2027年卒業予定の大学生・大学院生の8割超が求める初年度年収の最低ラインは「400万円以上」になることが2025年11月18日、ハウテレビジョンの調査で明らかとなった。コンサルティングと商社に人気が集まり、インターンシップは平均6.58社に参加している。 就職活動に関する調査は、キャリアプラットフォーム「外資就活ドットコム」を運営するハウテレビジョンが、2027年卒業予定の大学生・大学院生を対象に実施した。調査期間10月2日~9日、有効回答数595人。 就職活動の開始時期は、大学3年生の4月(2025年4月)がもっとも多いものの、大学2年生以前(2025年3月まで)に開始した学生も34.4%にのぼり、約3人に1人が早期から活動を始めている。就職活動の終了予定時期は、大学3年生の3月(2026年3月)が22.4%でもっとも多く、ついで大学4年生の6月(2026年6月)が21.0%となった。2025年10月時点で内定を獲得している学生は13.1%と少数派であった。 サマーインターン終了後の10月時点で、志望業界が明確な学生は全体の7割強に達した。志望業界としてはコンサルティング、商社、金融が多く、中でもっとも志望する業界ではコンサルティングと商社が拮抗し、人気の高さがうかがえる結果となった。 企業選びで重視する点について、就職活動の開始当初と現在を比較すると変化がみられた。「仕事内容の魅力・やりがい」は開始当初より7.6ポイント上昇し、もっとも重視される項目となった。一方で、「給与・報酬水準」は19.3ポイント低下した。ただし、これは一定の給与水準が前提として満たされているうえで、仕事の中身や環境をより重視する傾向が強まっていることを示唆している。 実際に、初年度年収の最低ライン(この金額を下回る場合は入社しないと判断する基準)は、前年の2026年卒の調査結果と比較して引き上げられている。「400万円台」と回答した学生が前年比10.4ポイント増の48.9%で約半数を占めた。「300万円台以下」は13.1%(前年比6.7ポイント減)に減少し、最低でも400万円台以上を求める層が全体の8割を超えた。年収を「気にしない」という回答も半減しており、初任給への意識がより強まっているようすがうかがえる。 インターンシップには平均で6.58社に参加しており、学生たちが積極的に活動していることがわかる。参加したプログラム内容では「グループワーク」が93.3%でもっとも多かった。 また、入社志望度が低い企業のインターンシップに参加した経験がある学生は72.6%にのぼった。その理由としてもっとも多かったのは「本選考での優遇がある」(48.9%)であった。さらに、志望度が低い企業のインターンに参加した学生のうち、51.9%が「参加後に志望度が高まった経験がある」と回答。当初は関心が低かった企業でも、社員や業務内容に触れることで印象が変化するケースが多いことが明らかになった。 志望度が高まった理由として、「自分のやりたいことと業務に近しいものがあった」「社員の方がどのような思いで仕事をしているのかを知ることができたから」「一般的にはあまり知られていないBtoB素材メーカーだが、グローバルに働けるうえ、ワークライフバランスも充実していそうだと感じたため」などの回答が寄せられた。