日本の科学技術を牽引する10名の研究者、文科省が選定 | NewsCafe

日本の科学技術を牽引する10名の研究者、文科省が選定

子育て・教育 リセマム/教育・受験/その他
科学技術への顕著な貢献 2024(ナイスステップな研究者)の一覧
 文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、2024年12月に「ナイスステップな研究者2024」として、科学技術イノベーションのさまざまな分野で活躍し、日本に元気を与える10名の研究者を選定した。選定は、専門家ネットワークからの情報を基に、研究実績や自然科学と人文学・社会科学の融合、産学連携、国際的な研究活動などの観点から行われた。

 「ナイスステップな研究者」は、2005年から選定が始まり、過去にはノーベル賞受賞者の山中伸弥教授や天野浩教授も選ばれている。今回の選定では、若手研究者を中心に、物理学、生物学、コンピュータ科学、言語学など多岐にわたる分野での研究成果が評価された。これらの研究者たちは、研究活動だけでなく、国内外への成果の還元にも積極的に取り組んでいる。

 選定された研究者の1人、加藤淳氏は、産業技術総合研究所の主任研究員として、Human-Computer Interaction(HCI)の研究に取り組んでいる。加藤氏は、創造的文化の現場と信頼を築き、社会背景を踏まえた創作支援ツールの研究開発を行ってきた。具体的には、プログラマやミュージシャン、アニメ監督などの支援を目的としたソフトウェアツールを開発し、HCI分野での顕著な学術的知見を創出している。

 また、東京大学大学院数理科学研究科の佐々田槙子氏は、非平衡統計力学の基礎づけとなる数学理論の研究を進めている。佐々田氏は、流体力学極限の普遍的な理論を構築するために、代数学や幾何学などの手法を用いた新しい幾何学的対象の構成を行い、その性質の研究を進めている。

 さらに、Preferred Networksの高本聡氏は、機械学習と物質科学の融合による汎用原子シミュレーション技術を開発している。高本氏が開発した汎用機械学習ポテンシャルPFPは、物質を限定せずに適用できる汎用性を特徴としており、多くの実用的な材料開発に活用されている。

 これらの研究者たちの活躍は、科学技術に対する夢を国民に与えるとともに、日本の科学技術イノベーションの向上に貢献するものである。科学技術・学術政策研究所は、今後もこのような研究者たちの活動を支援し、科学技術の発展に寄与していくことを目指している。
《佐藤愛》

特集

page top