大学教育の質「認証評価制度」見直しへ…文科省 | NewsCafe

大学教育の質「認証評価制度」見直しへ…文科省

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新たな評価制度への移行・データベース構築(イメージ)
  • 新たな評価制度への移行・データベース構築(イメージ)
  • 高等教育機関全体の規模の適正化(イメージ)
  • 地域の高等教育へのアクセス確保を図るための仕組み(イメージ)
 国公私立大学の教育の質を第三者機関が評価する「認証評価制度」の抜本的改革が進む中、新たな制度では、単に評価基準に対する適合・不適合を判定するのではなく、在学中にどれくらい力を伸ばすことができたのかなどを含む教育の質を数段階で評価することがわかった。

 認証評価制度とは、学校教育法に基づき、国公私立すべての大学・短期大学・高等専門学校に対して、定期的に文部科学大臣の認証を受けた評価機関による第三者評価を受けることを義務付ける制度。国による事前規制を弾力化しつつ、大学等の教育研究の質担保を図るため、大学等の組織運営や教育研究活動などの状況を定期的に事後確認する体制を整備する観点から導入されたが、周知の通り、実際の認証評価は対象大学の自己点検評価の結果を分析する間接的な方法で行われている。

 評価の負担が重い、大学の主体的な改善システムとの連動が不十分など「評価疲れ」という批判もある中、「評価のための評価」から脱却し、評価自体のあり方や内容、活用方法などを含め、質確保と負担軽減のバランスを踏まえた制度の抜本的見直しが必要となっている。

 文部科学省は2025年1月28日に開かれた「中央教育審議会大学分科会・高等教育の在り方に関する特別部」において、答申案「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~」について議論。

 新たな評価制度については、単に評価基準に対する適合・不適合を判定するのではなく、在学中にどれくらい力を伸ばすことができたのかといった大学等の教育の質を数段階で示すなど付加価値を明確化する仕組みとすべきとした。たとえば学部・研究科等に応じた定性的評価を導入し、教育研究情報に基づく定量的評価を行うなどの方法があがっている。

 また、評価に用いる各大学の教育情報を容易に提出可能なデータベースの整備など、現行の仕組みよりも高等教育機関側・評価機関側双方の負担軽減を図る制度の見直しとともに、教育の質が十分に担保されていない機関については撤退を促していくことも想定。結果については、国民に対してわかりやすく公表するための工夫をすることで、社会的な評価の一層の促進を図ることができるようにするという。
《川端珠紀》

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