グローバル×実践力で未来のエンジニア育成を目指す京都先端科学大学工学部 | NewsCafe

グローバル×実践力で未来のエンジニア育成を目指す京都先端科学大学工学部

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記者発表会のようす
  • 記者発表会のようす
  • 工学部では機械、電気、情報などの分野を統合的に学ぶ
  • 企業が実際に抱えている課題の解決に取り組むキャップストーンプロジェクト
 京都先端科学大学は2024年11月28日、大手町プレイス ホール&カンファレンスにて「京都先端科学大学工学部 記者発表会」を開催した。発表会では、副学長で工学部 学部長 工学研究科 研究科長の工学博士・田畑修教授が登壇し、同学部独自のカリキュラムや取組みについて紹介した。発表会のようすをレポートする。

 京都先端科学大学は、2019年に前身の京都学園大学から名称変更して設立された。工学部は2020年に開設され、実践の場で活躍できるプロフェッショナル育成を目指した教育が展開されている。

 同学部は、すべての専門科目の講義を英語で行っている。設立以来、4月入学の日本人学生と9月入学の留学生を受け入れ、現在では学部生のうち約6割が留学生だという。留学生はミャンマー、バングラデシュ、インド、タイ、インドネシアなどアジアを中心に、欧米やアフリカなど約50か国から集まっており、学生たちはグローバルな環境で学んでいる。

 日本人学生の英語力を向上させるため、春学期には週10コマの集中的な英語教育を実施。また、キャンパス内で留学生との日常的な交流を通して、実践的な英語コミュニケーション能力が養われる。「英語力向上のために大切なのは、従来型の受験英語ではなく、コミュニケーションツールとしての英語力の育成だ」と田畑氏は話す。

 通常、工学部の学科はおもに電気系、建築系、化学系、機械系などに分類される。同大学では、現代のエンジニアリングでは個別の専門性だけでなく、分野を横断する俯瞰的な視点が不可欠だという考えから、工学部には機械電気システム工学科しかなく、学部生は機械、電気、情報などの分野を統合的に学ぶ。工学全般の基礎を学んだうえで、学生が得意分野を伸ばしていってほしいという。

 これらの実践教育の中核を成すのが、3・4年次の「キャップストーンプロジェクト」である。このプログラムでは、企業が実際に抱えている課題に学生チームが取り組み、企業担当者との打合せを通じて解決策をブラシュアップしていく。このような取組みの背景には、理事長の永守重信氏の強い思いがある。50年にわたる企業経営の経験から、「企業が求める人材を育成できていない日本の大学教育を変革したい」という信念をもち、改革を推進しているという。

 田畑氏は「近年、生成AIの急速な発展により、従来型の知識習得(ブックスマート)の価値が相対的に低下する中、実践的な課題解決能力(ストリートスマート)の重要性は増している。AIは24時間稼働し、学習した知識を忘れることがない一方で、現実の課題を理解し、創造的な解決策を見出す能力は、依然として人間にしかできない。今後も本学は実践力をもった未来のエンジニアを育成していく」と締めくくった。
《足立陸》

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