
「朝から体が重だるい」「急にカッと熱くなる」「理由もなくイライラや不安感が募る……」40代・50代を迎えて感じるその不調、実は女性ホルモンの変化による「自律神経の乱れ」や、体内のめぐりの滞りが原因かもしれません。
そんな“ゆらぎ世代”の悩みを根本からほぐすカギは、東洋医学にありました。
本記事では、大ヒット書籍『更年期と自律神経をととのえる本 – 東洋医学が効く!』から、自分の体質を知る「6つの体質チェック」や、今日から実践できるツボ押し・セルフケアのポイントを厳選してご紹介します。
※本記事は書籍『更年期と自律神経をととのえる本 – 東洋医学が効く!』(森田遼介/ワニブックス)から一部抜粋・編集したものです。
プレ更年期
〜更年期〜アフター更年期の変化
ここでは「プレ更年期(35〜45歳頃) 」「更年期(45〜55歳頃) 」「アフター更年期(55歳以降)」と三段階に分け、東洋医学と西洋医学の両方の視点から、年齢ごとに起こる身体の変化や自覚症状についてご説明していきます。
これらも一つの指標に過ぎないので、人によって症状が出る時期や度合いは変わるはずです。少し専門的な話になりますが、当てはまることがあれば気をつけ、当てはまらなければ安心して過ごそう、といったふうに捉えていただければと思います。
プレ更年期(35〜45歳頃)
卵巣機能が徐々に低下し始め、ホルモンバランスがゆらぐ準備段階。
プレ更年期の主な症状としては、イライラや胸の張り、お腹の張り、肌や髪が乾燥する、軽いほてりやのぼせ、不眠などに悩まされる人が多いでしょう。
【西洋医学的見解】
<ホルモンの変化>
❶卵巣機能低下により、エストロゲン(低温期)とプロゲステロン(高温期)の分泌が不安定になる。
❷月経周期が不規則になり、経血量が変化する。
<身体の変化>
❶月経前症候群(PMS)の悪化。
❷疲れやすさやホットフラッシュが起こり始める。
❸代謝の低下による体重増加や脂肪が蓄積しやすくなる。
<精神的な変化>
❶イライラ、不安感、感情の起伏が激しくなる。
❷集中力の低下、軽い不眠症状などが起こりやすくなる。
【東洋医学的見解】
<腎気の低下>
成長や老化、生殖機能を司る「腎(じん)」のエネルギーが減少し始める。
<肝の影響>
血を貯蔵して感情や月経を調節する「肝(かん)」が低下し、ストレスや気血の滞りが症状を悪化させる。
更年期(45〜55歳頃)
卵巣機能が急激に低下し、エストロゲンの減少が顕著になる時期。
更年期の主な症状は、ホットフラッシュ、不眠、関節痛、情緒不安定、肌や髪の乾燥、めまい、耳鳴り、骨の弱化など多岐にわたります。
【西洋医学的見解】
<ホルモンの変化>
❶エストロゲンの分泌が大幅に減少し、 ホルモンバランスが崩れる。
❷視床下部(体温調整の中枢)が影響を受け、ホットフラッシュなどが発生する。
<身体の変化>
❶エストロゲンの減少により骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが上昇する。
❷コラーゲン生成が減少し、肌が乾燥しやすくなる。
❸膣の乾燥、頻尿や尿失禁のリスクが増加する。
❹寝付きや中途覚醒、全体的に睡眠が浅いなど不眠症状が出る。
❺代謝の変化により内臓脂肪が増えやすくなり、肥満や高血圧、糖尿病のリスクが高まる。
<精神的な変化>
不安感、抑うつ状態、ハイとローのテンションが入り乱れる。
【東洋医学的見解】
<陰陽バランスの乱れ>
❶陰(潤い)や血が不足し、のぼせ、乾燥、不眠が起こる。
❷陰が不足することで陽が過剰になり、ほてりや熱感が強まる。
<腎気の衰え>
❶「腎」のエネルギーが減少し、老化スピードが速まる。
❷「腎」の働きである水分代謝の低下から、下半身に水が溜まり冷えが強まる。
アフター更年期(55歳以降)
ホルモンバランスが新しい安定状態に達し、身体が変化に順応する時期。
アフター更年期の主な症状としては、冷え、関節痛、むくみ、記憶力や集中力の低下などを感じる方が多いでしょう。
【西洋医学的見解】
<ホルモンの変化>
エストロゲンがほとんど分泌されなくなり、ホルモンの急激な変化が収まる。
<身体の変化>
❶骨密度がさらに低下し、骨粗しょう症のリスクが高まる。
❷筋肉量が減少し、運動能力やバランス感覚が低下する。
❸肌のたるみ、髪のコシの減少が見られる。
❹高血圧や動脈硬化、心血管疾患、糖尿病など慢性疾患のリスクが高まる。
<精神的な変化>
更年期の混乱が収まり、精神が安定する人が多い。
【東洋医学的見解】
<腎陽の不足>
身体を温める力が低下し、冷えが強くなる。
<気血の不足>
気や血が不足し、疲労感、筋肉低下、関節痛が起こりやすい。
<老化の加速>
腎気が枯渇し、肌や髪、骨、関節の老化が加速する。
「プレ更年期」では、それ以前より抱えていた不調がさらに目立つようになったり、ギリギリ隠れていた乱れが、ホルモンバランスの低下や体内の寒熱の変化が引き金となって、自覚症状として出てくるといった傾向があります。
加えて、「プレ更年期」以前から長く不調をお持ちだった人の傾向としては、「更年期」時の不調改善に比較的時間がかかってしまいます。そこで、気長に向き合い、プロの力を借りることも考慮に入れていきましょう。
人間の身体には、自己免疫力・自己治癒力という修正補助能力がいくつも備わっています。そして、その自己免疫力・自己治癒力は、更年期前と更年期中の自律神経の整い方次第で、人によって異なってきます。
西洋医学では、ホルモンの変化を中心に身体や慢性疾患のリスクを管理します。東洋医学では、「気・血・水」のバランスを整えることで不調を緩和し、健康を保つことを重視します。
これら両方の視点を組み合わせることで、心と身体を総合的にケアできるようになることが大切なのです。
更年期症状が強く出やすい14の性格

更年期症状が強く出やすい人には、共通した性格の特徴があります。
東洋医学的には「実証(じっしょう)」タイプといって、陽気に満ちて体力があり、症状が強く現れる体質や病態を指します。西洋医学的には、ストレスや疲労の蓄積から、緊張・興奮作用がたかぶって交感神経が優位に働きやすいタイプに当てはまります。こうしたタイプの人は、いったいどんな性格なのかを具体的に見ていきましょう。
❶完璧主義
❷まじめ過ぎる
❸サボることが苦手
❹人に頼むことが苦手で自分が動いてしまう
❺体力の限界ギリギリまで動いてしまう
❻普段からじっとできない
❼プライドが高い
❽0か100かで物事を考える
❾目標を達成するまで手を抜けない
❿体調が悪くても無理してしまう
責任感が強い
他人を気にし過ぎる
せっかち
神経質
皆さんはいくつ当てはまりますか?
二つ以上当てはまる人は、考え方から気をつけねばなりません。なぜなら、これらの特徴は、そのままうつ病になりやすい人の特徴でもあるからです。
これらの性格の人は、疲労やストレスの蓄積スピードも速く、自律神経が乱れて不調が起こりやすくなります。自己免疫力の低下にも繋がりますが、性格をすぐに変えることは難しいと思います。日頃の意識の持ち方から徐々に変えていきましょう。
また、こうした性格をわかりやすく言い換えれば「頑張り屋さん」タイプ。決して悪いことではないのですが、更年期の不調を防ぐためには、まず自分をいたわり体調を整え、心と身体の余裕を作ることが必要です。頭ではわかっていることでも、不調が強まるとつい忘れてしまうので気をつけましょう。
そして、更年期障害が強く出やすい最も危険なタイプは、そんな「頑張り屋さんの性格」に加え、「身体を昔から冷やしていた人」です。
自律神経のバランスは、交感神経(日中の活動時に優位になる)と副交感神経(睡眠時や休憩時に優位になる)がシーソーのように交互に“ややかたよる”のが理想です。

しかし、前述のタイプの人は、交感神経が優位になる傾向があり、その度合いも強いため、更年期に音や光、温度、熱感などの刺激に敏感になりやすくなります。
人によっては雨の音が大きく聞こえて夜に眠れないと訴える人もいるほど。強い交感神経優位状態を持続させないためにも、できるだけリラックスするよう努めてみてください。
交感神経優位の度合いが大きいと、ちょっとしたことでも急に怒りが沸点に達してしまうなど、メンタル面でもエネルギーを多く使うことになるため、結果として本人が疲弊するのみならず、人間関係などで損するリスクも増えてしまいます。
交感神経と副交感神経のバランスを正常化させるためにも、普段から身体を整えておきましょう。
つづき>>【更年期と自律神経】イライラ・多汗・不眠…更年期の不調は我慢不要!自分に合う「26の不調別セルフケア」とは?
******




