オトナサローネでは健康情報を集めるため、「オイル」をテーマとした慶應義塾大学の勉強会に行ってきました。講師とした登壇された慶應義塾大学医学部の井上浩義教授のお話で興味深かったのは、「MCTオイル」。なんと、糖尿病と認知症の予防に効果があるのだそう。糖尿病と認知症は、読者世代にとって将来的に重要なテーマなので、さっそく話を伺いました。MCTオイルを意識するだけで、あなたの将来が変わります!
◀◀前のページ より良い油をとらないと古い細胞だらけの体に。血管もカタくなる!肌のハリやツヤが失われ…
▶「MCTオイル」で血糖値コントロールが改善!?
体内でつくられるエネルギー「ケトン体」で、インスリンの感受性が高まるという研究が
MCTオイルには、糖尿病の予防・改善につながる可能性があると報告されています。MCTオイルをとると、「ケトン体」が増加します。ケトン体とは、脂肪が変化して作られる物質で、体内でエネルギー源として利用されています。
そのケトン体が増えると、インスリンの感受性が高まる(効きが良くなる)といわれているのです。インスリン感受性が高まると、血糖コントロールに役立つことが期待できるでしょう。MCTオイルは、糖尿病の人だけでなく糖尿病予備群にもすすめられます。
▶え!認知症予防にもなるなんて信じられない
女性に多いアルツハイマー型認知症。40・50代は「あれ、何だっけ?」が始まる人が増えてくる
また、読者世代は、今後に待ち受ける認知症のリスクも忘れてはいけません。40・50代を過ぎると、「あれ、何だっけ?」「名前が出てこない」といった物忘れが始まる人が増えてきます。少し先の話にはなりますが、軽度認知障害(健常者と認知症の中間)を含めると、65歳以上の4人に1人が認知症もしくは軽度認知障害になるといわれているのです。明確な理由は解明されていませんが、認知症患者は男性より女性に多い傾向があり、特にアルツハイマー型認知症は顕著です。
脳は一般的に、「ブドウ糖」をエネルギー源として活動しています。しかし、加齢や病気などの影響でブドウ糖が上手く使えなくなり、脳が十分に働けなくなることがあるのです。そんなエネルギー不足が、新しいことが覚えにくい、記憶があいまいといった認知機能の低下につながります。
脳にエネルギー革命を起こす「ケトン体」で、栄養チャージ!
でも、心配しないでください。ブドウ糖に代わる第2のエネルギー源といわれるのが、「ケトン体」です。MCTオイルを積極的にとることでケトン体が増えると、脳のエネルギー不足が改善。認知機能の低下や、将来的な認知症の予防効果が期待できます。
▶1日の摂取量はたったこれだけ
「高価だから……」はご心配なく! ○○○オイルでもOK
MCTオイルは、「高価でなかなか手が出せない」という人もいるかもしれません。そんなときは、ココナツオイルやパームオイルを選ぶと良いでしょう。1日の摂取量は、5g(小さじ1)程度が目安です。
MCTオイルの主要成分である中鎖脂肪酸は加熱した際に煙が出る温度が低いため、調理には向いていません。加熱せずに、そのまま使用してください。無味無臭でサラッとしているので、あらゆるメニューにアレンジできます。
たとえば、サラダやヨーグルトにかけるのが手軽です。サラダなら、いつも使うドレッシングの代わりに回しかけて、塩コショウで味付けをすると良いでしょう。飲み物やスープに入れるとコクが出ておいしくなるので、野菜スープやコーヒーなどに入れてみては。
わずか小さじ1杯のMCTオイルで、将来の健康不安が軽くなる!
糖尿病や認知症は、今すぐ深刻になるわけではありませんが、誰もがかかる可能性があり、加齢や日常生活が大きく影響しています。予防対策は、早期からの毎日の積み重ねが肝心。40・50代こそ、予防対策を始めるのにピッタリの年代です。MCTオイルを小さじ1杯プラスするだけで将来の健康不安が軽減されるのですから、今から積極的に対策を!
【解説】
應義塾大学医学部
井上浩義教授
医学博士、理学博士。1989年九州大学大学院理学研 究科博士課程修了。山口大学医学部生理学教室助手、久留米大学医学部放射性同位元素施設教授などを経て、2008年から現職。 『からだによいオイル 健康と美容をかなえる油の教科書』 (慶應義塾大学出版会)、『知識ゼロからの健康オイル』(幻冬舎 )など著書多数。