
全国各地で40をを超える日が相次ぎ、外に出るだけでも体力を奪われるような危険な暑さが続いています。ほんの少し歩いただけで汗が吹き出してしまい、気になるのは「体のニオイ」です。毎日お風呂で丁寧に体を洗い、制汗スプレーも欠かさない。それなのに、「なんだか臭う気がする」と感じることはありませんか?
40代、50代になると、女性ホルモンの分泌が大きく変化し、ホットフラッシュによる大量の汗や疲れやすさ、睡眠不足など、さまざまな不調が現れます。「このニオイも更年期だから仕方がない」と半ばあきらめている人もいるかもしれません。
けれども、そのニオイは汗臭でも加齢臭でもない、「夏バテ臭(疲労臭)」かもしれません。夏バテ臭の最大の特徴は、お風呂でゴシゴシ洗っても落ちないこと。洗っても落ちないなんて恐怖でしかありません。
そこで、皮膚ガス研究の第一人者である東海大学理学部化学科教授・関根嘉香先生に、更年期世代の女性が今日から始められる対策について伺いました。
【前回の記事】
◀◀「クサッ!」お風呂に入っても落ちない!更年期世代を悩ませる「ニオイ」、意外な原因とは【医師が解説】
▶40代以降、「夏に臭いが気になる」その原因は
あなたは大丈夫?40代以降が夏バテ臭を発生させる「5つの引き金」
夏バテ臭が発生しやすくなる背景には、大きく五つの原因があります。ツンとした夏バテ臭を感じたら、何が原因かを確かめることが大切です。
1、偏った食事。肉や魚、大豆といったタンパク質・アミノ酸を多く含む食品は、アンモニアの原料になります。とはいえ、まったく食べないわけにもいきません。問題は、バランスを欠いてこうした食品にばかり偏った食事を続けることで、その場合に夏バテ臭は強くなります。ただし消化能力には個人差があり、同じものを食べてもニオイが強く出る人とそうでない人がいます。年齢とともに消化能力が落ちてくる40代以降は、特に気をつけたいところです。
2、熱ストレス。日本の記録的な猛暑は、私たちが自覚している以上に体へ多大なストレスを与え、アンモニアの放散を増やします。加えて、紫外線もストレスとして体に蓄積されていきます。実際、晴天のもとで日なたを歩いた人は、夏バテ臭が大幅に増加したという実験結果も。
「夏バテ臭」という名前には、この夏の暑さによるダメージという意味も込められているのです。ここで見落としてはならないのは、夏バテ臭が屋外だけでなく室内でも発生するという点です。不快指数(温度と湿度を組み合わせた蒸し暑さの指標)が高い部屋ほど、皮膚からのアンモニアの放散量は多くなります。「家の中にいるからといって、安心はできないのです」と関根先生は指摘します。
3、心理的ストレス。ストレスがかかると交感神経が優位になり、アンモニアの放散量が増えることが、生理学的なデータからも確認されています。反対に、副交感神経が優位なリラックスした状態では、アンモニアは減少します。緊張しやすい方や不安を感じやすい方は、それだけ夏バテ臭のリスクを高めているのかもしれません。
4、肝機能の低下。お酒の飲み過ぎや過労などによって、アンモニアを無毒化する肝臓の「尿素回路(オルニチンサイクル)」の働きが低下します。もともと病気で肝臓が弱っている人は、疲労臭が発生しやすくなります。
5、肉体的疲労。激しい運動やスポーツで筋肉を使うと、アミノ酸の分解が進み、アンモニアの放散量が増加します。こちらは運動を終えれば軽減します。
▶更年期世代は体臭の同時多発テロが起きやすい!?汗・加齢・便・疲労…更年期世代は「体臭の同時多発テロ」が起きやすい!?
40代・50代の女性が夏バテ臭について知っておくべきことがあります。
更年期は「体臭の曲がり角」ともいえる時期です。女性ホルモンの減少によって、自律神経の調節機能が低下し、さまざまな体臭の変化が一度に重なって起きやすくなります。
ホットフラッシュ(ほてり・多汗)が起きれば、急激な発汗によって汗臭が強くなります。自律神経が乱れて交感神経が優位になりやすい状態は、血中アンモニアの放散を増やし、夏バテ臭を悪化させます。さらに、更年期は便秘になりやすい時期でもあり、腸内環境の悪化は腸でのアンモニア産生を増やすことにもつながります。
つまり同じ「体臭が気になる」という状態でも、汗臭なのか、加齢臭なのか、便臭なのか、それとも夏バテ臭(疲労臭)なのかによって、対策は異なります。洗えば落ちるものは洗えばいい。でも夏バテ臭や便臭は、体の内側から整えなければ根本的には解決しません。
「まず第一歩は、自分の体臭がどのタイプかを知ること。お風呂でよく洗った後も足の裏が臭う場合は、夏バテ臭の可能性が高い。このセルフチェックを習慣にしてほしいと思います」(関根先生)

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