日本人女性は子どもを産んだ瞬間から「自分の名を失う」。増加する不登校ももしかしてママ不遇の影響なのかもしれない | NewsCafe

日本人女性は子どもを産んだ瞬間から「自分の名を失う」。増加する不登校ももしかしてママ不遇の影響なのかもしれない

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日本人女性は子どもを産んだ瞬間から「自分の名を失う」。増加する不登校ももしかしてママ不遇の影響なのかもしれない

株式会社アルトスター(群馬県高崎市)の代表取締役を務めながら、執筆活動やウェルビーイングアドバイザーとしても活躍中の芳子ビューエルさん。さまざまなフィールドで活躍中のビューエルさんですが、起業したのは末っ子が4カ月のときでした。

ビューエルさんにワークライフバランスや女性が家庭外で働くことの意義、子育ての苦労、自分を労わるコツなどについて伺います。

◆ワークライフバランス、芳子ビューエルさんはどう考える?

「あなたは誰ですか?」の問に、「〇〇の母」、「〇〇の夫」以外の回答ができる?

近年、”ワークライフバランス”という言葉をよく耳にしますが、ワークライフバランスについてどのようにお考えですか?

「仕事も結婚も妊娠も育児もどれも大切です。ですが、女性への負担はとても大きく、バランスを取るのは本当に難しいと思います。器用な人もいれば不器用な人もいます。AさんができてもBさんが同じようにできるとは限りません。自分のキャパシティや適性をきちんと見極めて、『バランスを取ろう!』という意識を持たないと、うまくいきにくいと思います」

ビューエルさんはご自身の経験を振り返りながら、女性にとって”仕事を持つこと”の大切さを語ってくれました。

「子育てをしているお母さんも、子どもが大きくなると心寂しくなることがあります。『〇〇のお母さん』『〇〇の奥さん』で生きていると、『あなたは誰ですか?』と問われたときに自分がないことに気付くと思います。『自分のアイデンティティ』となる仕事は大切だと思います」

お母さんが『パート勤務』であることが前提の活動が多く……

フルタイム勤務での子育ての難しさ。子どもに謝ることもありました

ビューエルさんは核家族で、実家のサポートを得がたい環境で3人の子育てと起業を両立していました。働きながら子育てをする中で大変だったエピソードはありますか?

「長女は小学1年生の頃から下の子のお迎えをしてくれました。弟を迎えに行き、一緒に帰ってきて、一緒に遊ぶことを楽しんでくれていました」

しかし、長女が幼いきょうだいと一緒に過ごす時間を心から楽しんでいた気持ちは、周囲からなかなか理解してもらえないこともあったそうです。

「学校の先生に『自分のために娘を犠牲にしている』といわれたこともあります。娘にはいつも『大丈夫?』って声をかけていたんです」

ビューエルさんはどんなに忙しくても、お子さんの心の声に耳を傾け、お子さんたちの思いを大切にしていました。

フルタイムで働きながら子育てを続けてきたビューエルさんにとっても、子ども会の活動は課題のひとつだったといいます。現在も、PTAや子ども会の活動が、働くお母さんたちの大きな負担になっているという声は少なくありません。

「何事においても、お母さんが『パート勤務』であることが前提でした。たとえば、クラブ活動でも、保護者が週1回のお手伝いを引き受けられない場合、子どもは輪に入れてもらえません。母親同士のことについては『気にしない』『めげない』『悩まない』ようにしていましたが、子どもには常に思いを確認し、謝ることもありました」

さらに、働くお母さん“あるある”の苦労も共有してくれました。

「保育園時代、家事や寝かしつけが終わって一息ついたときに連絡帳を見ると、明日の持ち物が書かれていました。『今から買いに行くの?』と焦ることも多々ありました」

やっと休めると思ったときに、やることが残っていたときのショックの大きさは、多くの読者が共感できるのではないでしょうか。

◆学校に行きしぶる子ども。母が仕事を辞めるのも仕方がない?

子育て中の壁も、その時期を乗り越えれば仕事を継続できる

ビューエルさんの会社では15年前からリモートワークを導入しているほか、産休・育休中の社員にもこまめに連絡を取るなど、子育て中の女性が働きやすい環境を整えています。ご自身の子育て経験が経営者として役立ったことはありますか?

「我が子が“学校に行きたがらない”と悩む従業員がいました。その子について少し聞いた上で、『会社に連れてきて、好きに過ごしてもらったら?』と提案しました。すると、すごくほっとした顔をしていました。学校に行きたがらない原因はさまざまだと思いますが、一時的なことも多いので、柔軟に対応してあげることでお母さんも仕事を継続できます」

ビューエルさんが子育て中の女性社員を手厚くフォローする理由のひとつには、「人生を終えるときに、女性にもアイデンティティをもっていてもらいたい」という願いがあるといいます。

学校に行きたがらないのは長い目で見るとごくわずかな期間であり、そこを乗り越えれば、お母さんたちは仕事を継続できると、ビューエルさんはご自身の経験からもよく分かっているのです。

◆良い人でいるために努力する必要はない

日本人が誤解しがちな「優しさ」と「責任感」

日本の女性は、仕事、家事、育児のすべてを一生懸命こなしすぎている印象がありますが、自分自身を大切にし、自分を優先するためのコツがあれば教えてもらえますか?

「よい人で居続けると、自分の気持ちを後まわしにすることにつながります。よい人でいるために努力する必要はないと思います」

海外の人と話す機会も多いビューエルさんですが、日本人の国民性と日本人特有の問題についても説明してくれました。

「日本人は優しい国民性です。子どもの頃から他者への思いやりを教わっているため、大人になったときに『よい人』ができあがります。ただ、海外では優しすぎるがゆえにやっていけない場面があるかもしれません」

今回の取材の最後に、ビューエルさんは“ライフボートに誰を乗せるか”を考える講義で教わったことを共有してくれました。

「日本人は自分を犠牲にして他人を優先して乗せますが、講師は『無責任な行為』だと言いました。なぜなら、ライフボートが発見される保証はなく、命を落とす可能性もあるからです。他人を優先するのは一見優しそうですが、自分が助かってこそ他人も守れるのです」

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お話/芳子ビューエル(よしこ びゅーえる)さん

株式会社アルトスター代表取締役

ウェルビーイングアドバイザー

一般社団法人ウエルビーイングアドバイザー協会代表理事

著書:『北欧流 幸せになるための ウェルビーイング』(キラジェンヌ)など


《OTONA SALONE》

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