
2026年の穀雨(こくう)は4月20日から5月4日。
穀物の成長に欠かせない雨がたっぷり降り注ぐ頃なので「穀雨」。春の雨は穀物の発芽に重要なので、種まきを迎えるこの時季の雨は農作業にとっては恵みの雨と捉えられているそうです。
【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】
春土用に脾の機能を整えながら暮らすには
ですが、雨の日は気圧の変化が生じるので、体調に影響が及んでしまう人もいるかもしれません。「自然環境の変化への適応」に関係する不調は、「脾」の状態がお疲れ気味だと起こりやすい、と中医学は捉えていたりもします。
穀雨の終盤に差し掛かるこの期間は、次の季節への「変化の土用」ではありますが、今まさに直面している「穀雨の雨模様」の影響が少しでもご自身の身体に及ばないように「脾(=消化機能)」のケアに気遣ってみましょう。
さて、再春館製薬所までの通勤道シリーズですが、清明(4月上旬~中旬)の際に紹介させていただきましたで“じゃがいも畑”のその後の様子です。ちょうど1ヶ月前はまだ芽が出てすぐの頃でしたが、GW前には花が咲いていました。鮮やかな新緑に包まれている熊本県ですが、その中で白い花が悠然と咲いている姿を見ると、「元気に成長しているのだな」と朝から嬉しい気持ちになります。

じゃがいも畑から少し離れた畑では、“かぼちゃの花”にも出会うことが出来ました。

太陽に悠然と立ち向かうかのように咲くじゃがいもの花とは打って変わって、かぼちゃの花は葉を見事に日傘にしているように見えました。それぞれの花には色の違いなどの個性もありますが、咲き方も異なることに「多様性」の面白さを感じました。今回はこのご縁にちなんで、じゃがいも・かぼちゃを用いたおススメレシピを紹介したいと思います。
ポテサラが完全にフランス料理の方向へいった?!「さば高菜のせ大根葉ポテサラ」

肝・脾の機能にうれしい食材”でおススメなのは、じゃがいも、大根葉、帆立、クコ、高菜、さば、かぼちゃ、スナップエンドウなどが挙がります。
高菜漬けにさば粉をまぜて食べてみたところ、とてもおいしかったのでレシピをご紹介します。じゃがいもが脾の機能を正常にして健やかにします。クコは肝の機能を補います。さばは高菜にまぜると脾の機能を正常にします。この時期、旬ということもあり、さばは積極的にとっていきたい食材です。
これらの“肝・脾の機能にうれしい食材”を使ったおススメレシピの1つ目は「さば高菜のせ大根葉ポテサラ」です。
この時季になると、スーパー・道の駅などの野菜コーナーで“大根葉”をよく見かけます。大根の可食部(=白い部分)ももちろん身体に良い働きがあるのですが、春土用にケアしたい“脾”の機能に働きかける大根葉を、同じく“脾”の機能にうれしいじゃがいもと合わせておススメレシピにしてみました。
作り方は、まず“ポテトサラダ”を作ります。クコ(大さじ1)を水に浸して柔らかくします。じゃがいも(中2個)は一口大に切ってから20分ほど蒸した後、ボウルでつぶします。フライパンにごま油をひいて、粗みじん切りにしたベビー帆立(6個)・1cm程度の長さに切った大根葉(1わ)・薄切りにした玉ねぎ(小1個)を軽く炒めて粗熱をとります。じゃがいもを入れたボウルに入れて、マヨネーズ(大さじ5)・藻塩(小さじ1/2)・黒こしょう(小さじ1/2)を加えて混ぜ合わせます。
次に“さば高菜”を作ります。みじん切りにした高菜漬け(大さじ2)をボウルに入れて、さば節(小さじ2)を加えて混ぜ合わせます。
最後に、セルクルのような円形容器にポテトサラダを入れてから器に盛りつけ、上にサニーレタスを敷いて、さば高菜を乗せたら出来上がりです。
上にのせたさばは「身体に気と血を補って、水分のめぐりを良くして食欲を促し、肝の機能を助けて目の疲れを改善する」働きが、高菜は「身体の水分のめぐりを良くして、おなかを温めて食欲を促す」働きが期待できます。うま味成分たっぷり&味付けしっかりの“さば高菜”と一緒にポテトサラダを崩しながら食べると、風味の変化を感じながら食べられますが、さばと高菜が一緒になることで、「脾(=消化機能)の機能の駆動エネルギーとなる“気・血”を補って、飲食物のめぐりが良くなり食欲が促され、しかも目の疲れにまで働きかける」という嬉しい効能を身体に運ぶことが出来るようになります。
通勤道で見かけたじゃがいもの花と野菜コーナーに並ぶ大根葉を見かけたことがきっかけでしたが、高菜とさばの協力を仰いで「春土用の脾の機能」を助ける穀雨の時季におススメのレシピにすることが出来ました。
かぼちゃ、意外とおやつにしないですが、これならお弁当にもおやつにも。「かぼちゃもち」

2つ目も肝・脾の機能を補うレシピとして「かぼちゃもち」を紹介します。かぼちゃのように「自然の甘味」を持つ食材は脾の機能を助ける働きがあると言われています。通勤道で“かぼちゃの花”を見かけたご縁がありましたので、かぼちゃの自然な甘味をメインに据えた脾の機能に嬉しいおススメレシピを作ってみました。
作り方は、まず材料の準備をします。クコ(大さじ1)は水に浸して柔らかくします。一口大に切ったかぼちゃ(200g)をスナップエンドウ(8個)と一緒に10分間蒸し、冷めたらかぼちゃの皮を取り除きます。ボウルでかぼちゃをつぶした後、クコ・別のボウルであらかじめ混ぜ合わせた片栗粉(大さじ2)・藻塩(小さじ1/4)を加えて混ぜ合わせます。これを6等分に分けて、厚み1cmまで平らにした“かぼちゃもち”を作ります。ボウルにしょうゆ(大さじ1/2)・酒(大さじ1)・きび砂糖(大さじ1)を入れて、混ぜ合わせて“味付け調味料”を作ります。
熱したフライパンにごま油をひいて、かぼちゃもちの両面にこんがり色がつくまで焼いた後、味付け調味料を加えて絡めます。器に盛りつけて、スナップエンドウを添えたら出来上がりです。
かぼちゃは「身体に気を補って、食欲と便通を促し、炎症を鎮める」働きが、クコは「肝の機能を助けて、目の疲れを改善する」働きが、スナップエンドウは「身体に気と水分を補って、食欲を促す」働きが期待できます。食材3種類だけのシンプルな組み合わせですが、「身体に気を補う」「食欲を促す」という、土用の期間を過ごす脾(=消化機能)の機能に嬉しい効能のポイントが盛り込まれたレシピになりました。
旬を迎えた春野菜や山菜を春先のスーパーではたくさん目にしましたが、土用の頃になると少しずつ姿を消してしまいます。スナップエンドウはかぼちゃに負けず劣らず脾の機能を助けるので、かぼちゃに添えたスナップエンドウはそんな端境期の貴重な食材とも言えます。
5月に入ると「暦の上では夏」に入ります。春のイライラ・不調・ダメージを残さず夏を迎えられるように、終盤の“春土用”も食で肝・脾の機能をケアしてあげてください。
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