25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。 結婚をしたいけれど出会いがない、成婚に至らないということはなぜ起きるのか、働く女性は婚活にどのような悩みを抱えているのでしょうか。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。
今回は、35歳女性の婚活ストーリーを紹介します。
※プライバシーを考慮して、事実関係の一部を変更しております。
高校教師の彼から「親に会ってくれないか」と言われて
現在35歳のM美さんは、かつてさいたま市内の高校で非常勤講師として勤務していました。30歳のころ交際していた同僚は2歳上で、まじめで優しい人柄の男性。何よりM美さんの心をとらえたのは、スキーが上手なところでした。学校のスキー合宿で、華麗にゲレンデを滑る彼の姿に目を奪われたのだそうです。
実家暮らしの彼は、M美さんが一人暮らしをするアパートをしょっちゅう訪れるようになりました。そんな息子の異変に気付いた彼の母親は、「おつき合いしている相手がいるなら、一度家に連れてきなさい」としきりに催促します。
「親に会ってほしい」と彼に言われて、M美さんは気が進みませんでした。M美さんは当時30歳になったばかり。結婚はいつかはしたいけれど、そもそも彼と結婚したいのかどうかもわかりません。とはいえ彼の申し出を断る理由もなく、M美さんは彼の実家へ挨拶に行くことになりました。彼の家では、両親と弟が揃ってM美さんを迎えてくれました。感じのいい家族ですが、M美さんは、結婚に向けて外堀を埋められるような窮屈さを覚えたといいます。
お試し同棲を始めてみたら、彼の態度に「イラッ」
「結婚を前提に、一緒に暮らそう」という彼の申し出に、「お試しでなら…」と答えたM美さん。2人はM美さんの部屋で一緒に暮らし始めました。生活を共にするようになると、M美さんは彼の生活力のなさに驚かされます。大学生の頃から一人暮らしをしていたM美さんと違って、彼はずっと実家暮らし。世話好きの母親に身の回りのことはなんでもやってもらっていたのでしょう。家事ができないのはしかたがないとしても、「家のことはM美さんがやるのが当然」といわんばかりの態度には、思わずイラッとすることが多々ありました。
何度もケンカをしては話し合い、そのたびに彼は「わかった、これからは手伝うよ」と口では言います。ところが、彼が請け負う家事といえば、お風呂洗いやゴミ出しといった、子どものお手伝いの域を出ないものばかり。しかも、ほとぼりが冷めるとそれすらサボってやらなくなります。M美さんはそのうち彼に期待するのをやめてしまいました。
寝込んでいる私に「くつしたがない」と言ってくるカレ
あるとき、M美さんはインフルエンザにかかって数日の間寝込んでいました。普段は家事はM美さん任せでもしかたがないとあきらめていましたが、こういうときは別です。動けないM美さんの代わりに家事を引き受けてくれてもいいはずなのに、彼はいつも通り何もしてくれません。自分はさっさと外食やお弁当で食事を済ませて、M美さんの食べものや飲みものは頼まなければ買ってきてもくれません。
ある朝、出勤の仕度をしている彼が枕元にやってきました。「くつしたがないんだけど」と言われたときは、M美さんは愕然として言葉も出ませんでした。M美さんが寝込んでいる間、洗濯ものが溜まっていても自分で洗濯機を回そうともしないなんて。「この人とは絶対に結婚はできない」と確信した瞬間でした。
「オレ、お見合いするかも」と言ってきた彼に……
それでも彼と別れるきっかけはないまま、2人が同棲を始めて3年が過ぎました。その間も、彼は実家の母親から「結婚はどうするの」というプレッシャーを浴びています。彼自身にも、「早く結婚して親を安心させたい」という思いがあるようで、「そろそろ結婚する?」などと言ってM美さんの意向を探ってきます。けれど、M美さんは彼と結婚する気にはどうしてもなれません。かといって他に好きな男性もいないし、ずるずると同棲生活を続けていました。
その日も、彼の母親から電話がかかってきました。歯切れの悪い返事をして電話を切った彼は、M美さんに「M美と結婚する気がないなら、お見合いしろと言われた」と告げました。それを聞いたM美さんは、こう言い放ったそうです。「どうぞ、してください」
こうして2人は別れることを決め、彼は実家に戻りました。M美さんの胸に広がったのは、寂しさよりも解放感だったそうです。
本編では、自分のくつしたも見つけられないダメ男と3年も同棲してしまったM美さんのしくじりについてお伝えしました。
続いての▶▶「ワイルドな男性に夢中になった私。彼の子どもだけでも欲しい…と血迷う私に、婚活カウンセラーがかけた言葉は」
では、M美さんが新たに付き合ったダメ男との恋愛、そして最後にやっと分かった自分の気持ちについてお届けします。