
前編記事『中1の夏から始まった不登校。幼稚園時代のトラウマで声を出せなくなった娘が「自分の道」を少しずつ歩んでいる』に続く後編です。
さくらさん 51歳 大阪府在住。中2娘、高2息子と53歳夫の4人暮らし。娘さんは中学受験を経て兄と同じ私立の中高一貫校に進学、在籍中。
*プライバシーに配慮し一部を改変してお届けします。写真はイメージです。「私も話を聞かせてもいいよ」という方、ぜひ文末のリンクからお知らせください。
【不登校の親なう】#3後編
子どもの自己管理、大丈夫なのかな。楽しくお出かけできるといいのだけれど
娘は不登校スタートあたりから疲れやすくなり、特に生理前の朝は状態がひどくなります。いくら起こしても意識がないくらいに寝続けるのです。さすがにおかしいと思い検査したところ、貯蔵鉄・フェリチンが正常値25 〜 250 ng/mLのところわずか5ng/mLと判明。12 ng/mL 未満が鉄欠乏です。さっそく鉄剤を飲むことになりました。
過多月経が原因かなと婦人科にも相談したところ、生理を止めることもできるけれど、ひとまずは漢方の当帰芍薬散で血のめぐりを改善しましょうと、両方をコツコツ対策すること2か月、無事フェリチンは20ng/mLに上がりました。
ただ、娘に聞いたところ「別に飲む前と変わらへん、数値は変わってるけど、いってみれば飲み始めて毎日下痢でお腹が痛い」。ほかにも頭の中が毎日ぐらぐらしていて、頭痛もする、体もしんどい。こうして聞かれないと自分の状態もよく分かっていない感じで、毎日の下痢を黙っていたの?と驚きました。
ついに先月からは「めんどくさい」と「身体のしんどさ」がどんどん強くなって、お風呂や歯磨きがままならないようになってしまいました。気持ちが下向いてきたのかな?と電話で小児科の先生に聞いたら、「下痢は鉄剤のせいだと思うからいったん中止、サプリのヘム鉄に切り替えて」と。さっそく切り替えたところ下痢はなくなったそうなのですが、やっぱり朝なかなか起きられません。毎日たくさん飲む薬にも疲れてきたようでした。
「めんどくさい」や「行きたくない」が強くなると、せっかく映画の予約を取っても起きられず「やっぱり今日は無理~」となったりします。当初はこういうとき「お金も払ったのに!約束したのに!もったいない!」とものすごく腹が立ちましたが、だんだん私も慣れてきて、「絶対やらなくちゃならないことなんてそもそもないし、仕方ないよな」と考え方も変わってきました。
「まあ、いっか」と流せるようになってきたのは娘が与えてくれた私自身の成長だなと思います。
私立中学ならでは?「学校が不登校児の扱いに慣れていない」
最近になって改めて休み始めるきっかけを聞いてみたら、ひとつは予想通り、夏休みの部活がものすごくしんどかったことでした。「楽しかったし、高校生の先輩たちとも話せた、喋れなかった自分が喋れるようになったのも部活のおかげ。でも、やっぱりしんどかった」。
もうひとつはクラスで発言ができなかったことでした。声をかけてもらえれば応じられるので何とか楽しく過ごしていたけれど、「ペアトーク」という隣の人と喋る時間は何を喋ればいいのか、口から言葉が出てこないのがひどく辛かったそうです。また、例えばお弁当をひとりで食べていて「おいしそうなお弁当食べてるね!」と声をかけられたとき、嬉しいから言葉を返したいのだけれど、言葉が出なくて困っている間に話しかけてくれたお友達はもうどこかへ行ってしまう、こうした積み重ねもつらかったそうです。
そもそも私立中はあまり不登校の子どもに慣れていないケースがありそうです。1年のときの担任の先生は対応を積極的には行わず、不登校の始まりから半年くらいは完全にほったらかしでした。不安なのですが、どこに相談していいのかもわかりません。スクールカウンセラーはいるものの面談しても具体的な策はなく、「1か月どうでしたか」「あまり変わりません」「また来月」という感じ。このままこの学校にいていいのか悩みました。
2年生に進学して担任が変わると今度は積極的にコミットしてくれる先生で、「市と繋がってみたらどうでしょうか?」と先生が自ら調べてくださいました。先日はじめて市のフリースクールの見学に行き、このあと繋がれる先ができたので心強いです。
いまは少し立ち止まっているかもしれないけれど、娘なりに前に進んでいる
思えば公立小学校は手厚かったですね。私たちの時代とは違って、子どもが何かできなくてもみんなでサポートしてくれていました。娘は小学校ではお習字をのびのびと楽しめて、賞をいただく機会もあり、自己肯定感は低いながらも絵や習字がうまいことを自信として通えていました。こうした、困難をスムーズに助ける対応をしてくれる小学校に通えてよかったとしみじみ思います。
市につながったことがきっかけで、もしかして喋ることが難しいという現実を改めて発達支援センターでチェックしてもらったほうがいいかもしれない、漢字もちょっと苦手なのでもしかして書字障害もあるのかな、それもチェックしたほうがいいかもしれないという話が始まりました。娘もこうしたチェックは受けたいようで、積極的に外出する動機になりそうです。来月は心理テストの担当者と顔合わせを予定していて、楽しみにしているようです。
中学校にはいまは通えていないかもしれませんが、これはこれで「別の自分に生まれ変わった」という感覚があるみたいです。先日2人で京都に散歩に行った際、たまたま入ったお店で店員さんとアニメの話題で自然に会話ができました。小さな声ではあったものの、本人としてはこうしたことができる自分に驚いたようで、「初対面の人でも、この人とは話せると思ったら話せる」と手ごたえを感じたようです。最近は「グループトークをしてみたい」とも言うようになりました。話題や議題が決まっていれば会話できそうだという感覚があるようです。少しずつ前進しているのですね。
学校に行けなくなって、最初は勉強や経験値が下がることにモヤモヤしていた時期もありましたが、今は娘と2人で喋ったり、テレビを観ながらいろんな事について話し合ったり、趣味のイベントやらで他府県におでかけできたり、今までほどんどなかった2人の時間をとても楽しく感じています。娘も「なんかお母さんとしゃべるのが楽しいな、お母さん大好き!」と言うようになり、私もうれしくなりました。
長い人生、山あり谷ありですが、私も娘も楽しく過ごせています。将来、あんな時もあったね、と笑って話せるように楽しい未来に向かって少しずつ前を向いていければと思っています。
つづき>>>中1の夏から始まった不登校。幼稚園時代のトラウマで声を出せなくなった娘が「自分の道」を少しずつ歩んでいる
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