新発見のレモン彗星、10月下旬が観察好期…次回接近は1100年後 | NewsCafe

新発見のレモン彗星、10月下旬が観察好期…次回接近は1100年後

子育て・教育 リセマム/生活・健康/その他
レモン彗星の位置(2025年10月14日~11月16日)東京の星空
 2025年1月に発見された「レモン彗星」が、10月下旬から11月上旬にかけて見ごろを迎える。国立天文台によると、レモン彗星は10月下旬から11月上旬にかけてもっとも明るくなり、暗い場所で空が澄んでいれば肉眼でもぼんやりと観察できる可能性があるという。10月21日夜のオリオン座流星群に続き、秋の夜空で注目される天体現象のひとつとなりそうだ。

 レモン彗星は2025年1月3日、米アリゾナ州のレモン山天文台で発見された。発見当初は明るくならないと予想されていたが、8月中旬に急増光し、肉眼で見えるほどの明るさになる可能性が示された。レモン彗星は1000年以上の公転周期を持つ「長周期彗星」に分類され、正確な年月を求めるのは困難であるものの、前回の太陽接近はおよそ1300年前、次回はおよそ1100年後に太陽に接近すると予測される。写真では緑がかった姿で捉えられており、双眼鏡や望遠鏡を通して見た場合には、ほのかに緑がかって見える程度だという。今後、太陽に近づくにつれてガスやダストの放出が増え、白っぽい色に変化していく可能性もあるという。

 今回、レモン彗星が太陽にもっとも近づく「近日点」を通過するのは11月8日の午後10時ごろ(日本時間)。地球への最接近は10月21日午前10時ごろと予想されている。活動もこの時期にもっとも活発になり、夕方の低空に現れる。国立天文台によると、観察に適しているのは10月23日から11月2日ごろ。夕方の空の低い位置、日の入り約1時間後に地平線上20度前後の高さで見える。明るさは3~4等級と予想され、肉眼で見るにはやや厳しいが、よく晴れた空の澄んだ日に暗い場所で観察した場合には、かすかにぼんやりとした彗星の姿を肉眼で見ることができる可能性がある。また、双眼鏡や望遠鏡を使えば観察できるチャンスが広がる。

 近日点を通過する11月8日ごろまでは、3.5~4.5等ほどの明るさを保っていると予想される。日の入り1時間後の地平高度が20度を切るため、もやや地上の明かりの影響を受けやすくなり、肉眼での観察はさらに難しくなるが、11月15日ごろまでは地球から観測可能な位置にあるという。

 気象情報サイト「ウェザーニュース」によると、10月23日・24日は西日本から東日本の広い範囲で晴れの日が多く、夜間の観察に適したコンディションが期待される。週末の10月25日・26日は一転、全国的に雨模様の予報となっている。週末を避けた、今週の後半または週明け10月27日以降に観察のチャンスがありそうだ。彗星を見つけるヒントとして、西の低い空がしっかりと開けた場所で、星図アプリなどで彗星の方向を確認すること、うしかい座のアルクトゥールスなどが目印になるという。

 10月後半は空気が澄みやすく、明るい星々とともに秋の星空を楽しめる時期でもある。同時に冷え込みも日に日に厳しくなるため、日の入り後の観察を行う際は防寒対策を万全にして、およそ1000年に1度の貴重な彗星の姿を楽しんでほしい。
《畑山望》

特集

page top