サブスク代が、死後も親の「ネット銀行」から引き落とされ続け…相続で困る「デジタル遺産」の落とし穴 | NewsCafe

サブスク代が、死後も親の「ネット銀行」から引き落とされ続け…相続で困る「デジタル遺産」の落とし穴

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
サブスク代が、死後も親の「ネット銀行」から引き落とされ続け…相続で困る「デジタル遺産」の落とし穴

親の相続について考えたとき、預金や不動産は思い浮かんでも、ネット銀行や電子マネー、SNSなどの「デジタル財産」まで把握していますか?実は、親が利用しているサービスを家族が知らないまま相続を迎えると、財産の見落としや不要な支払いが続く原因になることもあるようです。

とはいえ、相続や終活の話は切り出しにくく、後回しにしがちですよね。大切なのは「もしものとき」の話題から自然に会話を始めることだといいます。

本記事では、『親が75歳を過ぎたら知りたいことが全部のってる本』から、親のデジタル財産の確認方法や相続の話し合いのコツを紹介します。

※本記事は書籍『親が75歳を過ぎたら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)から一部抜粋・編集したものです
※監修:黒田尚子(1級FP技能士・一般社団法人患者家計サポート協会顧問)

親のデジタル財産を把握する

「ネット銀行やネット証券を利用している?」と聞いておく

総務省の『令和6年通信利用動向調査』によると、70代の56%はスマートフォンを、36%はパソコンを利用しています。SNSの利用率は66%にも。ネット銀行やネット証券、電子決済サービスの利用も、ますます増えていくでしょう。

そこで問題になるのは、「デジタル遺産」です。相続の段階でネット銀行に口座があることに気づかないと、あとで遺産分割協議をやり直すことになります。また、誰にも気づかれなかったせいで、サブスクの費用が死後もネット銀行から引き落とされ続けていたというケースもあります。

まずは自分の親に「ネット銀行を利用している?」と聞いてみましょう。電子マネーや仮想通貨も相続対象になりますから、「何をしているか」はできるだけ具体的に。

さらにログインID、パスワードを別紙に書いてもらうことも必要です。悪用を防ぐため封筒に入れて封印をし、安全な場所にしまっておくよう親に伝えましょう。

なお、電子マネーなどのポイントの多くは相続対象にはなりませんが、JALやANAのマイレージなど相続できるものもあります。

ロック解除には高額の費用が

故人の財産がネット上にあることがわかっても、デバイスのロック解除ができなければログインはできません。パスワードを片っ端から入力してもログインできなければ、専門業者を頼るしかなく、その場合、数十万円の費用がかかることも。

デジタル財産の内容をリスト化する

〈スマートフォン、パソコン、タブレット〉

・型番、キャリアの種類
・電話番号、メールアドレス
・ログイン時(ロック解除)パスワード

〈インターネット契約プロバイダー〉

・プロバイダー
・会員ID

〈利用しているSNS〉

・SNSの種類(LINE、X、Facebook、Instagramなど)
・ID、ユーザー名
・パスワード

〈ブログ・ウェブサイトなど〉

・ブログやサイト名
・URL
・ID、パスワード

〈モバイル決済、ポイントサービス〉

・使っている決済方式(バーコード決済、電子マネーなど)
・マイルやクレジットカードなど、高額になりそうなポイント

▶「エンディングノート」は遺言書代わりになる?ならない?

「もしものとき」について軽く話題に

介護の話と相続の話をセットにして話すと一石二鳥

「相続」と「死」は切り離せないので、「親に相続の話はしにくい」と思うのも当然です。けれど親たちだって「亡くなったあと、子どもに苦労をかけたくない」と思っている。

少し背中を押すことで、親も話しやすくなるかもしれません。それに、相続対策は本人が生前に行うことがいちばん楽でお得。そこも強調したいところです。

まずは「もしものとき」について、軽く話してみましょう。介護の話とセットにすると一石二鳥。「もしお父さんが施設に入るなら、この家は売る?それとも残して誰かに相続させる?」など、介護の話題に相続の話をちりばめていくのがおすすめです。

エンディングノートを書いてもらえたらベストですが、ポンと渡されても書けないもの。親子で話し合いながら、書き進めるとよいですね。

ストレートに「わが家の終活会議」と銘打った会を開くやり方もあります。きょうだい間で不信感を残さないためにも、オンラインでよいので全員が顔をそろえたいもの。「家族会議」の機会に、相続の話も含めるとスムーズです。

エンディングノートは遺言書にならない

エンディングノートは財産の整理や記録ができ、延命治療などの希望も記入できる。ただし、遺言書としての法的効力はないので、エンディングノートだけでスムーズな相続がむずかしそうな場合は、遺言書も作成してもらおう。

話すときには「3つのT」を重視

テレビのニュースや葬式の話題から

テレビや日常会話の中で、「相続」「遺言」が出てきたタイミングがチャンス。「友達が遺産分割でモメてるんだって」などから、話を広げていきましょう。親が風邪をひくなどして弱ったときもいいタイミング。回復したところで「もしこのまま亡くなったらどうしようって思ったよ」と切り出してみて。

夫婦→きょうだい→親子の順で

相続についての「家族会議」は、小さい単位から進めるのがコツ。まずは自分の家族(配偶者や子ども)と相続に関する考えをすり合わせます。相続権のない配偶者の意見で「争族」化することも少なくないからです。次にきょうだいと話し合い、それを受けて親を交えた「終活会議」へ。本丸を攻める前に外堀を埋めることがコツです。

親の性格にあわせて話しをふる

情緒的な親には「きょうだい仲よく育ててくれて感謝してる。いい関係を今後も続けたいから、相続について考えよう」と感謝から入ります。理論的なタイプなら「事前に準備しないとこれだけ損するらしいよ」とデータを見せて話します。協調性重視の親なら「みんなやっているみたい」と実例をあげると納得度が高いようです。

ここまでの記事では、「親のデジタル財産の確認方法」について紹介しました。つづく関連記事では、介護費用の考え方や認知症に備えるためのポイントをお届けします。
つづき>>親の年金や貯蓄が少ない場合、施設はムリで自宅介護するしかないの!? 認知症になる前が重要!施設入所で失敗しないための準備

黒田尚子(くろだ・なおこ)
ファイナンシャルプランナー。CFP®認定者、1級FP技能士。一般社団法人患者家計サポート協会顧問、消費生活専門相談員失格、CNJ認定 乳がん体験者コーディネーター、城西国際大学・千葉商科大学非常勤講師。がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費問題にも注力。著書・監修書に『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから 超ビギナーが今すぐやること教えてください』(ともに主婦の友社)など多数。


《OTONA SALONE》

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