「そんなもん聞いてねーよ。お前が悪い!」記憶が都合よく変わるモラハラ夫。子どもとの約束まですっぽかし、家族の絆は壊れていった | NewsCafe

「そんなもん聞いてねーよ。お前が悪い!」記憶が都合よく変わるモラハラ夫。子どもとの約束まですっぽかし、家族の絆は壊れていった

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
「そんなもん聞いてねーよ。お前が悪い!」記憶が都合よく変わるモラハラ夫。子どもとの約束まですっぽかし、家族の絆は壊れていった

モラハラ・夫婦問題カウンセラーの麻野祐香です。

「そんなこと言った覚えはない」 「聞いてないよ。急に言われても困る」

モラハラ気質の夫の言葉に、Cさんは何度も混乱させられてきました。

「もしかして私、記憶障害なの?」 「私の勘違い?」

あまりに自分と夫の記憶が食い違うため、「私のほうが間違っているのかも」と不安になり、自分の感覚に自信が持てなくなっていったのです。今回は、そうして心をすり減らしていったCさんの体験と、モラハラ加害者が記憶を都合よくすり替える心理的背景についてお話しします。

 

言ったことを「なかったこと」にする夫

Cさんの夫は、都合よく記憶を入れ替え、些細なことで怒り出す人でした。たとえば、ある朝のこと。Cさんはキッチンで朝食を準備しながら、前日のLINEを思い出し、夫に声をかけました。

「今日は夕飯いらないんだよね?」

すると夫は、ムッとした顔でこう言ったのです。

「は?俺そんなこと言ってないけど」

Cさんは一瞬、耳を疑いました。

「確かにLINEが来ていたはず」と思い、スマホで前日のメッセージを確認します。

やはり、そこには「明日は飲み会だから夕飯いらない」と書かれていました。

Cさんはスマホの画面を見せながら、冷静に伝えました。

「ここに書いてあるよ。昨日の夜、送ってくれたでしょ?」

しかし夫は、画面を確認するなり顔をしかめ、こう言いました。

「そういう重箱の隅をつつくようなこと、やめろよ」

謝る気配はまったくなく、むしろCさんが「言わなくてもいいことを言った」と言わんばかりの態度でした。

このように、言ったはずのことを「言っていない」と否定し、何度も話をすり替える……そんな出来事が、Cさんの日常では何度も繰り返されていたのです。

運動会の約束も綺麗に忘れている夫

Cさんの長男の運動会が近づき、学校から日程のお知らせが届きました。

「10月7日、日曜日に運動会があるから予定をあけておいてね。今年はリレーの選手に選ばれたのよ」

そう話すCさんの横で、長男は嬉しそうに立っていました。

夫も「それはよかったな。いっぱい応援するからな、頑張れよ」と息子の頭をくしゃくしゃと撫でていました。

そのときは、夫も運動会を楽しみにしているのだとCさんは信じていました。

しかし、運動会の週になり、Cさんが「私はお弁当を作るから、場所取りはあなたにお願いするわね」と声をかけた瞬間、夫の表情は一変しました。

「10月7日?無理に決まってるだろ。接待ゴルフが入ってるって、前から言っただろ」

その言葉にCさんは凍りつきました。

「え?そんなこと一度も言ってなかったよ」

「言ったよ。俺、ちゃんと話したよな?初耳みたいな顔すんなよ」

Cさんは急いで学校からのプリントを取り出し、

「これ、渡したでしょ?カレンダーにも書いてあったよ。それに、長男に『応援する』って言ってたじゃない」と必死に訴えました。

しかし、夫は首を横に振り、

「知らねぇよ。そっちが勝手に決めたことだろ」と突き放しました。

少し離れた場所でそのやりとりを見ていた長男は、泣きそうな顔でつぶやきました。

「お父さん、来てくれないの?」

その一言を聞いた瞬間、Cさんの胸は締めつけられるような痛みに襲われました。

しかし夫は、ため息をつきながら冷たく言い放ちました。

「無理なもんは無理だ。こっちは仕事なんだぞ。誰の稼ぎで生活できてると思ってるんだ」

そうして夫は、その場の会話を投げ捨てるように終わらせました。

夫にとって、家族の予定は「自分には関係のないこと」だったのです。自分の言動に責任を持たず、都合よく記憶を書き換え、すべてを自分中心に進める。

家族の気持ちなど眼中にない……夫はただ「自分が一番大事」なのです。

自分の都合がすべてに優先される

モラハラ傾向のある人は、家族よりも“外での自分の立場”を重視することが多くあります。
たとえ子どもの大切な行事であっても、「仕事のつきあいだから」と家族よりも外の用事を優先するのです。家族の約束は平気で断ってしまいます。

そして、都合が悪くなると「俺は前から言っていた」と過去の記憶を書き換えます。
そこには、“言っていたかどうか”ではなく、“今の自分が言っていたと思っていることが正しい”という前提があるのです。

 さらに深刻なのは、そうした否定が子どもの目の前で行われるということです。

「どっちが本当のことを言ってるの?」
「お父さんって信用できないのかな?」

運動会のやりとりでも、家族の絆を壊すような力が、そこに確かに存在していました。

本編では、記憶を都合よくすり替え、約束を「なかったこと」にする夫に翻弄されるCさんの苦悩についてお伝えしました。

▶▶「記憶を改ざんするモラハラ夫に自信を奪われた私。『私がおかしいのかも』と思い続けた結末」

では、そんなCさんが気づいた「本当の問題」と、心を守るために選んだ決断についてお届けします。


《OTONA SALONE》

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