出産直後の私に、夫は「次は男の子だな」と言い捨てた。55歳で離婚、「再婚活」をスタートしても、自尊心は低いままで | NewsCafe

出産直後の私に、夫は「次は男の子だな」と言い捨てた。55歳で離婚、「再婚活」をスタートしても、自尊心は低いままで

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出産直後の私に、夫は「次は男の子だな」と言い捨てた。55歳で離婚、「再婚活」をスタートしても、自尊心は低いままで

25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。一方で、結婚20年以上の夫婦の離婚率も増加しています。(厚生労働省令和4年度『離婚に関する統計』の概況より)

アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。

今回は、20年の別居期間を経て「熟年離婚」に踏み切った女性の、再婚活ストーリーを紹介します。

※プライバシーを考慮して、事実関係の一部を変更しております。

20時間の出産に耐えた妻に「次は男の子だな」と言い捨てた夫

M里さんは、現在59歳。23歳のときに結婚した元夫とは、大学時代にアルバイト先で出会いました。人生で初めておつき合いをした相手です。

夫は、おつき合いをしていた時には感じなかったのですが、新婚当時からいわゆる「亭主関白」タイプ。同い年にもかかわらず、専業主婦のM里さんをあからさまに見下しているようでした。また、「妻はこうあるべき、母親はこうあるべき」というステレオタイプでM里さんを縛ろうとします。しかもひどく倹約家で、M里さんには自由になるお金がほとんどない状態でした。

やがて長女が産まれますが、産院で初めてかけられたのは「次は男の子だな」というひとこと。もちろん夫が出産に立ち合うことはなく、20時間にも及ぶ出産に耐えた妻に対するねぎらいの言葉もありませんでした。

夫の言葉通り一女一男に恵まれ、家事と育児に追われる日々。気づけば夫との関係は冷え冷えとしたものになっていました。夫は一方的にM里さんに命令したり批判したりはしますが、M里さんの意見には耳を貸そうとしません。「だからこの人は人間的に成長しないんだな」そう思ったとき、M里さんは夫への愛情が消えていることを自覚しました。

起き上がれないほどの体調不良なのに、心配すらしてもらえない

M里さんにとって決定的な出来事が起こったのは、40歳のときです。朝、激しい腹痛で起き上がることができなかったM里さんは、夫に「病院へ連れて行ってほしい」と頼みました。ところが、夫は「仕事を休めないから無理だ」といつも通りに出勤してしまったのです。

M里さんはなんとか子どもを学校へ送り出し、自力で病院へ向かいました。自転車で行こうとしたのですが、乗って漕ぐこともできないほどの痛みで、ほとんど這うようにして病院に到着。診察してくれた医師にも「よくここまで我慢したね」と言われたほどです。診断結果は急性虫垂炎で、M里さんはその日のうちに手術を受けました。

病院のベッドの上で、M里さんは離婚を決意したそうです。日頃、空気のように扱われようと、上からものを言われようと、我慢することはできる。けれど、自分が弱っているとき、ほんとうに助けてほしいときに突き放されるのは耐えられない。「夫には自分へのわずかな情もない」そのことを思い知らされた気がしました。

「子どもはどうするんだ」と離婚届を突き返されて

退院後、M里さんは仕事を探しました。社会に出たことのないM里さんを雇ってくれるところはなかなか見つからず、ようやく近くの自動車関連の部品工場でパートとして雇ってもらいました。

仕事に慣れた頃、M里さんは離婚届に判を押して夫に差し出しました。「離婚してください」と頭を下げたM里さんに、夫は黙って離婚届をつき返し、「離婚はしない」と言い放ちました。「子どもはどうするんだ」と。子どもたちは2人ともまだ中学生と小学生でした。

子どもたちのために離婚は思いとどまりましたが、M里さんには夫と同じ空間で暮らすことに耐えられませんでした。M里さんは勤めていた工場の寮に住まわせてもらえるよう交渉し、ひとりで家を出ました。自宅まで自転車で15分ほどの距離だったので、早朝と夕方、食事や子どもたちのお弁当を作り、掃除や洗濯をするために毎日通いました。夫とは極力顔を合わせないようにしていたそうです。

娘も息子も、高校を卒業すると家を出ていきました。娘は仕事をしながら美容専門学校に通い、息子は奨学金を借りて大学へ進みました。ようやく肩の荷を下ろしたM里さんは、離婚調停を申し立て、夫との離婚を成立させます。M里さんが55歳のときです。

誰からも大切にしてもらえないのは、男運に恵まれていないせい?

M里さんが私のセミナーに来てくれたのは、58歳のときです。

夫と別居していた頃から、M里さんは何人かの男性に言い寄られたそうです。誠実な相手ばかりではなく、中には既婚者もいましたが、M里さんは「自分だって戸籍上は既婚者だから」と拒むことはしなかったそうです。離婚してからは、「さらにモテるようになりました」とM里さん。

けれど、「こんな私と結婚したいと思ってくれる人は、誰もいませんでした」とM里さんは言います。「私は、男性に大切にしてもらえない。生まれつき男運に恵まれていないのだと思います」と自嘲するM里さんに、私は「そんなふうに自分に言い聞かせていたら、理想の相手に出会うことはできませんよ」とお伝えしました。

本記事では、夫からの仕打ちに耐えかねたM里さんが別居、離婚した経緯、そして離婚後の境遇についてお話しました。

M里さんが幸せになるにはどうしたらよいのでしょうか?

関連記事「理想の相手と結婚して幸せになりたいと思っているなら…。婚活カウンセラーが教えるとっておきの秘訣」で、婚活カウンセラーからのアドバイスと、その後のM里さんの変化についてお伝えします。

《OTONA SALONE》

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