「しろがねの葉」で第168回直木賞を受賞した千早茜のロングセラー小説「男ともだち」(文春文庫)を原作とする本作。恋人でも、家族でもない“男ともだち”との複雑な関係性を描く。
予告映像では、主人公・神名(松岡茉優)とその“男ともだち”であるハセオ(成田凌)が思いがけず7年ぶりに再会を果たす様子が捉えられている。
恋人と京都の町家に暮らすイラストレーター、神名。仕事もプライベートも順調に見えるが、30歳を目前に、描きたいものを見失い、惰性や不毛な恋愛に逃げる日々を送っている。そんなある日、大学時代の“男ともだち”ハセオからの電話をきっかけに、二人は7年ぶりに再会する。
空白の時間を埋めるように、始発電車が動き出すまでの間、彼らは互いに仕事や恋愛観を語り合う。しかし、帰宅した神名は同棲相手の彰人(井上祐貴)に「男ともだちってずるい響きやなぁって…」と複雑な感情が滲んだ言葉を投げかけられる。
さらには、二人の大学時代の先輩でライブハウスのオーナーをしている岩佐(三浦貴大)には「お前達はさ、お互いの幻想なんだよ。特別じゃない」と言われる始末。無茶なクライアントワークに神経をすり減らし、恋愛もうまくいかず、神名はどんどん追い詰められていく。
「ハセオはさぁ、なんで私とはしないの?」と言い出した神名の想いと、その問いかけへの、“男ともだち”ハセオの答えとは?
印象的なセリフやシーンが散りばめられ、神名の浮気相手・真司(中島歩)、大学時代の友人・美穂(咲妃みゆ)らの姿も映し出され、7年ぶりに動き出した神名とハセオの甘く、苦く、ひりひりとした時間が、美しいロケーションの中で紡がれていく。
さらに、劇中歌には、ジャンルにとらわれないサウンドと透明感のあるボーカルで注目を集める3人組バンドchilldspot(チルズポット)が歌う「lost child」が決定。2020年11月には1st EP「the youth night」をリリースし、国内外の音楽好きリスナーから注目を集めている。
「lost child」は、「2人がお互いの関係性をちょっとだけ意識するような歌を披露してほしい」という制作陣の想いを受け、本作のために書き下ろされた楽曲だ。比喩根は神名とハセオが訪れる京都のライブハウスのシーンに出演し、弾き語りで歌を披露している。
コメント
chilldspot/比喩根(Vo/Gt)完成した作品を拝見させていただいた時、心の深い部分にボディブローを喰らったような気持ちになりました。
人が隠したがるだらしなさや捻くれた思考がこの映画では惜しげもなく登場人物に描かれ、混ざって、魅力になっていく。
綺麗だけじゃない、でもそれが一番綺麗。そんな映画だと思いました。
「lost child」はこの映画内の一日目、京都での夜をイメージして書いた曲です。
再会した神名とハセオが互いに感じる懐かしさと安心感。ロマンチックでありながら、神名が日々感じている素朴な悲しさも織り込みました。
実際に生演奏で撮影をさせていただいた時は緊張していましたが、「神名とハセオがそこに居てこの曲を聴いてくれている」。
これがなんとも嬉しくて自分自身もあの空間に浸れながら歌うことが出来ました。
「男ともだち」に携わらせていただけてとても光栄です!
歌はもちろん、日常の音や光も美しいのでぜひ映画館で見て聴いていただきたいです。
三島有紀子監督
この世界は、美しいものだけでできているわけではない。その世界を、吐き出すような言葉で紡ぎ、ため息のような息遣いと、肉体の底から湧き上がる声で、それでも美しい世界を信じさせてくれる比喩根さんに、アコースティックギター一本で歌ってほしいと思った。
飾らない音は、飾れない人間にいちばん近いんじゃないかな。
届けてくれた楽曲には、ブルースの痛みと、前へ進もうとするグルーヴがある。その響きは、登場人物たちの心を静かに震わせてくれる。
原作を読み、脚本を読み込み、劇中のライブハウスで歌ってくれた比喩根さん。映画を一緒につくってくれて、心から、ありがとう。
『男ともだち』は11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。






