足立区は、2024年12月に実施した子育てアンケートの結果を受け、子育てや教育にかかる費用負担を軽減するため、独自の支援策を発表した。総額約18億7千万円の補正予算を計上し、東京23区最大規模の子供支援策に踏み切る。 アンケートは6,000世帯を対象に行われ、1,918世帯から回答を得た。多くの意見として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」との声が上がったことから、足立区は補助教材費、修学旅行・自然教室、入学準備にかかる費用について独自の補助を行うことを決定した。 補助教材費については、2025年度購入分から区立学校に在籍する児童・生徒全員を対象に、副読本や解説書、各種の学習帳などの補助教材費を補助する。学年ごとに補助上限額を設定し、各校は上限の範囲内で補助教材の選定を行う。 また、自然教室・修学旅行費の補助は、2025年度実施分から区立学校の小学5・6年生、中学1年生全員分の自然教室での食事代、中学3年生全員分の修学旅行にかかる費用について実施される。なお、拝観料や体験料金は除外され、バス代は既に公費負担となっている。 さらに、2026年4月に新1年生となる全児童・生徒(区立・私立は問わない)を対象に、小学校や中学校入学時に必要な購入物品に係る経費を補助するため、一人あたり10万円の入学準備金を支給する。2025年12月中旬ごろ、指定口座への入金に向けて準備を進めていく予定だ。 入学時に必要な購入物品の例として、小学校ではランドセル、体操服、防災頭巾、上履き、鍵盤ハーモニカなどがあげられ、中学校では標準服、ジャージ上下、体操服、上履き、通学カバンなどが含まれる。 近藤やよい足立区長は、「国も『若年人口が急減する2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス』と言っていることから、足立区としてもこの10年を正念場としてとらえ、勇気をもって子育て支援の充実に大きく一歩踏み出すことにしました。この軽減策を一助として、これまで躊躇してきたお子様の習い事や体験に一歩踏み出していただければと思います」とコメントしている。