「若者シェルター」ガイドライン案…親の同意不要で利用可 | NewsCafe

「若者シェルター」ガイドライン案…親の同意不要で利用可

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こども若者シェルター・相談支援事業
 こども家庭庁は2024年12月20日、「こども若者シェルター・相談支援事業」のガイドライン案を公表した。家庭に居場所がない子供や若者の安全な居場所「こども若者シェルター」を都道府県などが整備・運用するため、基本的な考え方やルール設定の留意事項などを定めている。

 こども若者シェルターとは、親からの虐待などに苦しむ10~20代の子供・若者が支援を受け、宿泊もできる安全な居場所。家庭に居場所がない子供や若者が都市部の繁華街などに集まり、犯罪に巻き込まれたり危険な環境で過ごしたりする事態が起きているのを受け、一時保護や施設入所などに代わる新たな居場所を確保しようと、2024年度に「こども若者シェルター・相談支援事業」を創設した。

 事業の実施主体は、都道府県・指定都市・児童相談所設置市。こども若者シェルターの整備を進めるにあたり、適切な運用が図られるようガイドラインを策定するため、検討会を立ち上げ、12月20日の第6回会議でガイドライン案を取りまとめた。

 シェルターの対象者は、虐待や親子関係の不調などにより家庭に居場所がない、おもに10~20代の利用を希望する子供・若者で、事業実施主体である都道府県などが事業の対象とすることが適当と認めた者。18歳未満の未成年の子供が利用する際の親権者からの同意取得については、義務教育修了後の児童の申込みで利用開始が可能と明記している。

 親権者がシェルターの利用を拒み、子供の引渡しを求めている場合、家庭の状況などからシェルターの継続利用が必要と考えられるときは、児童相談所に相談のうえで、「一時保護の対象となる子供については、一時保護委託を活用することが考えられる」とした。

 シェルター生活上のルール設定についても基本的考え方や留意事項を掲載。所持品の持ち込み、通学への支援、トラブル対応、退所後の支援のあり方などを示している。スマートフォンなどの通信機器に関しては、利用ニーズの高さなどを踏まえ、親権者などによる追跡、SNSなどを通じて犯罪に巻き込まれる恐れが現に迫っている、生活に支障が及ぶ依存的な利用が改善されないといった状況がない限り、自由な利用が可能となるよう、子供・若者の意見を十分に踏まえて対応を検討することが望ましいとした。

 入所期間は、1日からおおむね2か月までの比較的短期間の安心・安全の確保を念頭に置くが、心身の状態や社会関係、退所後の生活に関する意向などを総合的に勘案し、子供・若者の最善の利益の観点で妥当である場合には、2か月を超えることも想定されるとしている。

 事業の補助率は、国が2分の1、都道府県・指定都市・児童相談所設置市が2分の1。ガイドラインは、年度内に策定される見通し。
《奥山直美》

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