小島梨里杏「心をハグされたよう」“映像化不可”といわれた『月がみている』完成披露に思い明かす | NewsCafe

小島梨里杏「心をハグされたよう」“映像化不可”といわれた『月がみている』完成披露に思い明かす

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『月がみている』完成披露 (c)2026『月がみている』製作委員会 
  • 『月がみている』完成披露 (c)2026『月がみている』製作委員会 
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『失楽園』『愛の流刑地』などが映画化された渡辺淳一の原作小説を娘・渡邉直子監督が再構築した映画『月がみている』の完成披露イベントが開催。7年越しの完成披露に、毎熊克哉、小島梨里杏、吉田羊、渡邉監督が登壇した。

毎熊と小島がW主演、さらに黒木瞳、西岡徳馬、吉田、ヴァンサン・ペレーズら実力派キャストを迎え、愛と性をめぐる男女のすれ違いと再生を描いた本作。約7割をフランスで撮影した美しい映像も見どころとなっている。

イベントではフランスでのエピソードのほか、想いを伝えられない、ひと癖もふた癖もあるキャラクターが登場する本作にちなみ大切な人との向き合い方をテーマにトークを展開。登壇者それぞれの価値観や、役を演じるうえで感じたことに迫る中で、ここでしか聞けない赤裸々なエピソードが飛び出し、本作だからこそ語られる貴重な“大人の本音トーク”が展開された。

吉田羊「ビックリの先にある、人間の温かい心の交流を楽しみに」
イベント冒頭、大勢の観客で埋め尽くされた会場を見渡した毎熊は、「この映画は去年、撮影を行ったんですが、今日が一般のお客さんに見てもらう最初の日ということで。そんな日に立ち会ってくださって、本当にありがとうございます。楽しんで帰ってください」とあいさつ。

続く小島は、「公開を迎える日を、心より楽しみにしておりました。皆さまに届いてこそ、作品が生きると思っておりますので、短い時間ではありますが、より作品を豊かに、楽しく帰っていただけるように、素敵な時間をお届けできたらなと思っています」と続けた。

一方、渡邉監督がプロデューサーとして参加した2018年の映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』で出会って以来、渡邉監督と親交があるという吉田は「直子さん(渡邉監督)から『今度、こういう映画を撮ろうと思うのよ』と言われて、この映画の短いパイロット版を見せていただいたのが2022年。今から4年前になります。その時からこの映画を応援してきたわたしとしては、今日この日を迎えられたことを、おそらく監督と同じぐらいの熱量で感慨深く思っております」としみじみ。

そして、「この映画、もしかしたらちょっとビックリするかもしれません。でもそのビックリの先にある、人間の温かい心の交流を、ぜひ楽しみにしていただけたら」と観客に呼びかけ、最後に渡邉監督が「2019年の秋ごろに企画が始まって。7年越しでやっとこの場に立てたので感無量です」と喜びを語った。

渡邉直子監督が明かす、父・渡辺淳一が原作に込めた“男性へのメッセージ”
原作「シャトウ ルージュ」を映画化した理由について、渡邉監督は「原作の『シャトウ ルージュ』は衝撃的な内容ばかりが先行していたんですけど、実際に読んでみると、(妻の)月子に対するレッスンなのではなく、(夫の)克彦に”女性の扱い方”をレッスンしていた、ということが分かったんです」とふり返る。

「それでちょうどそのタイミングで担当編集者に会う機会があって、そのことをお伝えしたら、『実は先生は、最近の男性が女性に寄り添わないから、ちゃんとしないと女性は逃げてしまうよ、ということが言いたくて。発破をかけるために書いたと言っていましたよ』とおっしゃって。やっぱりなと思ったんです」と述懐した。

そこで渡邉監督は、男性の心理に寄り添った原作からさらに一歩踏み込み、映画では女性にも寄り添う形で描くことにしたという。「(月子がレッスンを受けることとなる)お城の中では、おいしい食事が出たり、エステがあったりと、月子がすごく生き生きしている。実はそのお城の世界は、すごく安心で安全な場所なんじゃないかということを描けば、まさに表と裏のような、男と女の面白い映画ができるのではないかなと思い、この原作を選びました」と、本作に込めた思いを語った。

毎熊克哉「最後まで“ひどい男”」、小島梨里杏は出演に葛藤も「心をハグされたよう」
そんな本作の台本について毎熊は、「最初にお話をいただいたとき、渡辺淳一さんの原作そのものにも衝撃を受けたんですが、それを娘である直子さんが監督し、女性の新しい視点を入れるという点が非常に興味深くて。それができるのはひとりしかいないし、そこに面白みを感じました」とふり返る。さらに自身の役柄については、「本当に、最後まで“ひどい男”なんですよ」と苦笑い。

その上で、「僕も俳優としては、こういう“ひどい人間”を演じることにやりがいを感じるタイプでして。嫌悪感を抱かれそうなキャラクターですが、人間だからこそ、良い部分も嫌な部分もある。そういうことを表現する挑戦ができると思い、喜んで参加させていただきました」と語った。

一方の小島は、「脚本を読ませていただく前に監督の思いをお聞きして、深く賛同する思いがあって。そこでやりたいと思ったんですが、同時にここまで官能的な作品に参加したことがなかったので、最初はやはり迷いがありました」と、オファーを受けた際の葛藤を率直に吐露。

しかし、「でも脚本を最後まで読み終えたとき、心をハグされたような、とても温かいものが残ったんです。まるで母なる愛のようなもので包み込まれるような安心感があって、涙が出そうになりました」と明かした。

小島梨里杏「自分を愛することに未熟な自分だからこそ、月子をやるべき」
役との向き合い方について小島は、「映画を観ていただくと分かると思うんですが、月ちゃんはある程度主張しているのに、克彦は見てくれないところがある。でも、そういうことに引っ張られない温かさが残るのがとても不思議で。だったら今度はこの温かさを皆さんに届けて、観てくれた人をハグできたらいいなと思いました」と語る。

それでも、出演することには大きな勇気が必要だったという。「それはなぜなんだろうと考えた時に、自分自身を本当の意味で愛せていないからじゃないかと気づかされたんです。みんな誰しも、自分のすべてを愛するのは難しいことですが、そういうところもいったん受け止めて、愛してあげることがすごく大事なんだなと思ったんです」と明かす。

さらに、「人間としても、俳優としても、この役を受けることで、月子と向き合うことで、自分が月子であることの意味があるのかなと思って。自分を愛することに未熟な自分だからこそ、月子をやるべきだなと思いました」と、心の奥底にある思いを力強く語った。

吉田羊「今の時代にこそ必要な作品」出演を決めた理由を明かす
そんな2人の熱い思いを聞いた吉田は、「この熱い思いを聞いた後で、わたしの話はちょっと聞き流していただきたいんですけれども」と笑いつつ、自身が出演を決めた理由を語った。

「私のまわりでも、パートナーから性的搾取をされても、こうしたいと本音が言えない友だちがけっこういたんです。それをどうにかできないかなと思った時に直子さんからこの話をいただいて」と明かし、「セクシャルな内容ではありますが、単に官能的に描くというよりも、今失われつつある人と人との温かさや、相手を思いやる心、想像力が描かれた物語だということが分かって。まさに今の時代にこそ必要な作品だと思い、オファーをお受けしました」と力強く口にした。

渡邉監督「罪悪感やしがらみから少しでも解放されたら」
イベント最後の時間に、渡邉監督は、「この作品は性的なことが入り口に見えますが、自分自身を知り、心身ともに相手を理解し、愛を渡し合うような世界になってほしいという願いを込めて作りました。もちろん男性のスタッフもいますが、メインスタッフは全員女性で、本当に丁寧に作り上げた作品です。素晴らしいキャストとスタッフ、そして応援してくださる多くの方々のおかげで、今日この場所に立つことができました」と感謝。

その上で、「この映画を観て、皆さまが抱えている罪悪感やしがらみから少しでも解放されたらうれしいです」と語りかけた。さらに、「映画を観た方から、2回目に観ると全然違った視点で、落ち着いて観られます、という感想をいただいて。もしよろしければ2回目、3回目と観ていただければうれしいです。特に女性の感想が熱烈ですが、男性も、自分もちょっと反省しつつ、すごく救われたとおっしゃって、すごく長い感想文をいただきます」と紹介。

「もちろん女性だけでなく、男性もいろいろと背負っているものがありますし、それは父からもよく聞いておりましたので。皆さんに寄り添うつもりでつくりましたので、楽しんでいただけたらうれしいです」と締めくくり、大きな拍手の中でイベントの幕を閉じた。

『月がみている』は11月20日(金)より TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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