40代・50代こそ危険⁉ 一人暮らしで倒れたら…。若い世代こそ「孤独死」への備えが必要な理由【司法書士が解説】 | NewsCafe

40代・50代こそ危険⁉ 一人暮らしで倒れたら…。若い世代こそ「孤独死」への備えが必要な理由【司法書士が解説】

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40代・50代こそ危険⁉ 一人暮らしで倒れたら…。若い世代こそ「孤独死」への備えが必要な理由【司法書士が解説】

一人世帯がどんどん増えている日本。あなたは、「もし一人暮らしで倒れたら…」と考えたことはありますか?40代・50代の現役世代こそ「自分で自分のレスキュー部隊を備えておかねばならない」。そう語るのは、司法書士・太田垣章子氏です。

太田垣氏は「住まい」を中心としたサポートを20年以上続けながら、「人生100年時代における家族に頼らないおひとりさまの終活」を支援してきた “賃貸トラブル解決のパイオニア”。

本記事では、太田垣氏の「40代から準備しておきたい“終活以前の生き方プラン見直し術”」をまとめた著書から、具体的な事例とともに「今日から考えるべき備え」をご紹介します。

※本記事は書籍『「最後は誰もがおひとりさま」のリスク33』(太田垣章子:著/ポプラ社 )から一部抜粋・編集したものです

40代、50代の現役世代こそ倒れたら誰も助けてくれません

〈一人暮らしで、自宅で倒れた時のことを考えると恐ろしくなります。〉

日本は一人世帯が増えました。現在でも40%を超える勢いです。この先も増えていく未来しか見えません。そうなると万が一の時、発見してもらいにくくなります。

ついつい人は、今の元気な自分を基準に考えます。でもある日突然に異変に気が付いて、がんを宣告されるかもしれません。そこまでの大病でなくても、コロナウイルスに感染して自宅療養中に、心細くなった人も少なくないでしょう。ただの風邪であっても、熱が高くなると「このまま悪化して意識を失ったら……」と不安になると思います。

今はさまざまな見守りサービスがあります。シーリングライトが、人の動きを感知するものがあります。電球が24時間点きっぱなし、もしくは一度も点灯していないことでアラートが出るものもあります。センサーで感知するものもあります。ただサービスその全てについて言えることですが、アラートが出ても、それを誰が受けるのか、ということが問題なのです。

だってちゃんとアラートを受けてくれる存在がいるなら、別に見守りサービスを利用しなくたって毎日連絡を取り合うことができますよね? 1日1回でも連絡を取り合っていたら、最長でも24時間以内に異変を感じ取ってもらうことができます。

そうなると見守りサービスは不要になりませんか? 今の日本でのこういったサービスの基準は、全て「駆け付けてくれる家族がいる」ことが前提です。子どもがいたとしてもひとりっ子が多く、しかも離れて暮らしていれば、どんなに早く駆け付けたとしても半日以上はかかってしまいます。子どもには子どもの生活もあります。仕事をしていれば、事情もあるでしょう。どんなに気持ちがあったとしても、昔の「サザエさん一家」のようなサポートは難しいはずです。

結婚していようとしていまいと、パートナーや子どもがいようといまいと、今の時代、自分で自分のレスキュー部隊を備えておかねばならないのです。

逆に介護サービスを利用するようになれば、週の何日かはデイサービスに行ったり、部屋に来てサポートをしてもらうことにもなります。そうなると体調不良も早く察知してもらえます。問題はまだまだお仕事をしている、現役世代ではないでしょうか? 意外に感じるかもしれませんが、賃貸物件での孤独死の半数は、高齢者ではなく現役世代です。

会社員の人は平日に何かあれば、会社の人が気づいてくれるでしょう。でももし金曜日の夜に何かあれば、気づいてもらえるのは少なくとも月曜日。年末年始などの連休中だとどうでしょう? あなたにはすぐに気がついて、さらに行動してくれる人がいますか?

しかも最近のマンションは、エントランスのオートロックが増えました。もし体調不良で救急車を呼んだ場合、救急隊到着まで意識がある状態とは限りません。あったとしてもインターホンまで行って、エントランスのロックの解除ができるとも限りません。自分がロック解除できなければ、救急隊の方々に迷惑をかけるし、何よりも1分1秒を争う事態には圧倒的に不利になります。

この問題をクリアにするなら、24時間コンシェルジュがいるようなマンションに住むとか、オートロックがない部屋に住むとか、誰かが異変に気付いてくれるような共同生活的な環境を選択するとか、住む場所を決める際に考慮ポイントがあると考えています。

ひとり住まいなら、50代から万が一の時のサポートをしてくれる存在を準備しておくのも必要なのかもと思います。早くから取り組まないと、そのうち自分では動けなくなります。「まだ早い!」という声も聞こえてきそうですが、安心を買うということを、これからの時代、高齢者だけでなくもっと若い世代が意識する必要がありそうです。

※《出典》 総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)令和6(2024)年推計)」

▶「偏屈者」と呼ばれた一人暮らしの叔父が倒れ…

親族から孤立していた叔父が、すぐに発見されたワケ

偏屈な性格で、親族と没交渉だった叔父さんが亡くなり、姪っ子さんからその後の手続きを依頼されたことがありました。その叔父さんは、畠山さん(仮名・76歳)といいます。畠山さんは東京の外れにある公営住宅に住んでいました。一族からは「偏屈者」と呼ばれ、親族は誰も畠山さんとはコンタクトを取ってはいませんでした

ところが畠山さん、亡くなってすぐに発見されたのです。親族からは、あれほど煙たがられていたのに、です。理由は簡単でした。公営住宅には同じ年ごろの方々がたくさん住んでいて、畠山さんは毎日のようにその人たちと朝食を共にしていたからです。

他愛もないことを喋りながら、コーヒーを飲んだり、パンを食べたり。それぞれその日の気分で各人が思い思いに過ごしていました。時間も縛りはありません。ただ公営住宅横の喫茶店で、9時以降に顔を合わせていたようです。

「喋りたくない日は、それで良いの。そんな日は、隣のテーブルで喋らずに食べれば良い。新聞読んでいる時は、誰も話しかけない。喋りたい人は、喋る。とにかく自由なの! ただ毎朝顔だけは合わせようっていうのが、私たちのルールでした」

そう教えてくれたのは、畠山さんの異変に、いち早く気が付いた向かいの部屋に住んでいる貴子さん(仮名・67歳)でした。

「畠山さんは几帳面でね。雨降って使った傘を、いつも玄関のところに広げて干していて。しっかり数時間で片付ける人なのよ。出しっぱなしにしないの。私なんて大雑把だから、翌日出かける時に気が付いて片付けるくらいなのに。それがさ、その日は夜もそのままで、朝になっても片付けてなくて。こりゃ大変だってベル鳴らしても反応ないから、すぐに管理人さんに連絡したら……。人って、こんなにも簡単に亡くなることもあるんだなって思ったわ。だって前日の朝には、いつものように一緒にモーニングをしたのよ」

畠山さんは、腎臓に持病があったようで、定期的に病院にも通院していました。服用していた薬もあったようです。最終的には心筋梗塞で亡くなりました。確かに拘りの強いところもありましたが、仲間たちは別に家族ではないから、深く関わり合うわけじゃないし、さしてその「偏屈」も気にならなかったと口々に語っていました。

たまたま今回は畠山さんが最初に亡くなったけど、この先、誰がどうなるかは分からない。だからこの付かず離れずの関係性が、ひとり住まいには心強いとも皆さん話してくださいました。

自分が倒れた時に誰が見つけてくれるのか想定してみよう

後日談ではありますが、この畠山さん、株の投資をかなりやっていて、4千万くらいの資産がありました。独身だったので、相続人は兄弟姉妹です。残念なが2026/03/27 18:1ら遺言書がなかったので、「偏屈者」と言って長年まったく関わっていなかった親族に遺産は分配されていきました。

毎日笑って朝食を食べていた仲間に渡すつもりはなかったのかな、それとも拒否されても親族をどこか求めていたのかな、あるいはそもそも遺言書を書くという認識がなかったのかな……。いろいろと考えてしまいましたが、畠山さんの真意は誰にも分かりません。

それでも部屋は、男性のひとり住まいにすれば片付いていて、通帳や手帳等もひとまとめにしてあって、遺産整理をする者とすれば非常に助かりました。もしかしたら持病もあったので、ご自身が亡くなる時のことを考えていたのかもしれません。そう思ってしまうほど、部屋は整理整頓されていました。

荷物は業者に片付けてもらい、公営住宅には解約の書面を出して終了です。仮に今夫婦二人で住んでいたとしても、同時に亡くなることはほとんどありません。片方が認知症になってしまったり入院してしまえば、遺された方はその瞬間から「おひとりさま」です。もし子どもがいたとしても、『サザエさん』一家状態でないなら、頼るといっても限界があるでしょう。

今の高齢者と、今の40代50代が高齢者になる時代では、大きく状況は違ってきます。生まれてくる時は自分ではコントロールできませんが、死ぬ時のことや倒れる時のこと、誰かのサポートが必要なことは想像できるし、それに対して自分で備えることは可能です。

いつまでも元気で万全はありえません。若いうちから備えておいても、早すぎるということはありません。気が付いた時が、備えるスタートだと思いましょう。

■著者略歴:太田垣章子(おおたがき・あやこ)
司法書士、賃貸不動産経営管理士、合同会社あなたの隣り代表社員。30歳で生後6か月の長男を抱えて離婚、働きながら6年の勉強を経て2001年に司法書士試験合格。2006年に独立、2012年に事務所を東京へ移転し、2024年5月よりコンサルティングと情報発信を軸に現職へ。家主側の訴訟代理人として家賃滞納の明け渡し手続きを延べ3,000件近く担当し、現場重視で滞納者の再出発にも伴走する“賃貸トラブル解決のパイオニア”として知られる。「住まいは生きる基盤」を掲げ、“人生100年時代における家族に頼らないおひとりさまの終活”を提言。著書に『家賃滞納という貧困』、『老後に住める家がない!』、『不動産大異変』、『あなたが独りで倒れて困ること30』(すべてポプラ社)、『死に方のダンドリ』(共著、ポプラ社)などがある。

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