元国税職員さんきゅう倉田です。東京大学の3年生です。
ぼくの友人の一人は女性の生理についてのリテラシーを高める団体を作って活動している。
先日、その第1回目のイベントがあって参加してきた。
女性から「生理であることを言いづらい」という意見があった。当然の意見である。
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▶ナチュラルに「生理です」と言うための驚きのアイデアとは
そこでゲームである。生理の人が有利になるようなボードゲームがあれば、勝つために積極的に生理であることを申告するインセンティブになる(ゲームのルールは考えているが、文字数の制限で割愛)。
生理のときはやや有利で、2日目の時は特段に有利であるような傾斜をつけてもいいかもしれない。
また、棚にお菓子などが置いてあって自由に購入できるサービスを企業のオフィスで見かけるので、そこに設置した“生理スイッチ”を押すと、お菓子を無料で取れるようにするのはどうだろうか。
一人で押すのは勇気がいるため、女性の方が多い職場などに導入するとか、鉄分やビタミンB群などが多いお菓子を多めにして積極的に押してもらえるように設計するとか、性別関係なく考えるのは大変有意義である。
今回話を聞き、生理の症状や女性でも認知度が低いPMSなどについて、多くの人が知ること、生理の話をしやすい環境を作ることが必要だと感じた。
しかし、男性から生理か否かを聞くことは難しいし、環境が改善されてもそういう話を望まない女性もいるだろう。
それでも、互いの差異を知り、辛苦を把握し、助け合ってよりよく働きのが民度の高い生き方ではないだろうか。
そういうことを無視してがむしゃらに働く環境は、前時代的というか、原始的というか、なんだか知性が低い感じがしないだろうか。
東大生の数ある活動の中の一つとして上記を紹介した。
運営団体には、今後もきっとさまざまな困難があるだろう。
例えば、体調が悪いことを明確にはっきりとクリアに伝えても、早退させてくれない職場はたくさんあることを知るかもしれない。
ぼくが以前、税務署にいたときの話をしよう。
▶体調不良でも早退できない!?
ある日、まともに座っていられないくらい胃が痛くて、上司に早退したいと言った。
しかしどうしても帰らせてもらえなかった。
新人だから、別に仕事などない。帰っても誰にも迷惑をかけない。
それでも頑なに帰らせてもらえない。提携する近所のクリニックに行けと言う。
そこで点滴を打って医者から連絡してもらうと、ようやく帰宅の許可が出た。
税務署に戻ってカバンを取り、急いで帰ると、「休暇カードを書け」という声が後ろから聞こえたが無視して帰った。
鬼の棲家のような職場である。全体的には良い職場であったが、無遅刻無欠席のぼくがそんなふうに扱われていいわけがない。
そういう不合理は、中学受験、大学受験とほとんど挫折を味わうことがなかった東大生にとって未知のものだろう。
東大生が思うより、社会は理不尽だし、下品だし、不合理である。
だから面白い。
■編集部より
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