桜田通「不幸であるべきだと思っていた」自身を変えた存在・表現し続ける理由<「MIRAI」インタビュー後編> | NewsCafe

桜田通「不幸であるべきだと思っていた」自身を変えた存在・表現し続ける理由<「MIRAI」インタビュー後編>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
桜田通(提供写真)
【モデルプレス=2023/05/15】俳優の桜田通(さくらだ・どおり/31)が、ポニーキャニオンが運営するデジタルディストリビューションサービス「early Reflection」のクリエイターマーケティングに特化した新レーベル「Pandrec」より、第1弾アーティストとして5月12日に楽曲「MIRAI」で全世界メジャーデビュー。俳優、音楽、ファッションと幅広い分野で活動する桜田に、“表現すること”の意義、怒りや悲しみを乗り越えたエピソードを聞いた。<モデルプレスインタビュー後編>

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◆桜田通、アーティストとしてメジャーデビュー

Netflixシリーズ「今際の国のアリス」や、現在放送中のテレビ東京系ドラマ25「クールドジ男子」(毎週金曜深夜24時52分~)など、俳優として多数の作品に出演する傍ら、音楽好きが高じて、2016年よりイベント「Sakura da Festa」で自身の楽曲をはじめ、自身が出演するドラマや映画の主題歌カバーを披露してきた桜田。

2018年には、主演映画「EVEN~君に贈る歌~」にて、劇中バンドのボーカルとしてメジャーデビュー。2019年の主演映画「ラ」では、元バンドマン役で劇中歌の作詞も担当。昨年春には初となるZeppツアー「Dori Sakurada ZEPP TOUR 2022 Anniversary to the next level」を開催するなど、精力的に音楽活動を行ってきた。

デビューシングル「MIRAI」は、ハイトーンのサビが印象的で、変化を恐れず新たな未来へと向かっていく桜田の決意表明を感じさせる1曲。配信を記念して、5月26日より全国4箇所を周るデビューツアー「Dori Sakurada Debut Tour 2023 “Retrograde Satellite”」を開催する。

◆桜田通が表現し続ける理由「前向きになれたという人が1人でもいてくれたらそれが自分の存在価値になる」

― 桜田さんは、俳優・音楽・ファッションと軸がありますが、桜田さんにとって“表現すること”というのは、どういうものなのでしょうか?

桜田:ちょっとでも誰かの力になれたら、という気持ちでやっています。というのも僕自身、10代、20代でいろいろな方の音楽や言葉に救われた経験があるからです。僕は自分に対してめちゃくちゃ自信があるわけではないし、自分が正しいから言うことを聞け、なんて思えるタイプではないので、「僭越ながら、僕が作った曲が、聞いてくださった方の力に僅かでもなってくれたら…」くらいの感じです(笑)。自分の感情を音楽として形を変えて、どんどんシェアしていって、「この歌詞のこの部分で自分の悩みが少し軽くなった」とか、「嫌なことがあったけど、前向きになれた」という人が1人でもいてくれたら、それが自分の存在価値になると思っています。

お芝居に関しては、脚本家、プロデューサー、監督などがいる中で、僕も作品の歯車の1つとして、観てくださる方にメッセージを伝えることができたらと思いながらやっています。ファッションだったら、思うままにファッションを楽しむというのもポジティブで好きですし、商業的な側面を知ったうえで楽しむのもいいなと思っています。洋服も知れば知るほど歴史が深くメッセージ性に溢れているので、僕がシェアすることでより多くの方に広がっていけばいいなと。

僕は良い感情ならみんなで巡らせたほうがいいと思うし、良いと思うものはみんなにシェアしたいタイプなので、だからInstagramをやっているというのも大きいです。今140万人くらいの方にフォローしていただいていますが、僕が何かプラスの感情を投げれば、その中の何万人かはそれを受け取ってくれるし、逆に僕がマイナスな感情を投げたら、それを見た人のその日1日が変わってしまうかもしれない。僕が明るく前向きな言葉を伝えることによって、少しでも誰かの心や感情を満たすことができ、それが広がってくれたら、もっと明るく良い未来になるんじゃないかなって、ただそれだけの思いでやっています。誰かの人生を救おうだなんて、そんなに大それた思いではなくても、その人にとって少しでもプラスになれば嬉しいです。

― 少しでも誰かの生活の一部に役立てたら、そんな嬉しいことはないですね。

桜田:そうですね。やっぱり「生きるのがしんどい」みたいな時ってあると思うし、世の中にSOSは多いと思うんです。僕も10代、20代では「なんでこんなに辛いことが多いんだろう」「なんでこんなに嫌なことが起こってしまうんだろう」と思った時期があって、そんな時に誰かの音楽や言葉に救われた経験があります。世の中の人に対して、喜びや楽しさ、幸せを与えられる可能性があるのなら、僕はただそのためにこれからも頑張りたいです。

◆桜田通が怒り・悲しみを乗り越えた方法

― 今のお話にもありましたが、モデルプレスの読者の中にも、さまざまな不安を抱えている方がいます。桜田さんがこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」もしくは「怒りを乗り越えたエピソード」を教えてください。

桜田:昔は、「なんでこんなに理解されないんだろう」「なんでこんなことを言われなきゃいけないんだろう」「何がわかるんだよ」と何度思ったかわからないくらい、僕にとってはずっと、怒りが原動力でした。自分の中で上手くいかなかったり、整理できなかったりしたことに対して、「なんだよ」と感じることが1番エネルギーとして強いものになっていたと思います。幸せだとやっぱり幸せに足を止めてしまうから、自分はずっと不幸であるべきだと思っていたこともあるくらいです。不幸でないと、人に何かを伝えたり、何かを生み出したりすることができないんじゃないかって。

若い頃は他人に決めつけられたり、なかなか話を聞いてもらえないこともあって。「まだ子供だね」「大人になるってこういうことだよ」と言われた時は、正直しんどかったです。もちろん、経験がない人間より、経験がある人間の言葉を聞くのは当たり前なのですが、僕は結構根に持つところは根に持つタイプなので、今でも半分くらいは向こうが悪いと思っています(笑)。

― (笑)。でもそのくらいの気持ちでいないとやっていけないですよね。

桜田:そうなんです。それに、その感情を手放したらその時の自分に申し訳が立たない気がして。でも逆にそれが良い方向に作用したこともあって、昔、実力不足で落ちてしまったオーディションがありすごく悔しい思いをしたのですが、それがダメだったからこそ今に繋がっている作品もあるので、「終わり良ければすべて良し」とまとめるわけではないですが、人生って自分の捉え方次第でどうにでも変えられるのが面白いなと思います。

嫌なことがあってすごく凹んだ日があっても、次の日目の前にいる人がもしかしたら昨日僕と同じように嫌なことがあった人かもしれないと思ったら、その人の見方も変わるようになりました。僕がマイナスな感情を誰にも気づかれず生きてきたように、みんなも嫌なことや悲しいことを隠して生きているのだとしたら、もっと想像力を働かせるべきだなと思います。目の前の人がもしかしたら昨日大切な人を亡くしているかもしれない。重いかもしれないですけど、それくらいの感情で接したほうが、僕は自分に後悔がないです。それが別に僕のただの思い過ごしだったらそれに越したことはないので、周りの人の心に寄り添うことは大事だなと改めて感じています。

― 桜田さんは怒りをどのように鎮めていたのですか?

桜田:クリエイティブに込めることしかなかったです。10代はそれができなかったので、好きなアーティストのライブに行って客席で涙を流したり、家で好きな音楽を聴いたりすることでしか鎮められなかった。20代で音楽ができるようになって、救われた部分はあると思います。

― 泣いていたんですね…。今は泣いていないですか?

桜田:今は泣いていないです!笑顔も増えましたし、昔ほど泣かなくなったのは、心が安定しているからだと思います。だからこそ、「面白くないな、今の自分」と思ってしまう自分もいて、難しいところなのですが(笑)。でも今の自分だからこそできた価値観もあれば、自信を持って生きられている部分もあるので、それをちゃんと伝えていきたいです。昔みたいな激しいものよりも、今はすごく愛があるものを歌いたいなと思います。僕を変えてくれたのは、ファンの皆さんです。

― 素敵です。10代、20代のさまざまな経験を経ての今があるんですね。

桜田:3年前くらいから、心を開くことを頑張る“心開きキャンペーン”をやっていて、今までは開きたくなかったというか、別に開いてもメリットがないくらいに思っていたのですが、自分を変えたことで、お仕事でたくさんの素敵な方々と関わる機会が増えたんです。5年前、10年前の自分にはなかなかそういう方との出会いがなかったのですが、周りの人を信じることによって開けた世界があって、「これでいいんだ」と腑に落ちたことが、この2、3年ですごくたくさんあったんです。

心を開いて裏切られたこともあるのですが、今はマイナスよりもプラスに目を向けるようになったので、僕はまだいろいろな人たちと繋がりを持つことを諦めていないです。僕の大切な人や大切なものさえ傷つけられなければ、誰に何を言われても、痛くも痒くもありません。

― 最近は感情的になることはなくなりましたか?

桜田:そうですね。「どうしたものか…」みたいな憤りをたまに感じることはあっても、怒ることはなくなったと思います。昔は感情を1つの場所に向けて進んでいる感じだったのですが、今は良い意味で広範囲に分散していて、どこでもドアを開けまくっている感じです。

― なるほど。それはそれで楽しそうです。

桜田:とても楽しいですし、世界が広がります。間違いなく10年前よりは幸せだと思います。

― 最後に、メジャーデビューに向けて改めてメッセージをお願いします。

桜田:アーティストデビュー第1弾ということで、「MIRAI」をリリースしました。この曲は今の僕の集大成です。これが皆さんのもとに届き、皆さんからの感想を受け取ることによって、きっと僕の中にまた新しい感情が生まれ、新しい音楽や表現したいものに繋がると思います。今まで応援してくださっている皆さんがいたからこそ、今の僕がいます。本当にありがとうございます。この1曲が皆さんにとっても大切な曲になったら嬉しいです。今後も音楽だけでなく、いろいろな作品を作っていきたいと思っているので、これからも注目していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

(modelpress編集部)

◆「Dori Sakurada Debut Tour 2023 “Retrograde Satellite”」日程・会場

・5月26日(金)KT Zepp Yokohama OPEN17:30/START18:30
・6月16日(金)Zepp Nagoya OPEN17:30/START18:30
・6月17日(土)Zepp Osaka Bayside OPEN17:00/START18:00
・6月29日(木)Zepp Haneda OPEN17:30/START18:30

◆桜田通(さくらだ・どおり)プロフィール

1991年12月7日、東京都生まれ。2005年のドラマ「瑠璃の島」にて映像デビュー。ミュージカル版「テニスの王子様」(2006~2007) の主人公・越前リョーマ役に抜擢され、映画「劇場版さらば仮面ライダー電王ファイナル・カウントダウン」(2008)野上幸太郎役で映画初主演。

2019年には「コーヒー&バニラ」に出演。最近では、Netflix「今際の国のアリス」シリーズに出演するなど、グローバルを視野にいれた活動に注力。テレビ東京で放送中のドラマ「クールドジ男子」に主演として出演。

10代での映像デビュー以降、数々のドラマや映画に出演し研鑽を積み上げてきた役者業はもちろん、自身のSNSでの影響力がファッション業界などで高く評価され、有名メゾンをはじめ、様々なクリエイターやファッション感度の高い若者からも大きな支持を得ている。Instagramフォロワー数は140万人を超える。

様々な活動の中で、自身の想いをより広く届けていくアプローチの方法として、アーティストとしての活動を決意。2023年5月12日、個性豊かなクリエイター陣と作り上げた楽曲「MIRAI」でメジャーデビュー。

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

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