家を買うならやっぱり「港区」?高すぎる…それでも “最強”と言われる理由とは。「失敗しにくいエリア」の選び方 | NewsCafe

家を買うならやっぱり「港区」?高すぎる…それでも “最強”と言われる理由とは。「失敗しにくいエリア」の選び方

お金 OTONA_SALONE/MONEY
家を買うならやっぱり「港区」?高すぎる…それでも “最強”と言われる理由とは。「失敗しにくいエリア」の選び方

昨今、住宅価格の上昇や金利の動向を背景に、マイホームや投資用不動産の購入を検討する人が増えています。そんなときに多くの人が悩むのが、「どのエリアを選べば後悔しないのか」「この判断は将来も通用するのか」といった、正解の見えにくい問題です。特に初めての不動産購入では、何を基準に考えればいいのか分からず、不安を抱えたまま決断してしまうことも少なくありません。

TBSキャスターとして活躍し、現在はビジネス映像メディア「PIVOT」でマネー番組のナビゲーターも務める国山ハセン氏は、多くのプロから学んだ経験と自身の体験を通じて、「「どこを買うか」が、勝負の9割を決める」と語ります。本記事では、国山氏の著書から「人気のエリアとその理由」をご紹介します。

※本記事は書籍『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(国山ハセン :著/徳間書店)から一部抜粋・編集したものです

やっぱり「港区」が最強なワケ

不動産選びにおいて、マイホームであれ投資用であれ、僕がたどり着いた「絶対の勝ち筋」があります。それは究極の二文字、「立地」です。

立地がなぜこれほど重要なのか。建物は経年とともに劣化しますが、土地そのものの価値は変わりません。むしろ、再開発など周辺環境の発展によって上昇することもあります。つまり、良い立地を選べば、建物が多少古くなっても資産価値が維持されやすいのです。

そしてこれは、マイホームとして買う場合でも同じです。住んでいる間は「家」ですが、ライフスタイルの変化で売却することもあるでしょう。その意味で、マイホームも立派な投資なのです。

実際、なんの専門的な知識もなかった僕が不動産投資で大きなキャピタルゲインを得られたのも、ひとえに価格高騰の追い風が吹いた「ベイエリア」という立地を選ぶことができたから。「どこを買うか」が、勝負の9割を決めるのです。

そして、この立地選びという観点から見ると、日本国内でもっとも優れたエリアは東京都港区です。港区の強さの理由を一言で言えば、「お金が集中する構造」があることです。港区の平均年収は約1780万円。全国の市区町村で1 位です。さらに、誰もが知る大企業の本社が集中しています。その結果、住民税や法人住民税といった税収が潤沢です。

この税収の潤い具合いは、港区を歩けばすぐわかります。道路はいつも綺麗で、街並みも美しく保たれている。公園や図書館といった公共施設も充実していて、しかも治安が良い。つまり、住環境として申し分ないのです。

こうした良好な住環境が、さらに富裕層や資金力のある企業を呼び込む。お金がお金を呼ぶ好循環です。この循環によって需要が途切れないため、資産価値が下がりにくい。これが港区の強さの本質です。

この港区の強さは、コロナ禍でも証明されました。2020年、リモートワークが急速に普及したとき、「高い家賃やローンを払って都心に住む必要はない」「郊外の広い家がトレンドになる」という見方が拡がりました。港区神話もついに崩れるのではないか。そんな声も聞かれました。

しかし蓋を開けてみれば、港区の地価はほとんど下落しなかった。それどころか、コロナ禍収束後は大幅に上昇しています。これが何を意味するのか。港区は景気変動や社会情勢の変化といった、一般的な不動産価格の変動要因にほとんど影響を受けないということです。

▶港区が「別格」な理由3つ

港区が誇る「信用」「流動性」「進化」

この“港区最強説”を「資産価値の下がりにくさ」からわかりやすく教えてくれたのが、マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」を手がけるスタイルアクトCEO の沖有人さんです。沖さんは不動産コンサルティング歴28年、実績1000件以上という、不動産投資のプロフェッショナルです。

沖さんは「予算に余裕があるなら、港区を最優先で検討すべき」と強調される“港区最強説論者”。なぜ港区がそこまで別格なのか。沖さんが示してくれた理由は、大きく3つあります。

1つ目は「不動産価格の下落率の低さ」です。エリア別の下落率を比較すると、港区は他区と比べても明確に落ち幅が小さい。しかも、この“底堅さ”は金融機関の評価にもはっきり表れています。

沖さんによると、ある銀行は「港区の物件なら積極的に融資します」と言い切っているそうです。銀行は“貸し倒れリスクが極端に低い”と判断できる物件にしか、この姿勢を見せません。つまり、金融機関の融資スタンスそのものが、港区の資産価値の安定性を客観的に裏づけているのです。

2つ目は、「億ション市場」が成立している点です。沖さんが教えてくれたデータでは、1億円以上の高額マンション(いわゆる「億ション」)の取引のうち、港区だけで約4割を占めているそうです。さらに都心3区(千代田区・中央区・港区)全体で見ると約7割。このわずか数区に集中していることになります。

では、この集中が何を意味するのか。簡単に言えば、「億ションを買いたい人が集まっている場所」と「そうでない場所」の違いです。取引実績が少ないエリアで1億円以上の物件を買うと、いざ売ろうとしたときに「この価格帯の物件を探している人」がそもそも少ないため、買い手が見つかりにくくなります。結果として、大幅な値下げを強いられるリスクがあります。

一方、港区のように取引が活発なエリアでは、常に「億ションを探している人」がいます。需要と供給のバランスが取れているため、適正価格での売却が期待できるのです。

3つ目は、「再開発の規模」です。沖さんによれば「再開発エリアと新駅の近くは資産価値が大きく上がる」のだそうです。その点、港区では新しい駅がつくられ続けています。虎ノ門ヒルズ駅(2020年開業)や高輪ゲートウェイ駅(2020年開業)が記憶に新しいところです。

通常、新しい駅ができるなんて、何十年に一度の大イベントです。国や自治体が主導して、長い年月をかけて実現します。ところが港区では、民間デベロッパーが大規模再開発を行うたびに、新駅までつくられてしまう。つまり、民間の力で街が常にアップデートされ続けているのです。

実は、僕もこの本を書くにあたって、港区以外の可能性を探ってみました。いろいろなエリアを調べたのです。でも、データを見れば見るほど、プロの話を聞けば聞くほど、やっぱり港区に引き寄せられてしまう。

身も蓋もない結論ですが、不動産投資における模範解答は、「東京都港区に物件を持つこと」です。もちろん、「港区なんて高すぎる!」と思った人も多いでしょう。僕もそう思います。そこで、港区以外の選択肢も見ておきましょう。

▶港区以外の「失敗しにくいエリア」とは?

「人の新陳代謝」が地価上昇の原動力

「港区は無理でも、失敗しにくいエリアはないか?」その答えになるのが、「人の流れ」というキーワードです。

人の流れの重要性を教えてくれたのが、オラガ総研代表の牧野知弘さんです。牧野さんは第一勧業銀行(現みずほ銀行)で不動産融資を担当したあと、ボストン・コンサルティング・グループを経て三井不動産に入社。その後、J-RリートEIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て、2015年にオラガ総研を設立されました。

その牧野さんがエリア分析の際、真っ先に確認するのが人口の「転入・転出」データ。そこで導き出した黄金律が、「年間で人口の1割以上が入れ替わる地域は、地価が上がる」という法則です。

人口の1割が入れ替わるということは、必ず誰かが出ていき、そこに新しい人が入ってくるということ。牧野さんはこれを「人の新陳代謝」と呼んでいます。この人の新陳代謝が、地価上昇の原動力になるのです。

なぜ人口の総数ではなく、「入れ替わり」が重要なのか。そのメカニズムを紐解くと、街が価値を上げるプロセスが見えてきます。

まず、新しい人が継続的に流入すると、消費ニーズが多様化します。20代の単身者、30代の夫婦、子育て世帯など、さまざまな属性の人が入ってくることで、「こんなお店が欲しい」「こんなサービスが必要だ」という需要が生まれ続けます。

明確な需要があれば新しい店舗が出店しやすくなります。そして、新しい店舗が増えると、街全体の魅力が高まります。既存住民にとっても「最近、駅前に良いレストランができた」「便利な施設が増えた」という変化が満足度を高め、外から見ても「活気のある街」として映ります。

結果として、「ここに住みたい」という需要が高まります。需要が高まれば、不動産の売買が活発になり、賃貸物件の契約も増える。需要が供給を上回れば、価格は上昇。これが、人の新陳代謝が高い街で地価が上がるメカニズムです。

この「人の新陳代謝」を調べるのに、専門的なデータや高額なツールは必要ありません。各自治体のホームページを見れば、人口の転入・転出データは無料で公開されています。つまり、誰でも今すぐ確認できるのです。

なぜ「流山」がすごいのか

この「人の流れ」を意図的につくり出し、大成功を収めたのが千葉県流山市、特に「流山おおたかの森」駅周辺です。もともとは、つくばエクスプレスの開業に伴うアクセス改善がきっかけでしたが、流山市の凄さは、そこから「子育て支援」に思い切った投資をしたこと。その結果、小さな子どもを持つファミリー層に絶大な人気を誇っているのです。

では、具体的にどんな子育て支援が人を引き寄せているのか。象徴的なのが、不動産コンサルタントの沖有人さんも絶賛する「送迎保育ステーション」というシステムです。これが、忙しい共働き世代にとって究極のソリューションになっています。

流山市の送迎システムはこうです。親が朝、駅に設置された送迎保育ステーションに子どもを預ける。すると、そこから市内の各保育園まで送迎してくれる。帰りも同様で、保育園が終わった子どもたちは駅のステーションに集められ、親の迎えを待っている。つまり、親は通勤のついでに駅まで送り迎えするだけで済むのです。これは小さい子どもを持つ僕としても、正直うらやましい。くわえて、流山市は「待機児童ゼロ」を実現しています。

こうした環境が、さらに多くのファミリー層を引き寄せていますこの「送迎保育ステーション」を真似しようとする自治体もあるそうですが、簡単には実現できません。流山市は市域がコンパクトだからこそ、効率的な送迎網を構築できました。市域が広いと、保育園の数も膨大になり、送迎に時間がかかりすぎてしまいます。流山市の成功は、地理的条件とサービス設計がうまく噛み合った結果なのです。

▶「不動産価値が上がりやすい」エリア“3つの条件”とは

すでに人気のエリアを選ぶという戦略

「でも、流山はもう高いんでしょう?」そう思う人は多いはず。確かにその通りです。充実した子育て支援によって、多くのファミリー層が住むようになった流山おおたかの森駅周辺。数年前とは比べ物にならないほど発展し、地価もマンション価格も上昇しています。しかし、僕はこう思うのです。すでに値上がりしたぶんは一種の「安心料」だ、と。

まだ誰も知らない穴場に賭けて、もし街が発展せず廃れてしまったら、不動産価格は下がり続けます。それよりも、「ここに住みたい」という確実な需要が目に見える形で存在している場所を選んだほうが、資産価値が大きく下落するリスクを避けられます。割高に見える価格は、「この街の人気は本物だ」という市場の評価なのです。

もちろん、不動産投資でもっとも大きな利益を得られるのは、誰も注目していないうちに「このエリアは絶対に上がる」と予測し、安い時期に購入しておくこと。これが的中すれば、大きなキャピタルゲインを手にできます。

しかし、不動産の専門家ではない私たちにそんな正確な未来予測はできません。ただし、流山のような「すでに人の流れが生まれている場所を選ぶ」という戦略は、一般人でも十分に真似できる。派手な利益は狙えないかもしれませんが、大きな失敗のリスクを抑えることができます。

「第二の流山」の探し方

ここまで流山市を取り上げてきましたが、「いや、そもそも流山に住む予定ないし」という人も多いと思います。実際、僕も流山だけを推したいわけではありません。重要なのは、「なぜ流山は化けたのか?」という裏側にある法則を理解し、それをほかのエリアに応用することです。

牧野さんの教えを整理すると、不動産価値が上がりやすいエリアには次の3つの条件があります。

第一に、人口の転入・転出が活発であること(年間1割以上の入れ替わり)。
第二に、新しい住民を引き寄せる「魅力」があること(交通利便性、子育て環境、商業施設など)。
第三に、その魅力が一過性ではなく、継続的に機能していること。

この3 つの条件を満たす場所こそが、「第二、第三の流山」になる可能性を秘めています。

では、実際にどうやって探すのか。まずは気になるエリアの自治体ホームページを開き、人口の「転入者数」と「転出者数」を確認してください。そこで年間1 割程度の入れ替わりがあれば、ひとまず合格です。

次に、その「人が集まっている理由」の正体を探ります。駅前の大規模再開発なのか、大企業の本社移転か、あるいは大学の新キャンパス誘致か。理由が明確であればあるほど、その街の価値は計算しやすくなります。

ただし、データだけで判断するのは禁物です。ここからが僕のもっとも大切にしているプロセスなのですが、候補を絞ったら、必ずその街へ足を運んでみてください。実際に街を歩き、散歩をしながら、そこにいる人たちの様子をじっくり観察するのです。

歩いている人たちの表情は明るいか? 街全体に活気やポジティブなエネルギーが流れているか? 「自分もここに住んでみたい」と思える空気感があるか?

そうした「肌感覚」や「直感」を侮ってはいけません。僕はそれを「未来の資産価値」を教えてくれる高精度のセンサーだと思っています。もしあなたがその街を歩いて「なんか住みづらそう」「なんとなく居心地が悪いな」と感じたなら、その違和感を無視してはいけません。あなたが感じたその負の感情は、ほかの多くの人も同じように抱いているでしょう。

それは将来、空室リスクや価格下落という形で数字に表れてくる可能性が高い。反対に、本当に伸びる街には、理屈抜きに「良い空気」が流れています。街の体温を五感でつかむこと。それが数字の裏付けを「確信」に変える最後のステップなのです。

この探し方は、東京近郊に限った話ではありません。北海道でも大阪でも、あるいは沖縄でも、共通する成功の法則は同じです。「数字」という冷静な分析と、「散歩」という現場検証。この両輪が揃えば、あなたの住むエリアの近くにある「第二、第三の流山」を見つけられるかもしれません。

ここまでの記事では、主に「人気のエリア」についてご紹介しました。続く【関連記事】では、人気の「物件選びのポイント」について詳しくお伝えします。
>>>物件選びは「ブランドマンション」一択?メリットと、選ぶべき鉄板ブランドとは【元TBSアナ・国山ハセン氏が解説】

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■著者略歴: 国山ハセン(クニヤマハセン)
1991年生まれ、東京都出身。中央大学商学部卒業。2013年、TBSテレビに入社。数々の番組でメインMCなどを務め、2021年8月からは報道番組『news23』のキャスターも務める。2022年末に退社し、ビジネス映像メディア「PIVOT」に参画。動画コンテンツの企画・制作に携わり、なかでもMCを務める『MONEY SKILL SET(マネースキルセット)』『MONEY SKILL SET EXTRA(マネースキルセット・エクストラ)』は資産運用の学びの番組として大きな人気を博している。2025年、アメリカでFOX UNION Inc.を立ち上げ、日本発のグローバルメディア「UnKnown」を合わせてローンチ。著書に『アタマがよくなる「対話力」』(朝日新聞出版)がある。


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