巳・著徳間書店)から一部抜粋・編集してご紹介します。

あなたの仕事、着ない服、愚痴だらけの人間関係 ……それ、本当に大切ですか?

大事なのはなにかを得ようとすることではなく、むしろ捨てること。モノ、立場、環境、人間関係──。いまあなたが手にしているさまざまなものを捨てることで暮らしはより充実し、より豊かになっていく。僕はそう考えます。

「なんでせっかく手に入れたものを捨てる必要があるの?」「人はいろんなものを獲得してはじめて満たされるのでは?」
そうおっしゃる方もいるでしょう。

もちろん自分にとって本当に欲しいものを得て、それで人生の満足感を高めている人もいると思います。実際、僕も最初のころはそう思っていました。とにかく働いて、稼いで、欲しいものを手に入れる。そうすればずっと満たされ続けていくはずと信じていました。

でも、あらためて考えてみてほしいのです。いまあなたが手にしているものは、本当に心から求めていたものでしょうか? そのすべてが本当になくてはならない大切なものでしょうか?

自分のやりたいことかわからない仕事。

使わないのにいつまでも取ってある仕事道具や小物や服。

愚痴(ぐち)ばかりで聞いているこっちが疲れてしまう人間関係。

ハッキリ言います。それらはすべて不要です。捨てるべきものです。それらを放置しているかぎり、永遠に充実はありません。

不満やモヤモヤを抱えたままにすることは、「人生を捨てている」のと同じこと

人生に100点満点はない。思い通りにいかないのが人生だ。不満を抱えながらそれでも前を向いて歩いていくのが大人というものだ──。世のなかの常套句です。多くの人が「人生は不満があるのが当たり前」と受け入れて生きています。でも本当にそうでしょうか? 僕はそうは思いません。不満は当たり前ではない。

不満やモヤモヤの原因は自分にとって意味のないものにとらわれているからです。だから自分の行動しだいでたいていの問題は解決できます。もっと幸せになることができます。

いまの仕事がつまらないなら別の仕事を探す。転職によって収入が減るのが不安なら、副業もセットで考えてみてはどうでしょうか。独立・起業という手だってある。そうして本当にやりたいことに向かって踏み出す。やるか、やらないか。ただそれだけの話です。

パートナーとの関係がうまくいっていないなら、関係を改善するための具体的な手段を考えてみる。なんなら新しいパートナーを探すのもありかもしれません。

でもそんな指摘をすると、決まってこんな言葉が返ってきます。
「僕もそう思っています。いつかは自分がやりたいことをやろうと思っている。とはいえ、いますぐは無理です」
「わたしも現状維持がいいとは思っていません。とはいえ、いろいろ難しい。相手には相手の考えもありますし。そう簡単に関係は変わりません」
「とはいえ、お金がないんです」
「とはいえ、本当にやれるのか自信がありません」

そんな調子で〝とはいえ〟のオンパレード。そうして結局は、不満を受け入れてしまう。いつしか不満を肯定してしまうわけです。時が経つと、自分が不満を肯定していることすらも忘れてしまう。それはとても不幸なことです。自分の人生を捨てているのと同じです。

「大切なもの」に全力を注ぐためには「捨て」が必要。でも、あなたの「大切なもの」、即答できますか?

自分にとって本当に大切なものを大切にする。そこに自分のエネルギー、時間、お金をつぎ込む。日々を充実させるためにわたしたちがやるべきことはそれに尽きます。いましかできないこと。いま本当にやりたいこと。そこにすべてを投じる。

だから「本当に必要なもの」「実は不必要なもの」を区別して、不必要なものはどんどん捨てる。エネルギー、時間、お金というかけがえのない資源を確保するために捨てるのです。その過程で多少の痛みはともなうかもしれません。でもその先には本当の意味での豊かな暮らしがあります。

エネルギー、時間、お金はあなたにとってかけがえのない資源です。その資源を余計なものに使うのは、いわば自殺行為。自分で自分を苦しめてはいけません。あなたの資源は、あなたの大切なものにこそそそぐ。そそぎ切る。それが充実した日々を送るための唯一の手段です。

でもここでひとつ問題があります。どうでしょうか。あなたは自分にとって大切なものがなにか把握できていますか? それを即答できますか? あんがい多くの人が自分のことを理解していないものです。かく言う僕も昔はそうでした。

情報やモノにあふれる現代では、すべてが供給過多になっています。その一方で、「減らす」ことは重視されません。資本主義社会は次から次にあらゆるものを大量生産します。だからなんとなく生きていると情報・モノ・人間関係は積み重なって増えていくばかり。いったいどれが自分にとって本当に大切なものなのか。それを見極めるのは、実のところなかなか難しい作業といえます。

わたしたちは無意識的に、考えることのほうが、感じていることよりも正しいと思いがちです。でも、本当にそうなのでしょうか? 頭で考えることを頼りにしすぎて、感じていることを無視して生きている気がします。

ビジネス的な観点から言っても同様です。頭で考える論理的な答えは基本的に似通っていきます。そうなると頭で考える人が増え、そこで出す結論が似てくるため差別化されなくなる。差別化されないので、似たもの同士の競争が激しい場所で戦わなければならない。そんな不毛な状態すらもあちこちで生じています。

麻理恵さんの「片づけ」に衝撃的な「ときめき」を感じて、人生をフルベット! 大切なものを見極める指標となったもの

妻の麻理恵さんが提唱する「ときめきの魔法」をご存じの方も多いと思います。この「ときめき」こそが人生における最重要の指標となる。僕はそう確信しています。

「ときめき」と言われると、やや抽象的であいまいな感じがすると思います。でもこれはとてもシンプルな指標です。出合った瞬間に頭より先に心が(体が)反応する──。それがときめきです。

好きな人に出会ったとき。
おいしい食べものを口にしたとき。
かわいい猫に触れたとき。
美しいアートに触れたとき。
すばらしい音楽を聴いたとき。

誰しも「欲しい!」「大好き!」「感動した!」と胸が高鳴るでしょう。それこそが、ときめきの感覚なのです。

ときめきとは、頭で解釈するものではありません。心や体が自然に反応する。僕の場合は全身の毛穴がぐわっと開いて、細胞が沸きたつ感覚に包まれます。それは単なる喜びや満足感を超えた、深い共鳴のようなものです。

僕がこれまでの人生でいちばん強いときめきを覚えたのは29歳のとき。交際中だった麻理恵さんの片づけの仕事現場に初めて立ち会ったときでした。

僕は当時、人材育成のコンサルティング会社に勤務していましたが、仕事終わりや休日を使い、麻理恵さんの仕事の事務作業やメールのやりとりをサポートしていました。そんなある日、実際に彼女の片づけの現場に初めてお邪魔することになったのです。

麻理恵さんが依頼者の家に入り、片づけのレッスンをはじめます。するとその場の空気がみるみると変わっていく。どこかもやーっと浮かない感じだったクライアントの表情が、どんどん明るくなっていく。そして片づけが終わるころには、そこはまるで異世界のような空間に変貌していたのです。そこかしこが輝きを帯び、清々しい生命力が部屋中に満ちるような感覚でした。

「これはすごい!」背骨にまで鳥肌が立ちました。彼女の伝えている片づけは人生を変える。大げさでなくそう思ったのです。彼女のその活動を全力で応援したい。まさに雷に打たれたような「ときめき」でした。

僕はそれからほどなくして会社をやめ、麻理恵さんの仕事のプロデュースに専念するようになります。それまで会社員として培ったキャリアも人脈も収入もすべて手放しました。麻理恵さんを支えることに人生をフルベットしたわけです。僕にとって決定的だった、あの瞬間のときめきの感覚はいまだにカラダと細胞に残っています。

あなたにとって本当に大切なものはなにか? 答えは簡単です。ときめくものです。「これがときめきだ」と気づけること。僕らはそれを「ときめきセンサー」と呼んでいます。ときめきは、あらゆるものを介して生まれます。ときめきを上手にキャッチできれば、大切なもの、そうでないものの見極めは一目瞭然です。

最近あなたがときめいた瞬間はいつでしたか? 一度じっくりと、思い出してみてください。

★ここまでの記事では、川原さんご自身の体験を交えながら、お金・人間関係などを「捨てる」ことの意味や「ときめきセンサー」についてのお話をお届けしました。【後編】では、「自己肯定感」を高めるために捨てるべきものについてご紹介します。

●BOOK  人生は、捨て。 自由に生きるための47の秘訣』 川原卓巳・著 1760円(税込)/徳間書店

●PROFILE    川原卓巳 (かわはら・たくみ)
1984年広島県生口島生まれ。プロデューサー。大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、のべ5000人以上のビジネスパーソンのキャリアコンサルティングや、企業向けのビジネス構築・人材戦略を手がける。2013年に同社を退職し、近藤麻理恵のマネジメントと“こんまりメソッド”の世界展開をプロデュース。近藤の著書『人生がときめく片づけの魔法』シリーズを世界累計1400万部の大ベストセラーに導いた。2016年に活動拠点をアメリカに移し、「KonMari」ブランドの構築をさらに拡大させるとともに、日本発コンテンツの海外展開にも注力。2021年公開のNetflixオリジナルドキュメンタリー「KonMari “もっと”人生がときめく片づけの魔法(Sparking joy with Marie Kondo)」でエグゼクティブプロデューサーを務め、デイタイム・エミー賞を受賞する。2023年、「川原卓巳 プロデュースの学校」を設立し、グローバルに活躍するプロデューサー人材の育成に取り組んでいる。著書に『Be Yourself 自分らしく輝いて人生を変える教科書』(ダイヤモンド社)、『川原卓巳 プロデュースの学校〈上・下〉』(匠書房)。YouTubeチャンネル『川原卓巳のオモテでする裏側の話』を配信中。


《OTONA SALONE》

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