埼玉大学は2025年8月20日、機能強化のための授業料改定検討案を発表した。改定検討案では、2026年度以降の授業料を2割値上げし、10万7,160円増の年額64万2,960円とする。現在在籍している学生の授業料は据え置き、新たに入学・進学した学生に適用するとしている。 埼玉大学では、教育研究活動のさらなる充実に向けた取組みを継続的に推進していくため、これまでの自己財源確保や経費節減などに加え、安定的かつ基盤的な収入の増加を図る必要があり、2026年度以降の授業料改定について慎重に検討を進めていると公表した。 現時点の改定検討案によると、授業料の引き上げ額は、学部(学士課程)と大学院(修士課程・博士前期課程・専門職学位課程、博士後期課程)の入学者が10万7,160円増の年額64万2,960円。経済学部夜間主コースは、5万3,580円増の年額32万1,480円となる。 授業料改定の対象となるのは、2026年度4月以降の入学者。現在在籍している学生の授業料は変更せず、新たに入学または進学した場合に適用する。3年次編入生は、学年進行とあわせて2028年4月以降に適用予定。 授業料改定案は今後、十分に議論を重ねたうえで、10月上旬をめどに最終的な決定を行う予定。決定内容は、適切な時期に大学Webサイトへの掲載で公表するとしている。 埼玉大学は「この検討を通じて、教育内容の充実やキャンパス環境の整備とともに、学業・生活面でのサポート体制や経済的支援策の拡充を図り、すべての学生が安心して学びに専念できる環境を整えることを目指しています」と説明している。 国立大学の授業料は、文部科学省が定める標準額(53万5,800円)の2割増までの範囲で各大学が決定できる。2025年度入学生から引き上げた東京大学をはじめ、千葉大学、東京科学大学、東京藝術大学、東京農工大学、一橋大学が、標準額を超えた授業料に改定している。