山田進太郎D&I財団とスタディプラスが運営するStudyplusトレンド研究所は、2024年4月に高校生・大学生8,831人を対象に「文理選択に影響を与える要因:高校生・大学生の進路実態調査」を実施した。この調査では、女子の理系志望が男子より13.5ポイント低く、親からの影響が進路選択に大きく関与していることが明らかになった。 この調査は、全国の「Studyplus」ユーザーである高校生、大学1年生、大学2年生を対象に、学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケートを実施し、オンラインで回答を回収した。調査内容は、文理選択で選択した進路、文理選択に影響を与えた人物、経験したことがある理系体験、理系科目や成績に関する自己認識などである。 調査結果によると、中学3年生時点で全体の約5割が理系を志望していたが、女子は45.2%で、男子の58.7%と比較して理系志望が13.5ポイント低かった。最終的な進路選択では、約15%の生徒が文系から理系、または理系から文系へ変更している。 進路選択において、女子は男子より1.6倍多く母親からプラスの影響を受けていることがわかった。特に理系女子は父親からの影響が文系女子の約2倍に達している。一方で、女子は母親、父親、教員から進路に対するマイナスの影響も受けており、男子と比べて家族からの影響が大きいことがうかがえる。 理系体験の経験率は全体で約4割で、理系選択者が文系選択者よりも6.8ポイント高かった。男女間や地域間での差はほとんど見られなかったが、都市部では「プログラミングやロボット製作のワークショップ」がもっとも印象に残った理系体験として挙げられた。 また、「理系に向いている」と感じる割合は男子50.1%に対し女子31.2%、理系の成績に自信があるのは男子60.5%に対し女子41.7%と、いずれも男女で20ポイント近くの差があった。しかし、最終的には女子の51.2%が理系を選択しており、自己認識と実際の進路選択にギャップがあることがわかった。 親の理系進学に対する期待は男子39.5%、女子30.7%で、文系進学への期待は男女ともに20%を下回った。理系進学が重視されていることがうかがえる。 かえつ有明中高等学校の深谷新先生は、「今回の調査結果は、中高生に理科を教える立場として日々感じていることを裏付ける内容でした」とコメントしている。また、クラーク記念国際高等学校の阿部賢太先生は、「男子は理系、女子は文系」という固定概念があることから、今回の調査結果はある意味で納得のいくものでした」と述べている。 調査結果は、Studyplusトレンド研究所の公式Webサイトでも紹介されている。