駿台予備学校は2025年8月1日、2026年度以降の各大学や一部学部の合格者数公表を終了すると発表した。受験生が複数の塾・予備校やオンライン教材を併用することが一般的となり、単一の教育機関における合格者数が本来の意味をもちにくくなっているという。 駿台予備学校(以下、駿台)では、これまで各大学や一部学部の合格者数を公表してきた。大学受験の合格者数は、塾や予備校にとって「信頼」や「実績」の象徴であり、受験生や保護者にとっても重要な指標の1つとされていた。 しかし近年では、受験生の多くが複数の塾・予備校やオンライン教材などを併用して学び、単一の教育機関における合格者数が、本来の意味をもちにくくなってきているのが実情だという。 たとえば2025年度入試において、東京大学の一般選抜前期日程の合格者数は2,997名だったが、主要な塾・予備校の合格者数を合計すると、実際の定員を大きく上回る数字になる。駿台では、その数値の信頼性や意味が形骸化している状況であると判断し、2026年度以降の合格者数の掲載を終了することになった。 また、大学進学に対する受験生の考え方も変化しているという。海外大学への進学や特定の研究室・学部・教授との出会いを求めた志望校選定など、進学ニーズは多様化・個別化している。「大学に入ること」がゴールではなく、そこで「何を学び、どう未来につなげるか」が問われる時代になっている。 今後も、駿台では「DIVERSITY of STUDY」を掲げ、ひとりひとりの志望や学習スタイルにあわせた「究極の個別最適学習」を展開していく。また、離島を含む全国の学校や自治体へ、駿台の教育サービスを届けていく取組みも進めている。地理的な制約を越えて、すべての生徒の未来に寄り添う教育機関であり続けるよう、努めていくとしている。