明治大学の駿河台キャンパスにて、「山の上ホテル」に関連する2つの展示が開催されている。「明治大学と山の上ホテル—文化の薫りの継承」と「山の上ホテルを愛した作家たち—川端康成・三島由紀夫」は、いずれも観覧無料で、2025年10月まで開かれる。 山の上ホテルは、1937年に佐藤新興生活館本部ビルとして建設され、1954年からホテルとして営業を開始した。佐藤慶太郎氏の私財によって建設されたこの建物は、文化の薫りを今に伝える貴重な存在である。 佐藤慶太郎氏は1868年に北九州市で生まれ、1887年に明治法律学校に入学した。病気により学業を中断し、代言人試験(現在の司法試験に相当する試験のこと)は断念したが、1890年に卒業。その後、石炭流通と炭鉱経営で巨万の富を築き、慈善事業にも尽力した。佐藤氏はカーネギーを尊敬し、自身の寄付のみで東京都美術館を開館するなど、カーネギーの経営哲学を実践した。 1つ目の展示「明治大学と山の上ホテル—文化の薫りの継承」は、2024年11月に明治大学が山の上ホテルの土地・建物を取得したことを背景に、同ホテルの歴史と明治大学との関わりを紹介する展示となる。 もう1つの展示「山の上ホテルを愛した作家たち—川端康成・三島由紀夫」は、山の上ホテルが「文人の宿」として多くの作家たちに愛されたことに着目している。特に、互いに親交が深かった川端康成と三島由紀夫の2人に焦点をあて、明治大学が所蔵する「日本近代文学文庫」から初版本や直筆署名本などを展示する。 これらの展示は、明治大学のリバティタワー23階岸本辰雄ホールと1階中央図書館ギャラリーで開催。開館時間中、自由に観覧できる。なお、展示期間中は大学行事の都合により、展示室が閉室する場合があるため注意が必要だ。◆明治大学と山の上ホテル—文化の薫りの継承日時:2025年3月25日(火)~10月27日(月)会場:明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー23階 岸本辰雄ホール休館日: 日曜日・祝日(4月29日、7月21日、9月23日、10月13日を除く)、8月10日(日)~16日(土)対象:一般観覧:無料※申込不要◆山の上ホテルを愛した作家たち—川端康成・三島由紀夫日時:2025年3月26日(水)~10月30日(木)休館日:5月30日(金)、6月30日(月)、8月10日(日)~16日(土)、24日(日)~25日(月)、9月30日(火)会場:明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー1階 中央図書館ギャラリー対象:一般観覧:無料※申込不要