「約束したでしょ!?」は逆効果!? スマホの使用を「自分でコントロールできる子になる」ために大切なポイントは | NewsCafe

「約束したでしょ!?」は逆効果!? スマホの使用を「自分でコントロールできる子になる」ために大切なポイントは

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
「約束したでしょ!?」は逆効果!? スマホの使用を「自分でコントロールできる子になる」ために大切なポイントは

こんにちは。「ひとりも見捨てない子育て手札の提案者」として年間数百件以上の子育て相談に乗っているきのぴー先生です。児童自立支援施設に併設された小中学校に勤務し、生徒指導主任を務めました。愛情や正論だけではなかなかうまくいかない子どもとの関わり。この連載では、理想論や正論だけでは届かないところにある、泥くさい現場で培ってきた子どもとの関わり方のヒントをお届けしていきます。

【きのぴー先生の子育て手札 #5】

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ルールは必要だが、「扱い方」がすべてを決める

では、ルールは不要なのかというと、そうではありません。むしろルールは必要です。境界線がなければ、子どもは自分をコントロールすることが難しくなります。それはお酒やタバコが成人まで制限されているのと同じく、やはり扱いが難しいものだからです。正確に言うと、私自身は極論「ルールがなくても回る状態」が理想だとは思っています。ただ現実として、多くのご家庭から「どうルールを作ればいいですか?」という相談をいただく以上、この話は避けて通れません。

ここで大切なのは、ルールの内容そのものよりも、ルールをどう扱うかという“マインド”です。

ルールの相談でよく出てくるのが、「ルールを破るのは悪」という考え方です。一見すると筋が通っていますし、正しさもあります。しかし、この前提をそのまま使ってしまうと、いつの間にか「ルールを破る=ダメな子」という構造にすり替わってしまうことがあります。つまり、行動の問題が、人格の否定に近づいてしまうわけです。これはよくありません。

なぜか?この状態が続くと、子どもは正直に話さなくなります。隠すようになります。あるいは、どうせ自分はダメだと感じて、改善しようとする意欲そのものが落ちていくこともあります。だからこそ、ルールは“守らせるためのもの”ではなく、一緒に扱っていくものとして捉え直す必要があるのです。

▶「なんで守れないの!?」

ルールに「納得」と「合意」があるかどうか

私がルールを考えるときに大切にしているのは、順番です。いきなり「これがルールね」と決めるのではなく、まずは状況を一緒に見て、必要性を共有し、そこから納得と合意をつくります。このプロセスを挟むだけで、子どもの中の感覚は大きく変わります。やらされているから、自分で選んでいるの感覚をつくります。いやいやそんなのやってるよ!となるかもしれませんが、もう少々お付き合いください。

もちろん、納得と合意を得た上でのルールでも、次に同じようにできるとは限りません。むしろ、うまくいかないことの方が多いのが現実でしょう。私も施設の現場で痛感してきました。ここで多くの大人がつまずきます。

「ほら、前に約束したでしょ」「なんで守れないの?」

私もよくこの言葉を使っていました。このように言いたくなる気持ちは、よくわかります。なので言っても良いとすら思ってます。なぜなら我慢ならないのですから。それはそれです。現場はとても泥臭いものです。色々なものでまみれています。こう言った記事で答えを出すこと自体すら、私は教育において烏滸がましいとも思っています(見てもらわないと連載が続けられないので答えは出しますが泣)。ただ、上記の一言は、子どもにとっては“責められている”と感じやすい言葉でもあります。私のおすすめの手札として以下のように話し方を変えます。

「前にこう話してたけど、実際どうだった?」 「やってみて、難しかった?」

この問いかけには、正解も不正解もありません。評価でもありません。ただ、“振り返るための問い”です。すると子どもは、自分の中で起きたことを言葉にし始めます。嘘のように思いますが、人は「責められていない」と心の底から感じることができる、内省できるものなのです。それは施設の子達とて例外はありませんでした。もちろん彼らは大人に裏切られ続けてきた経験が長いので、かなり苦労をしました。が、それでも粘り強く寄り添って話をし続ける中で、自分自身を省みることがやはりできるようになっていきました。

▶ルールを破ってしまった時のNGな対応

うまくいかないことを前提にする

もう一つ大切なのは、うまくいかないことを前提にしておくことです。人は、決めた通りに動けないことの方が多い生き物です。大人だって同じです。ダイエットも、早起きも、運動も、決めた通りに続かないことは山ほどあります。それなのに、なかなかどうして。私たち大人は子どもに対してだけ「一度決めたんだから守れるはず」と期待してしまうことが多々あります。子どもたちよ、ごめんなさい。大人もそんなものなのです。そして、どうしても心の中に「理想と現実のズレ」が生まれます。

ではどうするか? うまくいかなかったときは“失敗”ではなく、調整の材料として扱うことです。ここで必要になるのが「対話」です。ただ、この対話を私たちはどこかで誤解しています。子どもが納得してくれたら成功。言うことを聞いてくれたら対話が成立した。そう思ってしまうことはないでしょうか。でも、それは対話ではありません。それは“説得”です。この文脈での対話とは、合意形成です。お互いの立場を出し合いながら、どこまで歩み寄れるのかを探っていくプロセス。親の意見もあるし、子どもの事情もある。その両方をテーブルに乗せた上で、現実的な落としどころを一緒に作っていくことです。

たとえば、「平日は1時間まで」と一方的に決めるのではなく、「なぜその時間なのか」「どこまでなら現実的か」「どうなったら見直すのか」。こうした部分まで含めて話していくことです。このプロセスを経ることで、ルールは“守らされるもの”から、“自分で選んだもの”に変わっていきます。そしてここで重要なのは、対話は一度で終わるものではない、ということです。当然親御さんの複雑な状況下の方では「話なんてしてくれないわ!」という方もいらっしゃるでしょう。前に決めたことが、次もうまくいくとは限りません。むしろ、うまくいかないことの方が自然です。

だからこそ「ほら、約束したでしょ」と終わらせるのではなく 「やってみてどうだった?」と、もう一度同じテーブルに戻ること。責め立てるのではなく、ともに同じ目的に向かって支え合う仲間のように。この往復こそが、対話です。この関わり方が、子どもにとっては「次こそやってみようかな」と思える土台になります。

多くの方にはもしかしたら「でたよ、甘やかし教育」「そんなふうにしたら子どもはワガママに育つぞ!」と思われているかもしれません。その方々にはすみませんと頭を下げさせていただきます。私はどんな手段も否定をしない主義であります。人の数だけ本当に答えがあるからです。それを施設で痛いほど味わってきました。良きように受け取っていただけるかたに、お届けできればと思います。

▶ルールは子どもをコントロールするために作るものではない

ルールの先にあるもの

こうしたやりとりを繰り返していく中で、少しずつ変わっていくものがあります。それが、自分で考えて行動する力です。

最初はうまくいかなくてもいい。むしろ、うまくいかないからこそ、自分なりに考え、調整し、もう一度試す。このサイクルを経験していくことが大切だと、失敗を材料として捉える声かけを心から大人が語っているからです。これは本当に感動を通り越して熱狂を感じるほど、教育の凄さを実感することができます。そしてこれは、子どもだけの話ではありません。私たち大人も同じです。大切なのは、失敗しないことではなく、より良くしていこうとする姿勢と、そのための行動を少しずつ積み重ねていくことであると。その力を育てるために欠かせないのが、日々の対話です。

大きな問題が起きたときだけではなく、ちょっとしたすれ違いの中にも耳を傾けること。面倒に感じるようなやりとりを、丁寧に重ねていくこと。その積み重ねが、子どもにとっての「安心」となり、やがて「自分で人生をコントロールしていく力」へとつながっていきます。ルールはゴールではありません。あくまで、その過程を支えるための“手札”の一つにすぎないのです。

▶スマホを取り上げる前に知っておいてほしいこと

スマホを取り上げる前に、見てほしいこと

スマホは危ないかもしれません。けれど同時に、誰かにとっては必要な“支え”にもなります。だからこそ大切なのは、スマホをどう扱うかではなく、その子とどう関わるかです。

・今、そのスマホはこの子にどんな作用をもたらしているのか
・それを一緒に言葉にできているか
・対話を通して、現実的な境界線を引けているか

この積み重ねが、結果として“依存”との向き合い方をつくっていきます。スマホは敵ではありません。私もスマホ依存と呼ばれるぐらい触っているかもしれません。この記事を書いていながら、何回スマホを触ったことでしょう。今回は堅苦しい、少しうるさめな記事になってしまいすみませんでした。いやいつもかもしれません。

必要なのは取り締まりではなく、見極めと対話。ルールも、制限も、正論も、すべてはそのための手段にすぎません。子どもをコントロールするためではなく、子どもが自分をコントロールできるようになるために。その土台をつくるのが、日々の関わりであり、その中心にあるのが「対話」なのだと思います。今日はここまで。お読みいただき、ありがとうございました。

今回の子育て手札

「ルールづくりを効果的にするために」

世間の声だけを頼りにし、ルール作りに躍起になると、本質を見失い、関係性が崩れることがあります。私たち大人も悩みや願いを真剣に聞いてほしいように、子どもたちもまた、スマホに真剣であることを理解することも大切かもしれません。

▶▶きのぴー先生とは?

「発達障害、グレーゾーン、不登校、非行など、さまざまな背景を持つ子どもたちと向き合う中で生まれた「子育ての技術」。きのぴー先生の新連載が始まります」

◆プロフィール

ひとりも見捨てない子育て手札の提案者

きのぴー先生

公立小中学校にて10年間勤務。うち3年間を児童自立支援施設に併設された小中学校で勤務し、生徒指導主任を務める。さまざまな背景をもつ子どもたちと向き合う中で、子どもへの関わり方を技術として体系化。現在は教職を退き、1人も見捨てない子育て手札の提案者として、無料で技術を公開し続けている。現在は講演活動や個別支援も行いながら、感覚やセンスではなく、誰にでもできる関わり方を広めるべく、教育・福祉・家庭の垣根を超えて活動を展開中。Instagram @kinoppi30 (https://www.instagram.com/kinoppi30)/YouTube「きのぴー先生」/Voicy「きのぴーの子育て手札ラジオ」でも子育て技術を発信中。

◆公式サイト

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◆YouTube

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◆Voicy

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◆note

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◆Threads

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