
雨が降る前になると頭が痛くなる、季節の変わり目になると体がだるい、梅雨時はむくみやすい…。そんな不調に心当たりはありませんか?
天気痛研究の第一人者で、日本初の「天気痛・気象病外来」を開設した佐藤純氏によると、気象病の原因は気圧だけではなく、「気圧」「気温」「湿度」の3つが大きく関係しているといいます。そして、どの要素の影響を受けやすいかによって、現れやすい症状も異なるのだそうです。
本記事では、佐藤氏の著書から、気象病を引き起こす3大要因とその特徴を解説。簡単なセルフチェックを通して、自分がどのタイプに当てはまるのかを確認してみましょう。
※本記事は書籍『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』(佐藤純:著/アスコム)から一部抜粋・編集したものです
気象病の原因は、「気圧」「気温」「湿度」の3つです
天気の要素には、日照時間や降水量、風速などさまざまなものがありますが、体に大きな影響を与える要素としては「気圧」「気温」「湿度」の3つを挙げることができます。
気温や湿度が体に影響を与えることは昔から知られており、研究も進められてきましたが、気圧については近年までほとんど意識が向けられてきませんでした。
気温や湿度の高低は誰もが敏感に感じ取ることができますが、気圧の変化は感じることができないと考えられていたからです。
気圧の変化によって生じるおもな初期症状は、めまい、倦怠感、眠気などで、その後に頭痛などの痛みに襲われるのが特徴です。
気圧が下がっていくときのほうが症状は顕著ですが、上昇するタイミングで痛みが強くなるケースも珍しくありません。
すなわち、天気が崩れはじめるときも、逆に天気が回復に向かうときも、気象病の症状は出やすくなるということです。
気温については、昔から体調との関係性をテーマにした研究が重ねられてきて、その成果が「熱中症情報」などに利用されています。
重度の熱中症になると、頭痛、めまい、吐き気といった症状を引き起こすことはよく知られていますので、みなさんも相関関係を容易にイメージできるのではないでしょうか。
逆に、気温が下がると痛みがひどくなる人もおり、「温度不耐性」という病態にある人は、寒いときほど痛みが増す傾向にあるため、気温の下降に敏感です。
気象病持ちにとっては、暑い場合も寒い場合も、大きな気温の変化は歓迎できるものではありません。
湿度についても、気温と同様に研究が進んでおり、人の皮膚に湿度を感じるセンサーが備わっていることなど、さまざまな事実が解明されています。
湿度の場合、低いときよりも高いときに痛みが出やすくなることがわかっており、とくに関節リウマチの患者さんは、じめじめした梅雨時に症状が悪化することが多いです。
また、同じ気温でも湿度の高い日のほうが熱中症になりやすいことも報告されています。
以下に、気象病のタイプ診断と各タイプの特徴を記載します。
「気圧」「気温」「湿度」という気象病の三大気象要素のいずれかが変化することによって、体のどこかに症状が現れるということを頭に入れておきましょう。
あなたはどのタイプ?「気象病タイプ診断」
〈Check A〉
□2、3日前から天気が崩れるのがわかる
□「もうすぐ雨が降る」など天候の変化がわかる
□乗り物酔いしやすい
□飛行機や新幹線が苦手である
□高いところが苦手である
□耳抜きが苦手である
〈Check B〉
□寝つきが悪くて眠りが浅く、夜中に目が覚めてしまう
□やる気はあるのに体がついていかない
□手や足が冷える(冷え性である)
□疲れやすく、倦怠感がある
□季節の変わり目は食欲が落ちる
□漠然と不安を感じることが多い
□ストレスに弱いと思っている
□夏の暑さも、冬の寒さも苦手である
〈Check C〉
□むくみが出やすい
□むしむししたのが嫌い、湿気が嫌い
□汗をかきにくい
□寝汗をかきやすい
▶Aだけにチェックが多く入った人・・・天気の崩れに弱い「気圧タイプ」
▶Bだけにチェックが多く入った人・・・寒暖差に弱い「気温タイプ」
▶A、Bともにチェックが入った人・・・天気の崩れ、寒暖差の両方に弱い「気圧・気温タイプ」
▶Cだけにチェックが多く入った人・・・梅雨になると体調を崩す「湿度タイプ」
気象病の三大原因と特徴
【気圧タイプ】
天気の崩れに弱い。めまい、倦怠感、眠気などが現れ、その後に頭痛などの痛みに襲われる。天気が回復に向かうときに体調を崩す人もいる。
【気温タイプ】
寒暖差に弱い。暖かくなると症状が悪化するのが片頭痛、寒くなると悪化するのが肩こりや緊張型頭痛など。気分の浮き沈みに影響することも。
【湿度タイプ】
梅雨になると体調が悪くなる。湿度が低いときより高いときに症状が出やすくなる。湿度の影響をもっとも受けやすいのが関節リウマチといわれる。
ここまでの記事では、気象病の3タイプについて紹介しました。つづく関連記事では、「子どもの気象病」についてお届けします。
つづき>>不登校の背景に「天気」あり?見逃されがちな子どもの「気象病」とは…症状の特徴と親が知っておきたいサイン【専門医が解説】
■著者:佐藤 純(さとう・じゅん)
天気痛ドクター・医学博士。日本慢性疼痛学会認定専門医。中部大学生命健康科学研究科教授、愛知医科大学客員教授。1958年福岡県生まれ。30年以上にわたり、気象と痛み、自律神経との関係を研究。1983年に東海大学医学部を卒業後、名古屋大学大学院で疼痛医学、環境生理学の研究をスタート。1987年、米ノースカロライナ大学に留学し、慢性疼痛と自律神経系の関係について研究を行う。名古屋大学教授を経て、2005年より愛知医科大学病院・痛みセンターで日本初の「天気痛・気象病外来」を開設。天気痛研究・診療の第一人者として「ためしてガッテン」「あさイチ」(NHK)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディア出演も多数。2020年には株式会社ウェザーニューズと共同開発した「天気痛予報」をリリースし、注目を集めている。主な著書に『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法』(光文社)、『まんがでわかる天気痛の治し方』(イースト・プレス)、『「雨の日、なんだか体調悪い」がスーッと消える「雨ダルさん」の本』(文響社)、『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。




