本当の自分が出せないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ4】 | NewsCafe

本当の自分が出せないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ4】

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
本当の自分が出せないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ4】

占い好きのあいだで当たると評判の占い師、暮れの酉さん。彼いわく、「運がいい」とは“幸せに気づきやすくなっている状態”のことをさすのだそう。誰のまわりにも幸せのきっかけはあるのですが、運が悪いとその幸運に気付きづらくなってしまいます。巡ってくる幸せを逃さないようにすることが大切なんですって。


そんな暮れの酉さんからのお守りのようなエッセイが電子書籍『あなたの目の前にある 幸せの気づき方』(暮れの酉)になりました。ながらくオトナサローネで連載されていたエッセイは、「読むとまるで占いに行ったあとのようにスッキリ前向きになれる」と人気を博しました。あなたに訪れる“幸せ”を逃さないための、暮れの酉さんのエッセイの一部をお届けしますね。

「本当の自分」とは何か

学生時代は正義感が強くてダメなものはダメだと言えたのに、社会人になったら上司の顔色をうかがっている自分がいる……。仲のよい友達の前では屈託なく笑えるのに、ママ友のなかだとオドオドしてしまう……。「私、本当は、こんなキャラじゃないのに」そんなふうに感じながら過ごすことってありますよね。

ここでいう「本当の自分」は、「学生時代の自分」という過去の自分だったり、「仲のよい友達といるときの自分」という特定の関係性のなかにいる自分だったりということになりますが、果たして「そうじゃないときの自分」は「本当の自分」ではないのでしょうか。

西洋占星術という占いがあります。生まれた瞬間の星空の配置を「ホロスコープ」という図にして、どこにどの星があって、その星たちがどういう関わり方をしているかなどから、その人の性格や運命を読み解くものです。ここで見る「星」というのは、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10の星がメインです。

みなさんが雑誌やWEBで目にする「星座占い」は生まれたときに太陽系の天体がどのような配置をしていたかで占うものです。「牡羊座は積極的で行動派といわれるけれど、私はどちらかというと腰が重いほうだから当たってないかも」というように、ピンとこない人もいるかもしれません。これはなぜかというと、西洋占星術では太陽だけでなく10の星で占うので、太陽星座の示すものはほんの一部にすぎないからです。

「自分の意見がしっかりある」けれど「受け身な態度」など、それぞれの星が示すもののなかには、矛盾したものも含まれます。なぜかというと、人間とはそういうものだからです。ギャグ漫画の主人公のように単純化され、デフォルメされたキャラクターでどんな場面もぶれない人なんて存在しません。「自分の意見をしっかり持っていてこうあるべきだと思っているけれど、人の目が気になって意見が言えず、結局いつも誰かの意見に従っている」という矛盾や葛藤を抱えてもがいているのが生身の人間です。星たちは私たちの持つ多様な性質を描写してくれているのです。

太陽星座が示す「積極的な私」が本当の自分で、水星星座が示す「意見を言えなくて、結局、意に沿わないことを受けている私」は本当の自分ではないと考えているのであればそれは勘違いです。どの星座が示すのも、本当のあなたですから。

「ありたい自分」ではないことを否定しない

僕たちが「本当の自分」というとき、それは「こうであってほしい自分」であることが多いです。過去の自分を美化した「あのころのイケてた自分」だったり、いまだかつて現れたことはないけれど「こうでありたいと思う自分」だったりを、自分の本質だと思ったりします。

それ以外の自分は「私じゃない」から認めてあげない。「こうでありたい自分」で四六時中いたいけど、かなわない。「それ以外の自分」を否定してしまっています。

高い理想を掲げること自体は悪いことではありません。なりたい姿があることは、モチベーションの源泉になるでしょう。「いまのままじゃだめだ」と思うことも、それ自体は悪くない。現状を否定するところから、挑戦が始まることはよくあります。

でも覚えておいてほしいのは、高い理想や現状の否定は「自分を信じる心」とセットじゃないとよい方向に働かないということです。「いまの私のままでも大丈夫」だけど「もっとこうなりたい」からがんばる、というのなら弊害はありません。「いまの自分はダメだ」からスタートすると、「あるべきじゃない自分」を肯定できずに苦しむことになります。自分を否定するのはしんどいです。

西洋占星術が教えてくれるのは、いろんな価値観が自分のなかにあってよいということ。「失敗したらダメ」という価値観もありますが、「失敗するのは挑戦しているから。失敗できることはすばらしい」という価値観もあります。「自分の思いどおりにできないのは嫌だ」という気持ちもあれば、「自分の思惑を超えたことをすると、新しい発見があり楽しい」という気持ちもあるわけで。あなたのなかにもたくさんの考え方が眠っているのです。

占いは、あなたのなかに眠る、幸せに生きるための可能性を掘り出してくれます。

「本当の自分」なんていません。いるとしたら、あなたはいつも「本当の自分」で生きています。どんな自分も否定しないであげてください。一面しかなければダイヤモンドでさえ輝きません。多面体だからこそ、キラキラするのです。あなたが「本当ではない自分」も愛せるようになったとき、ひときわ輝きを放つことでしょう。


★毎週月曜日18:30配信予定。次回もお楽しみに!

【関連記事を読む】
『誰かの言葉に傷つきやすいあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ3】』

オトナサローネで連載されていた、暮れの酉さんのエッセイが電子書籍になりました!
『あなたの目の前にある 幸せの気づき方』(暮れの酉/主婦の友社)

PROFILE:暮れの酉

大阪ミナミの老舗占い館で、18年間人気No.1の座に君臨。古今東西の占術を古典から深く学び、練り上げてオリジナルの「鳳凰数術」を考案。2022年2月初の書籍『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い-名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)を発売。個人鑑定はからファンコミュニティから受け付け中。


《OTONA SALONE》

特集

page top