1979年、アメリカ・ニューメキシコ州。14歳のオルモは身動きが取れずにいた。本当なら親友ミゲルと遊びたいのに、この日は病気で寝たきりの父の世話を任されていた。そんななか、憧れの幼なじみニーナからパーティに誘われ、どうにか役目を抜け出そうと奮闘する。やがてその小さな企みは、すれ違いを抱えた家族をも巻き込み、オルモはいたずらと混乱に満ちた忘れられない一夜へと足を踏み入れていく――。
プラン Bエンターテインメントと、『ニューオーダー』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞したミシェル・フランコ監督が製作に加わり誕生した『オルモと夏のステレオ』は、14歳の少年オルモと、寝たきりの父に翻弄されるロペス家の“最低で最高な1日”が、ほろ苦いユーモアと温かなまなざしで描かれる。第75回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で上映され、「今こそ必要な一本─ Deadline」、「たった一日の出来事が、永遠に心に刻まれる─ The Moveable Fest」、「青春映画の新たな傑作─IndieWire」と批評家たちから絶賛を浴びた。
監督・脚本を務めるのは、メキシコ出身のフェルナンド・エインビッケ。2004年の長編デビュー作『ダック・シーズン』はカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、メキシコ最高峰の映画賞アリエル賞で11部門を受賞。3作目の『CLUB SANDWICH』ではサン・セバスチャン国際映画祭最優秀監督賞を受賞するなど、アメリカのインディペンデント映画界でも高い評価を受けてきた実力派だ。長編監督作としては12年ぶりとなった本作で描くのは、誰もが身に覚えのある思春期のあの頃。背伸びした恋をして、友達と笑い、親に反発し、家族の愛情に触れていく。そして、1979年の空気をたっぷりと閉じ込めた世界観が、どこか懐かしく、まぶしい記憶を呼び起こす。
主人公オルモを演じるのは、オーディションで抜擢されたアイヴァン・ウタパ。オルモが想いを寄せる幼なじみのニーナ、病気で寝たきりの父・ネストル、家族を支える母・セシリア、姉・アナ、親友・ミゲルら、個性豊かな登場人物たちが、ひとつの家族に巻き起こる最低で最高な1日を形づくっていく。
作品を彩るのは、レコード、一体型ステレオ、ローラースケート、真っ赤なフォード・マスタング、カウボーイシャツにトニー・ラマのブーツなど、1979年を感じさせるノスタルジックなアイテムの数々。ニューメキシコの乾いた光と土ぼこりがフィルターになったような映像も、本作の大きな魅力のひとつだ。
この度解禁されたメインビジュアルは、鮮やかなターコイズブルーの空を背景に、タイトルロゴ「OLMO」を大きく配したポップで印象的なデザイン。レコードやカセットテープ、ローラースケート、真っ赤な車など、1979年を感じさせるアイテムが散りばめられ、その下にはオルモと家族、友人ミゲルら5人の姿が映し出されている。「宝物みたいな、あの時代――」というコピーとともに、どこか懐かしく、面倒で愛おしい“あの頃”の空気を閉じ込めたビジュアルとなっている。併せて解禁された本予告では、隣に住む幼なじみのニーナに夢中な14歳のオルモが、病気で寝たきりの父の世話をすることになったことから、思いがけない出来事に巻き込まれていく様子が描かれる。
ニーナから「ステレオを貸してくれる?」と頼まれ、親友ミゲルとともにパーティに行けると喜ぶオルモだったが、母は仕事へ、姉も家を出てしまい、父の世話をすることに。思い通りにならない現実に苛立ち、父に反発するオルモは、やがてミゲルとともにステレオを車に積み、夜の町へと繰り出していく。
レコードが流れ、ミラーボールが回る部屋で踊り、車の中で音楽に身を委ねるオルモとミゲル。楽しい夜の一方で、ふたりの間には衝突も。そんな少年の一日を通して、初恋への淡い期待、友達との友情、親への反発、そして不器用な家族の愛のかたちが浮かび上がる。
笑って、怒って、傷ついて、それでも忘れられない。いつかの自分と重ね合わせるような、忘れられない一日を描いた本予告となっている。
『オルモと夏のステレオ』は11月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。






