2025年2月26日、2025年度(令和7年度)埼玉県公立高等学校入学者選抜が実施された。 リセマムでは、早稲田アカデミーの協力を得て、令和7年度(2025年度)埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)と学校選択問題(英語・数学)についても、同様に掲載する。<理科>講評(早稲田アカデミー 提供) 全体的な構成、配点、出題傾向については大きく変化はなかった。 大問1は、例年通り小問集合。物理・化学・生物・地学分野から各2問ずつ計8問と変化なし。小問集合で出題された問題は、いずれも「大問2以降のテーマとして選ばれなかった学年で学習した内容」からの出題である。問4の「ばねの並列つなぎ」の計算問題こそ正答率が低くなりそうだが、それ以外は、比較的平易な問題だったのではないか。 地学分野である大問2は、大地が出題された。問3までの断層・震度・プレートの速さの計算・プレートと震源の相関を問う問題はいずれも基本的な知識が身に付いていれば解ける難易度である。一方震央を作図で求める問題は、「観測された3地点の状況が異なる・作図用の図面が用意される」など出題に工夫がみられる出題であった。 生物分野である大問3は、分解者のはたらきをテーマに据えた出題。ほとんどの中学校において中3の最後に学習する単元であり、問題演習が不足しがちな単元である。設問自体は実験操作の理由を問うものなど、いわゆる典型題や、リード文から推測できるものが多く、例年と比較しても解きやすかったかと思われる。 化学分野である大問4は、密度に関する出題。問3までのメスシリンダーの読み取り・密度の計算・プラスチックの性質に関する出題は平易なもの。問4は、埼玉県立の理科では珍しい複数選択問題であった。次年度以降も出題される可能性があると考えておきたい。問5は寒冷地の湖について「冬期に水面が凍るが湖底は凍らない理由」を密度の観点から考察するもの。実生活の現象に興味を持ち、理科的観点から考えてほしいという意図を感じる出題であった。 物理分野である大問5は、電流と磁界の出題だった。ここ数年の物理分野は、難問となりやすい計算問題を排除し全体的な難易度を下げようとする傾向にあるが、今年も同様であった。問5の「地球を1つの磁石」と見立てる問題こそ目新しいものであったが、丁寧な導入文+択一式の設問であったため落ち着いて取り組むことで正解に至れたのではないか。 全体として、バランスの良い出題であった。しっかり準備をして臨んだ生徒であれば高得点が期待できるであろう。 このレポートは2025年2月26日(水)に、速報として早稲田アカデミーにより作成されたもの。協力:早稲田アカデミー(執筆:埼玉県立必勝コース理科責任者 新井克幸氏)