夜間中学に通う日本国籍の生徒数が2年間で約1.4倍に増加していることが2025年1月31日、文部科学省が公表した「令和6年度夜間中学等に関する実態調査」の結果から明らかとなった。特に39歳以下の若年層において学び直しを希望する割合が高まっている。 「夜間中学等に関する実態調査」は、新たな夜間中学の設置促進および既存の夜間中学における教育活動の充実等に向けた施策の検討を目的に実施。調査対象は、全国の夜間中学53校のほか、都道府県・指定都市教育委員会、夜間中学設置県・市区教育委員会、夜間中学。調査時点は2024年5月1日(前回調査は2022年5月1日時点)。 夜間中学53校の生徒数は男性806人、女性1,163人の計1,969人で、前回調査時(1,558人)から約1.3倍に増加。特に、39歳以下の若年層の生徒数の増加率が高く、全体の64%を占める外国籍の生徒は前回調査の約1.2倍となる1,256人に増加している。 日本国籍の生徒も前回調査の約1.4倍となる713人に増加。属性別でみると、不登校や虐待などさまざまな理由で中学校を卒業したものの、実質的に十分な教育を受けられなかった「入学希望既卒者」の割合が、前回調査時69.6%(361人)から78.4%(559人)に増え、学び直しを希望する人が増えていることが明らかとなった。 一方、夜間中学に併設する「学びの多様化学校」や教育支援センター的機能として事実上、不登校学齢生徒を受け入れているのは53校中5校にとどまった。ただし、受け入れを検討・調整中3校と、今後ニーズを把握しつつ検討を開始予定12校をあわせると、およそ4割が不登校生徒の受け入れに前向きであることがわかる。 文部科学省は夜間中学が学び直しの場となっていることから、未設置自治体・設置自治体が連携して夜間中学での学びを希望する人の就学機会の確保に努めるよう要請。同省では「夜間中学の設置促進・充実事業」において、新設準備2年間・開設後3年間、設置促進に向けた支援を行っている。