2025年卒採用、企業の採用意欲は依然旺盛 | NewsCafe

2025年卒採用、企業の採用意欲は依然旺盛

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新卒採用見込み(前年度との比較)
  • 新卒採用見込み(前年度との比較)
  • 内定率の推移
  • 10月1日現在の内定状況
 新卒採用マーケットにおいて、2025年卒の就職・採用戦線が注目されている。企業の採用意欲は依然として旺盛であり、内定率は過去最高を記録した。採用市場の早期化が進行し、企業と学生の双方に影響を与えている。

 新型コロナウイルス禍を経て、採用市場は学生に有利な売り手市場の傾向が強まっている。企業の採用意欲は高く、2025年卒の採用数を増加させる企業が多い。2024年2月の調査では、採用数を「増加」と回答した企業は全体の29.7%で、「減少」と答えた企業は7.9%にとどまった。採用数の増加が「減少」を大きく上回っており、企業の採用意欲が引き続き高いことがわかる。

 採用市場の早期化も進んでいる。2月までに面接を開始した企業は4割に達し、前年より約10ポイント増加した。内定出しの開始時期も早まり、3月から4月にかけて広く分散している。企業の動き出しの早さが、学生の内定獲得時期にも影響を与えている。3月1日の就活解禁時点で、すでに内定を得ている学生は全体の43.2%に上り、前年同期を10.8ポイント上回った。

 企業の採用意欲の高さは、内定率の上昇にもつながっている。10月1日時点の内定率は93.1%で、過去最高を更新した。企業の採用意欲の高さが改めて印象づけられる結果となった。しかし、採用の満足度については「質・量ともに不満」という回答が増加しており、量(内定者数)に不満を感じる企業が多い。

 企業の採用戦略においては、「質より量」のスタンスをとる企業が増加している。採用難を背景に、母集団形成の重要性が増している。企業は、早期戦略を強化し、辞退防止策を講じるなど、採用活動の長期化に対応している。

 一方で、学生の活動量は前年並みであり、志望企業を絞り込む傾向が続いている。インターンシップやオープン・カンパニーなどのプログラムに参加した企業からのフォローを受けることで、新たに企業を増やす活動スタイルになりにくい状況がうかがえる。

 企業と学生の双方が、採用市場の変化に対応するための戦略を模索している。企業は採用意欲を維持しつつ、採用活動の効率化を図る必要がある。学生は、企業の動向を注視し、自身のキャリアプランを見据えた就職活動を進めることが求められる。
《佐藤愛》

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