近年、東京都・神奈川県などで段階的に拡充されてきた「私立高校授業料無償化(実質無償化)」制度。志望校を選ぶ際に、この制度がどの程度影響したかを聞いたところ、「あまり影響しなかった」が最多で39%だった。ついで「少し影響した」33%、「大きく影響した」23%、「影響しなかった/制度をよく知らなかった」6%という結果となった。全体の約56%が何らかの形で無償化制度の影響を受けたと回答したことから、この制度の影響の大きさがうかがえる。
特に「大きく影響した」と回答した保護者のコメントは次のとおり。制度が無ければまったく選択肢に無かった。(東京都|女子の保護者)
無償化制度がなければ、私立を第一希望にはしなかっただろうと思う。(東京都|女子の保護者)
できれば公立高校で…と言いたいところでしたが、本人の思いを中心に決めることができた(神奈川県|保護者)
公立高校と比較して、入学金や授業料の補助があるなら私立高校にしようと決断できた。(神奈川県|男子の保護者)
選択肢として、精神的に選びやすかった。(東京都|女子の保護者)
都立に落ちた場合の併願先として、無償化があったので都立をちょっと高めにチャレンジできた。(東京都|男子の保護者)
私立は個性があるので、無償化になることで選択肢が増えたように感じた。(神奈川県|女子の保護者)
私立でも公立でも質の良い教育が受けられれば良いと思っていたが、授業料が無償となると、私立に行ってほしいという思いが強くなった。(神奈川県|女子の保護者)
公立高校を第一志望として考えていた家庭にとっては、新たな進学先を検討する後押しとなったことが読み取れる。一方、私立高校を第一志望としていた家庭からは、制度が選択への安心感につながったという声が目立った。家計面の不安を軽減しながら、志望校選択を支える効果を発揮していることが見て取れる。
一方、「あまり影響しなかった」と回答した保護者からは次のような声が集まった。
無償化はありがたいですが授業料以外にかかるものが大きいので、公立を選びました。(神奈川県|女子の保護者)
あくまで授業料だけの無料化という認識です。以前と同じように、私立に行くことになったら、助かるなと思っていた程度です。(神奈川県|女子の保護者)
無償化の授業料は一旦払って後から返ってくるというのを知って、まとまった額を用意できないと思い公立しか考えていなかった。(神奈川県|男子の保護者)
もともと私立を希望していたので有難い話ではあるのですが、無償化により倍率が上がってしまったので苦しかったです。(東京都|男子の保護者)
子供自身が公立一択で行くと決めていた。(神奈川県|女子の保護者)
私学無償化は「選択肢の精神的ハードルを下げる」効果はあるが、授業料以外の諸経費を含めた総費用の観点ではまだ公私の差は大きいという冷静な声が多かった。制度を活用する際は、入学金・施設費・修学旅行費・制服代なども含めた総費用のシミュレーションを事前に行うことが重要だろう。
私学無償化制度の拡充により、高校選びの選択肢は広がりつつある。2027年度入試に向けては、学校説明会や文化祭など、志望校への理解を深める機会が増える時期を迎えている。子供本人の思いや将来の目標に耳を傾けながら、それぞれの家庭にとって納得のいく進路選択につなげてほしい。
「進学相談.com」を運営するリンクは、首都圏の私立高校合同相談会「第15回 高校進学フェスタ2026」を首都圏5会場で開催する。会場は、田園都市(9月12日)、等々力(9月22日)、溝の口(9月30日)、武蔵小杉(10月17日)、港北ニュータウン(10月24日)。対象は中学生とその保護者。完全予約制で、入場無料。






