小説家メアリー・シェリーの名著で、あらゆる創作物に強く影響を与え続けている怪作を実写映画化。ギレルモ・デル・トロによって、生と死を描き、人間としての意味や、愛を渇望し理解を求めることの意味を問う壮大なドラマが哀しく蘇る。

会場に集まった約470人のファンは、この舞台挨拶前に本編を鑑賞しており、感動と興奮に会場中が包まれる中、監督・脚本を務めるギレルモ・デル・トロが登場すると、盛大な拍手と歓声が贈られた。
スペシャルゲストとして登壇した小島氏との再会に穏やかな表情を見せつつ、興奮冷めやらぬファンに対して「幼少期からこの作品を創りたいと願っていました。本作は自分にとって個人的な作品になっているので、皆さんと共有できることを嬉しく思います」と挨拶。
続けて小島氏も「デル・トロ大好き小島でございます!デル・トロ監督ファンとして、彼が究極の『フランケンシュタイン』という作品を創ることが本当に嬉しいですし、彼と一緒にこの場に立てて嬉しいです」と語った。

ひと足先に鑑賞した小島は、「“フランケンシュタイン”の物語はこれまでいっぱい観てきましたが、本当に美しくて優しい映画でした。“作る側”のフランケンシュタインと“作られる側”のモンスターという二者の関係を父と子の関係に消化したことに、他との違いを感じて驚きました」と明かす。
「また、章ごとに二者の視点で物語が語られることで、いままで見えなかったフランケンシュタインを感じることができ、さすがマイフレンド、デル・トロ!と思いました」と熱い感想を語った。

己の欲望に駆られたフランケンシュタイン(演:オスカー・アイザック)が生み出した"怪物"(演:ジェイコブ・エロルディ)の存在を通して、人間とは何か、そして真のモンスターとは何かという問いを投げかける本作。

「私自身が怪物でもあるとそこで感じたんです。自分自身、奇妙で理解されない経験もあって、モンスターのように人から好かれないところが私のようだなと思いました。彼のような“不完全な姿”に美しさを感じました。そして11歳のときに原作を読み、誰もまだこの作品の精神を描いていないと思い、若いながらにこの映画を創りたいと思いました。40代になって子どもができたときには父子関係についても描きたいと思ったので、私にとって長い経緯を持った作品になっているんです」と明かした。



ギレルモ・デル・トロ監督もも「いまのような時代に生きる中で、“違う存在を受け入れる”というのは稀なことだと思います。違う者同士がお互いを理解することができる、そういうことが私にとっても素晴らしい開放をもたらした作品になりました。小島さんとも長年お互い支えあってきました。心より感謝申し上げます」とメッセージを贈った。
