「いますぐ取引先に電話しろ!」職場で先輩が叫んだ理由とは?人の「怒り」を察する技術を磨くために、すぐにできるたった1つのこと | NewsCafe

「いますぐ取引先に電話しろ!」職場で先輩が叫んだ理由とは?人の「怒り」を察する技術を磨くために、すぐにできるたった1つのこと

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「いますぐ取引先に電話しろ!」職場で先輩が叫んだ理由とは?人の「怒り」を察する技術を磨くために、すぐにできるたった1つのこと

相手に失礼なことを言った覚えはないし、向こうの態度も普通に見えたのに、なぜか関係がぎくしゃくしてしまう――そんな経験はありませんか?

ベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者で、1万人以上のビジネスパーソンと対峙してきた安達裕哉氏によると、「大人の怒りはわかりにくい」のだと言います。

本記事では、安達氏が「本当に必要なコミュニケーション能力」をまとめた著書から、デキるコンサルタントがやっている「人の気持ちを察する技術」をご紹介します。

※本記事は書籍『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』(安達裕哉:著/日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです

大人の「怒り」はとてもわかりにくい

コンサルタントは、典型的なクライアントワークなので、お客さんとの関係がとても大事だ。そのためには、「小さい不満も、できるだけ早く察知して潰す」ことに長けた人でないと、仕事が成り立たない。

たとえば昔、次のようなメールが、マネジャーと、そのプロジェクトメンバー全員をCcに入れて、同僚のコンサルタントに届いたことがあった。私はこのメールを見て、「早く返信しておきなよ」くらいにしか思わなかった。

だが、私の先輩は、真っ青になって、そのメンバーに言った。「いますぐ電話しろ! どうなってんだ回答は」

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そして、お詫びの電話を入れたあと、即、お客さんのところに向かって、事なきを得たという話を聞いた。あとで話を聞いたら、「お客さんはおだやかだったけど、あと少し回答が遅れていたら、取引停止になっていた」とのことだった。

また、こんなこともあった。プロジェクトの初回のミーティングでのことだった。初回のミーティングでは、会社の状況を共有してもらうための「調査票」を記入してもらう宿題を、お客さんに依頼することになっている。

それをミーティングで告げると、お客さんから「この宿題ですが、いつまでに終えればよいでしょう?」と、質問があった。新米コンサルタントが「あ、来週までにお願いします」と言った。

すると、相手の営業課長が眉をひそめ、何か言いたげに黙った。新米コンサルタントは何も気づいていない。だが、上司のマネジャーはすぐにフォローに入った。

マネジャー:すみません、標準ですと1週間程度で記入いただいているのですが……。どの程度で記入できそうでしょうか?

営業課長:いや、今週はけっこう忙しいのでね

マネジャー:そうですよね……

すると課長は、表情をゆるめて「わかりました、2週間後であれば何とかなります」と返してくれた。マネジャーは「ありがとうございます!」と礼を述べ、何ごともなく場は収まった。あとで、新米コンサルタントはマネジャーからきつく言われた。

マネジャー:宿題を出すときは、納期をお客さんに言わせろと、あれほど言っただろう。お客さん怒ってたぞ

調査票は、それなりに分量もあるし、記入するには頭も使う。だから、大変な作業であることは、コンサルタントは知っておかねばならない。それを「来週まで」と、簡単に言われたら、怒るのは当然だと新米は叱責されたのだ。

「相手の表情を見て、『自分が相手を怒らせた』と気づかないやつは、コンサルタントとしてやっていくのは無理だ」という事例として、社内にそれは共有された。私がこれらの出来事から得た教訓は、大人の「怒り」は、とてもわかりにくい、ということだ。

実際、「鈍い」コンサルタントたちは、お客さんが怒っていることを、まったく想像できていなかった。しかし、放っておけば、大問題になることも珍しくないし、「あいつはプロジェクトから外せ」というクレームにもつながる。だから、相手の怒りを察することができないと、「コミュニケーション能力が低い」として評価されてしまう。

もちろん、「言わなきゃわからない」「察しろというのは無理」と言う人もいるだろう。そのとおりだ。だから、上司なら、部下に「期限を守れ」「その言い方はよくない」とはっきりと言うべきだろう。

しかし、お客さんにそれを求めるのは無理だ。「言わなきゃ、わからないですよー、お客さん」などとは言えない。相手をさらに怒らせるだけだ。だから、コンサルタントを含め、サービス業は、ひたすら「察する」ことに神経を使わないといけない。

「察する」ために面倒くさがらず「しつこく質問」する

ここで問題なのは、「どちらが悪い」ではない。一緒に仕事ができず、契約を切られてしまえば、大きな不利益をこうむるのはこちらである、という事実だ。

実際、新米コンサルタントの最初のハードルは、「提案書を書く」「論理的に思考する」とか、そういった話よりも、「お客さんの気持ちを察する」ことだった。しかし、どうしたらそれができるのだろう。これについて、上司のマネジャーと話をしたことがある。

:お客さんが何を考えてるか、どうしたらわかるんですか?

マネジャー:何言ってんの、僕だってわかんないよ

私がぽかんとしていたのだろう。マネジャーは補足してくれた。

マネジャー: 要するに「自分は相手の気持ちがわかっていない」と認識するのが、第一歩。そうすると、何をするかっていうと、相手に確認するでしょ?「どのくらいで宿題できますか?」って聞くのも、その1つ

つまり、相手の気持ちがわからない、かつ、相手に配慮が必要なシーンでは、細かく相手の意向を確認することが、「察する」ことにつながるのだ、と。私はマネジャーに言った。

:全然「察して」ないじゃないですか

マネジャー:そうだよ。いまごろ気づいた?

マネジャーはにやりと笑った。

だいぶ昔に、プロの「執事」が書いた本を読んだことがある。面白いな、と思ったのは、執事ほどの「察する」が職業の根幹になっている人たちであっても、「しつこく質問せよ」と言っている部分だった。

何か言われてすぐ、「わかりました」と返事をするのは、一見いいように見えてじつはダメ。なぜなら、相手の本当の意図をくむことができないからです。臆せずどんどん質問する人ほど分析力が上がり、できる人になります。

―『執事が教える 相手の気持ちを察する技術』新井直之/中経出版

所詮は、「察する」という行為は、状況から推測される「仮説の提出」にすぎない。それを検証するのは、あくまでも「質問」。

つまり、「人の気持ちがわかる」とは、「観察」「仮説(察する)」「質問」というサイクルを、早く回せているだけ、ということになる。コンサルタントの技術とは、魔法のようなものではなく、ただこうした手間をおしんでいないだけのこと。裏を返せば「察せない人」というのは、「面倒くさがり」なのだ。

ここまでの記事では、「人の気持ちを察する技術」についてご紹介しました。つづく関連記事では、「会社で評価されるためのコミュニケーションスキル」についてお届けします。
つづき>>「貢献度が低い人は発言権がない」⁉人事が明かした「評価」にまつわる5つのホンネ。評価されるために必要なスキルとは?【経営コンサルが解説】

著者略歴: 安達 裕哉(あだち ゆうや)
1975年東京都生まれ。筑波大学環境科学研究科修了。Deloitteで12年間経営コンサルティングに従事し、社内ベンチャーの立ち上げにも参画。東京支社長、大阪支社長を歴任。1000社以上にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。その後独立し、オウンドメディア支援の「ティネクト株式会社」を設立。コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行なう。自身が運営するメディア「Books&Apps」は月間200万PVを超え、ソーシャルシェア数千以上のヒット記事を毎月のように公開。「ビジネスパーソンを励ますwebメディア」としておもしろく役立つコンテンツを届け続けている。2023年に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行なう「ワークワンダース株式会社」を設立。著書に『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(日本実業出版社)などベストセラー多数。なかでも『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は、2023年、2024年に日本で一番売れたビジネス書(トーハン・日販調べ)となった。
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