全国こども食堂支援センター・むすびえは、2024年度の「こども食堂 全国箇所数調査」の速報値を発表した。調査によれば、全国のこども食堂の数は昨年度より1,734か所増加し、1万886か所に達した。この数は、公立の中学校・義務教育学校を合わせた9,265校を上回る規模である。 むすびえは、こども食堂が全国のどこにでもあり、誰もが安心して利用できる場所となることを目指している。今回の調査は、2018年度から毎年実施されており、全国のこども食堂地域ネットワーク団体や都道府県庁、社会福祉協議会などの協力を得て行われた。調査期間は2024年8月から10月で、必要に応じて市町村や社会福祉協議会に電話で確認を行った。 調査結果によると、こども食堂の充足率(校区実施率)は34.7%で、全国の小学校区の3つに1つにはこども食堂が存在する。個所数が多い上位3都府県は東京都(1,160か所)、大阪府(938か所)、兵庫県(598か所)で、2023年度と変わらない。また、増加数が多い上位3都府県は大阪府(+181か所)、東京都(+150か所)、愛知県(+114か所)である。 増加率が高い上位3県は徳島県(45.95%増)、長崎県(41.67%増)、和歌山県(38.98%増)で、徳島県では4年連続で1.5倍程度の増加率を記録している。充足率が高い上位3都県は沖縄県(62.40%)、鳥取県(60.68%)、東京都(55.56%)で、徳島県、奈良県、兵庫県、香川県でも50%を超えている。 人口10万人に対するこども食堂の数が多い上位3県は沖縄県(24.30か所)、徳島県(22.82か所)、島根県(18.75か所)で、2024年度は全ての都道府県で人口10万人当たり5か所以上となった。 沖縄県は、内閣府の「沖縄こどもの貧困緊急対策事業」を活用し、こどもの居場所の整備や食支援を行っているが、離島町村では人材確保の課題があるとコメントしている。徳島県は、こども食堂を開設したい人へのサポートを続けており、地域の新聞で取り上げられることで、開設希望者からの問い合わせが増えているという。 むすびえは、こども食堂が社会の「あたりまえ」となるよう、調査・研究と啓発活動を続けている。2023年度には、のべ1,919団体に約5.2億円の助成を行い、企業等からの物資支援をのべ9,616団体に仲介した。