2023年は10月ごろから感染者が増加し、過去10年間で最大規模の流行が発生した「溶連菌感染症」について、大正製薬は2024年12月17日にアンケート調査結果を公表。溶連菌感染症の予防対策をしている人はわずか16.2%と、インフルエンザやコロナに比べ多くの人が感染予防をしていないことが明らかになった。流行しやすいシーズンに入ったいま、今後の感染対策が重要だ。 溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌(溶連菌)を原因とする感染症で、特に「A群溶血性連鎖球菌」が多くのケースを占める。3~10歳の子供がかかりやすいとされるが、大人も感染する可能性があり、家庭内感染も考えられるため、油断は禁物だ。調査では、子供の頃に感染していない大人が初めて感染した場合、半数を超える56.1%が「とてもつらかった」と回答。流行時には大人も感染予防を心がける必要がある。 溶連菌感染症にかかった際、学校や仕事に通う人の約4人に1人(24.0%)が、5日以上休んでいることが判明。おもな症状には、のどの痛み、発熱、首リンパ節の腫れ、イチゴ舌などがある。調査結果によると、「のどの痛み・腫れ」と「発熱」が圧倒的に多く、一般的な風邪症状に含まれる「咳」や「鼻水・鼻づまり」と回答した人は少なかった。のどの痛みや発熱があるが、咳や鼻水・鼻づまりがない場合は注意が必要だ。 感染予防策については、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスに対しては約半数が予防策を実施している一方、溶連菌に対しては16.2%と少なく、多くの人が意識して感染予防をしていないことが明らかになった。感染対策としては、マスクの着用やこまめな手洗い・うがいが基本。栄養バランスのよい食事や十分な睡眠も重要となる。さらに、CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)を活用したうがい薬や洗口液、のど飴も有効とされる。 大正製薬では、一般的な感染対策と重なる部分が多いため、溶連菌感染症予防と意識せずとも、冬の感染症対策として取り入れてみることが大切だとしている。なお、溶連菌感染症の疑いがある症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することを勧めている。病状が進行するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を発症する可能性もあるため、風邪だと思い込んで放置せず、適切な治療を受けることが求められる。