ドリームエリアは2025年2月14日から17日の期間、AIの進化が子供たちの勉強や職業に与える影響について調査を行い、その結果を発表した。調査は、同社が提供する学校業務支援システム「マチコミ」を利用する全国の未就学児から大学生までの子供がいる保護者を対象に実施され、2,060名から有効回答を得た。調査結果から、AIの必要性を感じている保護者が8割以上にのぼることが明らかになった。 この調査は、AIの発達が子供たちの勉強や職業にどのような変化をもたらすかをテーマに、2025年2月14日から2月17日までの期間にインターネットを通じて行われた。対象は未就学児から大学生までの子供をもつ保護者で、ドリームエリアが調査を実施した。 調査結果によると、日常でAIを利用していると答えた保護者は20%で、興味はあるがまだ使っていないと答えた60%をあわせると、80%以上の保護者がAIの必要性を実感していることがわかった。一方で、AIを使っていないし必要だと思わないと答えた保護者は19%にとどまった。 子供たちの学習においても、AIの浸透が進んでいる。AIを使った学習について、すでに活用していると興味があるをあわせると、67%の保護者がAI学習に価値を感じていることが明らかになった。多くの家庭でAIを取り入れた学習が現実的な選択肢になりつつあることがうかがえる。 AIの進化による暗記教育の重要性の低下については、どちらとも言えないと回答した保護者が31%と最多で、ついでややそう思うが28%となった。暗記の必要性が大きく減ると考える保護者は13%にとどまり、AIを活用しながらも基礎知識の重要性は依然として認識されていることがわかった。 AIの進化にともない、学校の教育が変わるべきだと考える保護者は64%に達した。今までどおりの教育が必要という意見が33%で最多だったが、暗記中心の教育を減らし、思考力・創造力を重視すべきや、人間にしかできない分野を強化すべきといった意見が多く見られた。 将来、学歴社会から実力の社会に変わっていくと考える保護者は81%にのぼった。学歴の重要性は変わらないが、実力も重視されるようになると答えた保護者が51%で、学歴の価値は少しずつ下がり、実力がより重視されると答えた保護者が30%だった。 AIの発展で子供の将来の仕事がどうなるかについては、現在ある仕事の多くは変化するが、働き方が多様になると答えた保護者が39%で最多だった。AIと共存しながら、人間にしかできない仕事が重視されるという意見も34%あり、AIの発展により新しい働き方への期待が高まっている。 AIの進化によって経済格差がどうなるかについては、AIを使いこなせる人とそうでない人で新たな格差が生じると考える保護者が60%で最多だった。AIリテラシーの差が新たな社会的な格差を生む可能性に対する懸念がうかがえる。 自由回答欄には684件のコメントが寄せられ、AIの進化によって医療や教育の分野で大きな貢献を期待する声や、子供ひとりひとりにあった学習ができるようになれば良いといった意見が多くみられた。一方で、子供がAIに頼りすぎて思考力が低下しないか心配する声や、誤った情報を学習し間違った知識をもってしまう可能性を懸念する声もあった。 調査結果から、多くの保護者がAIの必要性を認識し、子供の学習にも価値を感じていることが明らかになった。AIの活用が進む一方で、基礎知識や思考力の重要性は依然として認識されており、教育のあり方については、従来の学習を維持しつつ創造力やコミュニケーション能力を育むべきとの意見が多くみられた。職業面では、AIとの共存による働き方の多様化が期待される一方、格差による経済格差拡大を懸念する声も多数あり、AIを適切に活用しつつAIリテラシーの向上や人間の強みを活かす教育が求められている。今後は、AIの発展と共に、人間ならではの能力を伸ばすバランスの取れた教育や社会の仕組みが重要となるのではないだろうか。